1.単身高齢者の孤立について
(1)市内における単身高齢者の孤立死について
(2)単身高齢者の見守りについて


○神坂達成委員 まず今回、1番目として、単身高齢者の孤立についてということで御質問させていただきます。この今回質問に当たりまして、なぜこれを取り上げたかというと、昨年の年末、12月でございますけれども、さいたま市、市営住宅において、単身高齢の方がお亡くなりになられていて、発見されたのが10日後であったと、こういった事案が発生をしたわけでございます。当然こういったことが起きると、行政は何をやっているのかというような批判等もあるかと思いますけれども、その批判だけにとどまらず、今後何が必要なのか、どういった取り組みがあるべきなのかということを含めて御質問をさせていただきたいと思います。その中で、今、高度経済成長期を過ぎて、今までは多世代の同居というものが一般的でしたけれども、高度経済成長以降は、いわゆる核家族化が進んでまいりました。この核家族の中で、当然子どもが自立をしていくと、両親2人だけが残る。そしてその中でどちらかが死別をすると単身高齢世帯となっていくと思いますけれども、この生活形態というのは、今までは特殊のように考えられておりましたけれども、もう今やこの形のほうが通常の世帯になりつつあると思います。
これですね、高齢者が一人でも安心して暮らせるコミュニティづくり推進協議会と、これは厚生労働省のホームページで見させていただきましたけれども、この推計によりますと、2025年には単身高齢者が637万世帯になる。もう違う文献等では700万世帯と言っているところもありますけれども、これをさいたま市に当てはめると、大変多い単身高齢世帯が出てくる。
この中で、1点目としてまずお聞きをしたいのは、市内における単身高齢者の孤立死についてお伺いをしたいと。さいたま市においても孤立を防ぐためのリーフレットを作成をしていただいて、全戸配布をしてもらったり、また要支援世帯の早期発見のためのガイドラインも作成をしていただいて、全国に先駆けて取り組んでいただいたということは重々承知でございます。また、その結果、ライフライン事業者29社と協定を結んだりとか、また、総合窓口等をつくって取り組みをされている中で、まず1点目としてお聞きしたいのが、この民間業者からの通報件数です。この事業、24年7月から始まっていると思いますけれども、25年、26年、27年、一体どれだけの通報件数があったのかというのをまずお聞きしたいと思います。
そして2点目ですけれども、この総合窓口、相談窓口で、この相談件数、実際にどの程度相談があったのか。これもお聞かせください。
そして三つ目として、市内で発生した孤立死、孤独死と行政では 分けていると思いますけれども、この孤立死数に、孤独死も含めてですけれども、一体どれくらいあるものなのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
○福祉部長 神坂達成委員の御質問の1、単身高齢者の孤立について、(1)市内における単身高齢者の孤立死についてお答えをいたします。
本市では、平成24年2月に北区において、一家3人がだれにも気づかれず自宅で亡くなり、死後数か月を経て発見されるという痛ましい事件が起きました。この事件をきっかけに、本市ではこのような孤立死や孤独死を未然に防ぐため、委員からも御指摘がございましたように、要支援世帯の早期発見のための通報等ガイドラインを策定し、平成24年10月に東京電力や東京ガスなどの民間事業者と協力協定を締結して、早期通報により孤立死の未然防止に取り組んでいるところでございます。
このガイドラインでは、近隣住民や民生委員などとの交流があったものの、死亡した時点でみとる者がおらず、発見までに時間を要した場合をいわゆる孤独死と定義しております。民間事業者と協力協定を結んだ平成24年10月以降、緊急通報や窓口で相談を受けて各区福祉事務所が安否確認を行った事案は、これまでに62件ございました。そのうち単身高齢者の孤独死と思われる事例は、平成24年度が3件、平成25年度が1件、平成26年度が2件の合計6件となっております。次に、孤独死の実数についてですが、近隣住民などの110番通報、119番通報により、警察、または消防が発見したケースの場合、孤独死と推定される事例であっても、個人情報保護法によりまして、福祉部門が情報提供を受けることができないこととなっておりますため、高齢者の孤独死の全体件数は把握しておりません。
○神坂達成委員 よくわかりました。
その中で、まず今度、2番目に移りたいと思いますけれども、単身高齢者の見守りについてということでございますけれども、この単身高齢者のリスクというものは、当然孤独死だけにとどまらないと思います、犯罪であるとか、また消費者トラブルとか、さまざまなことが考えられると思います。今後さらに増大をしていく、この単身高齢者の見守りについて、さらなる取り組みが必要と考えておりますけれども、市としての見解を教えていただければと思います。
○福祉部長 次に、(2)単身高齢者の見守りについての御質問にお答えいたします。
委員御指摘のとおり、近年高齢化が進み、単身高齢者がますます増加する中、孤独死や悪質な訪問販売などによる消費者被害、息子や孫を装う詐欺被害、また高齢者虐待などが大きな社会問題となっていると認識しているところでございます。
本市といたしましては、こうした問題に対応していくために、地域の見守り活動が重要と考えており、地域の見守り体制を築くために、平成17年度策定の第3期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画から、高齢者地域ケアネットワークの構築を進めているところでございます。高齢者地域ケアネットワークにおきましては、地区社会協議会を単位とした地域住民による何げない見守りをはじめとする地域の実情に応じた見守り活動や地域住民と地域包括支援センターや各団体、
事業者が連携し、孤独死の防止や高齢者虐待の早期発見通報の活動を実施することとしております。地域の見守りは、住民、事業者、市が協働して取り組むべき課題であると考えているところでございます。
○神坂達成委員 地域の見守りが大切であるというのは、もう本当にそのとおりであると思います。しかし一方で、例えばマンションがどんどん乱立していく、さいたま市でもマンション化率というのは非常に上がっておりますけれども、プライバシーが守れる反面、コミュニティが少ない、見守りにくいという現状も実は潜んでいるのではないかと思います。
これは、京都市では、例えば介護保険法に基づいて、包括的支援事業の一環として、地域の高齢者の実態を把握して適切な支援につなげていくため、平成24年6月から京都市内の65歳以上のひとり暮らしの高齢者、これ対象者が約7万人だそうですけれども、地域包括支援センターによる訪問活動を実施しております。このためにこの地域包括支援センター、京都市には61か所ございますけれども、61人さらに人員を増強して見守り、また訪問を展開しているというような事例もあります。今後、さいたま市においてもさらなる、先ほども述べましたけれども、こういった危惧される
問題に対してもう一歩踏み込んだ取り組みというものが必要であると思いますけれども、もし見解があれば教えてほしいと思います。

○福祉部長
委員の御質問にお答えしたいと思います。
地域で孤立しがちな方で、こういった見守り活動とかそういったものがマンションの関係とか、あと個人によってはサービスの利用を拒否するといったような、そういった単身高齢者の方もいらっしゃるのは事実でございます。そういった方々につきましては、現在、各日常生活圏域で多職種により開催されております地域支援個別会議を活用いたしまして、さまざまな視点から対応方法を検討しているところでございます。今後、新しい総合事業の準備を進めてまいりますが、地域の見守りや安否確認を含めた生活支
援サービスの体制整備を含め、地域の見守り体制の強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○神坂達成委員 単身高齢者の中には、病気や障害、それから認知症などで、実は支援が必要であっても、先ほど部長が言われましたけれども、できるだけ他人に迷惑をかけたくないと、自分は1人でも、死んでもいいのだといったような、ケアを拒否する人がいらっしゃるのが現実であると思います。この精神は非常にとうといな思う反面、幾ら意志が強くても、優秀であっても、自分1人で骨つぼに入れる人というのはまずいないと思います。そういった意味では、必ずだれかが手を差し伸べなければならないと思いますけれども、今、踏み込んだ御答弁がありましたけれども、本当にそういった意味では、つながり、つなげていく、この重要性というのはどうつくっていくのか。先ほど京都の事例も紹介しましたけれども、ここに何か、地域の見守りだけではなくて行政が一歩踏み込んでいく取り組みというのが私は必要だと思うのですけれども、再度お聞かせいただければと思います。
○福祉部長 確かに地域の見守りだけでなく、行政ができること、やるべきことというのは多々あると思いますので、こういった京都市等の先進都市ございますので、そういったところについていろいろなものを調査しながら検討してまいりたいと考えております。