5月17日(木)金沢市視察報告(1)

13時30分より、金沢21世紀美術館内にて、総務課課長補佐・吉田圭史氏より説明を頂きました。以下の点について調査させていただきました。

①金沢21世紀美術館について
(1)同館の建設に至る経緯
(2)施設概要
(3)施設の経営(運営体制や経費など)
(4)入場者の推移と広報について
(5)現状の課題と今後の取り組み


(会議室にて)

金沢市は加賀前田家の城下町として栄え、伝統工芸や伝統芸が受け継がれてきたまちです。人口462.771人、面積は467.77km2、歴史都市・創造都市として世界に誇れるまちを築こうと取り組みをされています。
なかでも金沢21世紀美術館は市役所の隣にあり、市の中心部が観光地となっています。兼六園や金沢城とも隣接しています。


(美術館内より奥に見えるのが市役所)

2014年には新幹線の開業が予定されていて、東京⇔金沢間は2時間半程度で結ばれます。今後さらなる取り組みにより観光客の増加に向けた施策の一環としてこの金沢21世紀美術館を位置付けています。


(金沢駅前の風景)

金沢市の主な文化施策では、エレクトリックアート・金沢まちなか彫刻・金沢アートプラットフォーム・おしゃれメッセ・世界創造都市フォーラム・世界工芸トリエンナーレ等々、数えきれないほどの施策を打ち出しています。
また、まちづくりに関しても「歴史都市」に認定、ユネスコの「クラフト創造都市」に登録、「重要文化的景観」に選定されるなどしています。

このような背景のなか、金沢21世紀美術館は4つのコンセプトを持って運営されていました。
1.世界の「現在(いま)」とともに生きる美術館
2.まちに生き、市民とつくる、参画交流型の美術館
3.地域の伝統を未来につなげ、世界に開く美術館
4.子どもたちとともに、成長する美術館


(外から見た美術館)

利用状況は23年度で149万人が来館され、マスコミで報じられた回数は1000件を超えているとのことで、私にとっては想像をはるかに超えた驚異的な数字でした。
財政支出の面では支出が7億3千万円、その財源は観覧料等収入が2.5億円、物販等収入で0.5億円となり、市の負担は4.3億円とのことです。私は率直にこの市が毎年支出する4.3億円について議会はどうおっしゃっていますか?と伺ったところ観光客の増加に伴う経済効果からみても全面的に応援をしてくださっていますとのことでした。

兼六園・金沢城・金沢21世紀美術館とめぐる回遊性の高さからもさいたま市として学ぶべき点は多々あると感じました。
今後のさいたま市における観光行政やまちづくりにおいて、議会や委員会で取り上げていきたいと思います。
また、この金沢21世紀美術館は金沢大学の移転による空地をどのように活用するかということから始まりました。200M先には県立美術館もあるのに、更に市民に開かれた美術館を建設して行こうとの先見性に驚かされました。
さいたま市においても地域活性・観光客の増加などに向けゼロベースからの論議が必要であると痛感させられました。