(1)都市公園への防犯カメラの設置について
(2)防犯カメラ設置に関する本市の見解について

●神坂達成議員それでは、4番目、防犯カメラの設置についてお伺いしたいと思います。(1)番として、都市公園への防犯カメラの設置についてお伺いいたします。
過日保護者の方より、近隣の公園に防犯カメラを設置してほしいとの声が私のもとに寄せられました。詳しいお話を聞くと、以前住んでいた地域には、公園に防犯カメラが設置されていましたが、さいたま市には公園に防犯カメラがなく、子供を1人で公園に行かせるのが不安とのことでした。早速市内の公園での防犯カメラの設置状況を調べたところ、972都市公園、4月1日現在ですけれども、そのうち防犯カメラが設置されていたのは3カ所のみで、設置率はわずか0.3%でした。
公園は、子供たちの遊び場や地域住民への交流の場を提供し、災害時には避難所となるなど、良好な住環境を形成するために必要不可欠なオープンスペースです。一方で、公園で遊ぶ子供に声をかけ、卑劣な犯罪に及ぶケースや迷惑行為、ごみの不法投棄などが全国各地で起きており、公園における防犯対策の強化は課題とも言えます。警察の調べでは、昨年1年間のさいたま市における子供に対する声かけ事案は663件発生しており、前年と比べ69件も増加しています。この声かけ事案は、声をかける、手を引く、肩に手をかける、跡をつける等の行為で、略取、誘拐、性的犯罪等の重大犯罪の前兆として定義されています。また、発生場所を見てみると、第1位が路上で最も多く、次いで第2位が公園という結果になっています。
一方で、防犯カメラに映される市民の反応はというと、平成29年9月に実施したさいたま市インターネット市民意識調査によると、市内の公共の場所に防犯カメラが設置されることについてどのように思いますかとの質問に対して、できるだけ多くの場所に設置してが49.0%、犯罪を抑止するのに効果的な場所だけ設置してほしいが37.1%、設置してほしいと思わないが4.6%となっており、実に86.1%の人が犯罪抑止のため、防犯カメラの設置を希望していることが明らかとなっています。そこで、他の政令指定都市はどのようになっているのか調査したところ、大阪市では公園の防犯カメラの台数が飛び抜けて多いことがわかりました。さらに調査を続けると、大阪市では独自の取り組みを進めていることを突きとめました。
こちらをごらんください。実際に大阪市で設置されている自動販売機です。自動販売機の隣に防犯カメラが設置され、防犯カメラ作動中との表示も御確認いただけると思います。防犯カメラの設置となると、行政が特に頭を悩ませるのが、1台当たり70万円とも言われる高額なイニシャルコストとランニングコストの問題です。しかし、大阪市では自動販売機設置業者が防犯カメラの設置費用や光熱水費を負担する公募方式となっており、契約は最長で10年まで延長することができ、初期投資を事業者が回収しやすくしています。これにより、市は防犯カメラの設置のイニシャルコストとランニングコストをゼロにしていたのです。さらには、行政財産の目的外使用料として1台当たり年間平均5万7,000円の収入を得ており、平成30年度実績では211公園で1,261万円の増収となっていました。つまり、税負担なしで防犯カメラが設置でき、なおかつ自主財源の確保も進み、防犯対策もできるという三拍子そろった取り組みが進められているのです。まさに、他人のふんどしで相撲をとるとはこのことかと感心してしまいました。
大阪市では、この取り組みを5区、221公園で先行的に実施していましたが、1年半が経過したところで、地域や事業者、警察へのアンケート調査を行う検証を行った結果、夜間の迷惑行為やいたずら行為の抑止効果があった。防犯カメラの画像提供により、痴漢、オレオレ詐欺、強制わいせつ、窃盗など、年間約50件の容疑者の特定や犯人の検挙に結びついたとして、本年4月から残りの19区を含めた全24区、989公園での展開を始めました。本市においても大阪方式が導入できれば、市や市民、事業者においてもメリットのある事業となることは間違いありません。通学路における見守り空白地帯の一部もカバーできます。ぜひともさいたま市でも導入を検討すべきではないでしょうか、見解をお聞かせください。

次に、(2)防犯カメラ設置に関する本市の見解について伺いたいと思います。公共の場所に防犯カメラを設置する場合、肖像権やプライバシーの侵害に当たる可能性もあり、その設置に当たっては法律や条例の根拠を必要とするとの学説もあります。これを受け、杉並区では全国で初めて防犯カメラの設置及び利用に関する条例を制定し、現在では多数の自治体で同様の条例を制定しています。
一方、本市においては防犯カメラの設置に関するガイドラインが示されているにしかすぎません。しかしながら、日本全国で警察や自治体、自治会、商店街、個人などでこれだけ多くの防犯カメラを設置している以上、合法か違法かを議論することよりも、公共の場所への防犯カメラの設置を是とする大前提に立ち、いかにしてプライバシーの保護との調和を図るかが重要ではないでしょうか。先ほどの大阪方式では、販売機と防犯カメラは事業者が設置しますが、画像は市が責任を持って管理しております。今後、本市において公共スペースの防犯カメラの設置が進んだ場合、肖像権やプライバシーの保護を現在のガイドラインで対応できると考えているのか、見解をお聞かせいただきたいと思います。

●望月健介都市局長 神坂達成議員の御質問の4 防犯カメラ設置について、(1)都市公園への防犯カメラ設置についてお答えいたします。
本市の都市公園施設には、平成30年4月現在、プールを有する公園3公園に防犯カメラを設置しております。これらは、プールの利用状況を監視することを主目的として設置されたものでございます。また、本年10月に大宮区北袋町1丁目地内に、さいたま新都心公園を開設いたしました。当公園には、公園管理事務所を設置したことから、当管理事務所の財産保全及び利用料金収受施設として利用されることを踏まえ、犯罪行為の防止を目的として防犯カメラを設置したところでございます。
今後につきましては、都市公園施設及び公園の周辺における犯罪行為の抑止を目的といたしまして、あわせて公園の財産保全の効果も期待できることから、料金の収受を行う施設を有する大規模な公園、また多数の来客が見込まれる公園、繁華街に近接する公園など、優先的にさいたま市防犯カメラの設置及び運用に関するガイドラインに準拠の上、プライバシーの保護を図りながら防犯カメラの設置を検討してまいります。
次に、議員御提案の自動販売機と併設の問題についてでございますが、自動販売機の設置要件として防犯カメラを設置することにつきましては、議員の御提案のとおりイニシャルコストやランニングコストを要さず、公園内に防犯カメラの設置が可能となるほか、自動販売機の破壊行為を防止する効果も期待できることから、今後検討してまいります。

●志村忠信市民局長 神坂達成議員の御質問の(2)防犯カメラ設置に関する本市の見解についてお答えいたします。
防犯カメラの設置につきましては、設置に対する市民ニーズも高く、地域における犯罪抑止につながる有効な手段であると考えております。一方で、議員御指摘のとおり防犯カメラを不特定多数の人が往来する公共区間に設置することは、プライバシーの保護や個人情報の適切な取り扱いに十分配慮する必要があるものと認識しております。本市におきましては、防犯カメラの設置及び運用に当たって設置目的を明確化することや、その目的に即した必要最低限での撮影とするなど、設置者が配慮すべき事項について、さいたま市防犯カメラの設置及び運用に関するガイドラインを定めております。このガイドラインにおいて、防犯カメラを設置する際には、プライバシーや個人情報に配慮した設置及び運用が行われるよう、設置運用規程を策定することを設置者の責務として定めております。設置運用規程につきましては、撮影した画像の漏えいを防止するため、運用責任者や操作担当者を除く第三者の視聴等を制限することや、画像の保存期間を設置目的に照らして必要最小限とするなど、個人情報を適正に管理するために必要な事項を定めるものでございます。
今後につきましても、防犯カメラの設置及び運用に当たっては、市民のプライバシーの保護を図るとともに、個人情報の適切な取り扱いに留意することで、防犯カメラに対する信頼を確保しながら、犯罪のない、安心して暮らせる安全な社会の実現を目指してまいりたいと考えております。

●神坂達成議員 ありがとうございます。まず、公園に自動販売機つきの防犯カメラの設置、検討していくという御答弁もございました。また、大規模公園等にも防犯カメラを設置していくという御答弁があり、本当に1人のお母さんが子供を心配する思いが執行部の皆様に届いたのかなということで、大変に感謝をしております。今後、さまざまな課題はあるかと思いますけれども、ぜひともこの事業、お金もかかりませんし、大変に今回調べた大阪市を見て、さすが商人のまち大阪市だなと、うまいこと考えたなと思いましたけれども、ぜひいいものをどんどん取り入れていく、こんな取り組みをさらに加速していっていただければと思います。
1点再質問させていただきたいと思いますけれども、地方自治法第14条第2項では、プライバシーや肖像権などの権利を制限するためには、地方公共団体は、法令に特別の定めがある場合を除いて、条例によらなければならないと定められております。例えば今後防犯カメラで訴訟等が起きたときに、さいたま市はこのガイドラインで大丈夫というふうなご認識をお持ちなのか、それとも防犯カメラに関する条例等の制定を進めていこうとお考えになられているのか、1点再質問させてください。よろしくお願いします。

●志村忠信市民局長 神坂達成議員の再質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、他市において防犯カメラの設置及び運用に関する必要事項を条例で定めているところもあることは認識しております。本市におきましては、先ほども御答弁いたしましたが、防犯カメラの設置及び運用を行うに当たって必要な事項をガイドラインで定めていることから、今後もこのガイドラインに沿った形で防犯カメラの設置及び運用を設置者に行っていただきたいと考えております。

●神坂達成議員 確認させていただきたいと思いますけれども、今設置者の責任だという形になっていたと思います。さいたま市では、指定管理者が公園を管理して、その方が設置者になるのかなと思いますけれども、しかしながら多分訴訟等になった場合は、さいたま市自体が訴えられるのではないかなと私個人的には思っておりまして、そのことは大丈夫なのでしょうか、教えていただきたいと思います。あくまでも設置者なのだということであれば、それで了解ですけれども。

●志村忠信市民局長 神坂達成議員の再々質問にお答えいたします。
設置に当たっては、設置者にその管理の仕方、そういったものをきちんと定めるようにということで指導しているところでございます。その中で適切に管理していただくことが大前提となっておりますが、訴訟等が起こった場合には、その内容と責任の度合いについて審議されるものではないかと考えているところでございます。

●神坂達成議員 ありがとうございます。いずれにしましても、公園への防犯カメラの推進、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。