今回の調査研究テーマは以下の通りです。
1、福井県、子育て政策と教育行政について
(1)企業子宝率について
(2)新ふくい3人っ子応援プロジェクト
(3)福井県の教育行政について
①福井型保幼小接続カリキュラム
②「希望学」について
2、福井市、学力向上のための施策について
(1)中学校区教育の概要
(2)中学校区教育の成果及び効果について
(3)課題と今後の方針について
福井県では、全国に先駆けて「ふくい3人っ子応援プロジェクト」など、子育てをする県民が安心して働ける環境づくりに努めていました。その結果、共働き率や女性の就業率がともに全国トップレベルでありながら、合計特殊出生率も全国上位を維持しています。
県内の中小企業の現場において、従業員の子育て支援の実践を更に進めていくには、新たなる評価指標にとって従業員の子育て支援に力を入れる企業を積極的に評価し「従業員を大切にする会社がグットカンパニー」という社会評価を定着させることが重要と考え、平成23年度から厚生労働省政策評価に関する有識者会議委員の渥美由喜氏の許可を得て「企業の合計特殊子宝率(愛称:企業子宝率)」調査を全国で初めて実施しました。
この調査結果により県は、「企業子宝率」の高い企業を「子育てモデル企業」として認定しその結果を広く周知していくことで従業員の子育て環境の改善を進める企業の増加に繋げていました。
一方、さいたま市においては出生率が1.27と低く、市民意識調査によると出生率の低下の原因として「経済的負担」等の回答が多いなかで、働きながら子育てできる環境や企業を増やすことにより、多くの市民が「住んでよかった、これからもずっと住み続けたい」と思える都市の実現のため引き続き調査研究を進めてまいります。
また、福井型保幼小接続カリキュラム「学びをつなぐ 希望のバトン カリキュラム」は、子どもの学びの連続性を保障するものとして策定されたカリキュラムです。平成27年から県下すべての小学校区で実施されています。特徴としては子ども一人一人の「学びにむかう力」の育成に力を入れているところです。小学校教育への接続的視点から「5歳児が経験すべき内容」を明確化しているところでした。事例研究実践ポイントを具体的に提示しての取り組みは大変勉強になりました。全国学力調査において常に上位に位置する福井県の先進的な取り組みについて引き続き調査研究をしてまいりたいと思います。
福井市では、中学校区教育(保幼小中連携)による学力向上のための施策がなされていました。
同じ中学校区にある保育園・幼稚園・小学校・中学校が連携して、その地域全体で子ども一人ひとりのきめ細やかな一貫した教育を実践されています。この保幼小中が相互に接続することにより、小1プロブレムや中1ギャップの解消を目指しつつ地域が一体となって子供を見守り育てるという取り組みを体系化しています。
さいたま市においても小1プロブレムや中1ギャップは大きな教育課題です。今後、福井県や福井市で学んだ内容を議会質問を通して教育力のアップにつなげていきたい。