3 住居表示について
(1)住居表示変更への本市の姿勢、及び住居表示実施への考え方と、その実施の条件について、また、住居表示審議会や住居表示実施計画の策定、及び庁内プロジェクトチームの立ち上げについて


○神坂達成議員 先ほど稲川議員からも、図らずも御質問がございました。ぜひとも若い職員の意見を聞いてと。私、職員ではありませんけれども、自称、若いつもりでございますので、若い人の意見である、こんな思いで聞いていただければというふうに思います。
 さいたま市が誕生して10年が経過しました。本市においては、これまでの10年、これからの100年をキャッチフレーズに掲げ、住民サービスの向上やさいたま市ブランドづくりに取り組んでいますが、政令市という洗練されたイメージとは裏腹に、さいたま市では住所に字や大字という文字が多くの地域で住居名称として使われており、何丁目何番地何号という住居表示が少ないという実態があります。
 本来、字や大字は江戸時代以前から使われていたもので、住宅が少なかった時代の表現方法の名残であり、住宅が密集し、123万人を擁するさいたま市においては、住所がわかりづらいという問題点があります。例えば私が住んでいる緑区三室地域でも、近所でありながら番地が飛んでおり、2けたの番地と3けた、4けたの番地が混在しているという事実があります。何もこれは私の地域に限定されたことではなく、さいたま市各地域で発生している共通の問題です。住民サービス向上という観点からも、都市のイメージアップという観点からも、住居表示の変更を戦略的に行うべきです。
 ここで住居表示に関する全国18政令市の実施状況があります。この比率は、市域面積における市街化区域の住居表示の割合を算出したものです。出典は大都市比較統計年表、平成21年に3月31日現在のものでございます。1位は大阪市、100%、2位は福岡市、97.56%、3位は広島市、96.07%と続き、さいたま市は13位、39.54%という結果です。
 また、過去のデータをひもといてみると、旧浦和、与野、岩槻では、住居表示変更の事業を実施していました。また、以前には旧大宮でも市の記念事業として大規模な住居表示への変更計画もされていたようです。ただし、これは国の法改正により立ち消えになってしまったようです。私が不思議に思うのは、旧市体制では実施していたものが、なぜかさいたま市になって住居表示への変更という住民に対するサービスが停滞してしまっていることです。今までの10年がそうだったように、これからの100年先も、字や大字をさいたま市は使い続けるのでしょうか。市民にとってわかりやすいまちづくりや洗練された都市イメージは大切です。
 そこで、お尋ねいたします。住居表示を変更しないことは、市民への明確なサービス低下であると思いますが、これについて市の見解を求めます。
 また、住居表示の変更を行うための条件があればお聞かせください。
 それと、その条件が整えば住居表示の変更を行うのか。さらには、今後住居表示審議会等を立ち上げ、住居表示実施計画等を策定するべきと考えます。そして、そのためには庁内でのプロジェクトチームが必要であると考えますが、これらについて市の見解を求めます。
○小山茂樹市民・スポーツ文化局長 3 住居表示について、 住居表示を変更しないことによる市民サービスの低下についての市の見解、住居表示実施の条件について、また、住居表示審議会や実施計画の策定、及び庁内プロジェクトチームの立ち上げについてお答えいたします。
 まず、住居表示を変更しないことで市民サービスが低下しているということについてですが、わかりやすい住所の表示に切りかえる手法につきましては、町名地番変更と住居表示の2つの手法があります。議員御指摘のとおり、住居表示の実施割合につきましては、平成20年度末で、これは市街化区域だと思いますが、約39%という、今データを見せていただきました。こうした結果になっておりますが、これまで本市では住居表示に加えて、土地区画整理事業等の完了に伴い面整備が終了した地域から順次町名地番の変更を実施しており、市民サービスの向上を図ってきたところでございます。
 次に、住居表示を実施するための条件についてですが、住居表示を実施する場合、道路や水路などの恒久的な施設等により街区を設定するため、面整備が終了しており、人口の集中状況や街区の形成状況といった各種の地理的条件等がそろっている市街地であることが条件となります。
 次に、この条件が整えば住居表示の変更を行うのかについてですが、条件が整った場合であっても、住居表示の実施には町名の変更や街区割り等について対象地域にお住まいの皆様の合意形成が必要となるため、慎重な検討が必要になるものと考えております。
 最後に、住居表示審議会の立ち上げ、実施計画等の策定、庁内プロジェクトチームについてですが、住居表示の実施には市民への周知が必要であり、あわせてシステム改修等には多額の経費がかかります。また、対象地区にお住まいの方には自動車運転免許証や預貯金口座の住所変更など、御自身でさまざまな手続を行っていただくことになります。そのため、住居表示を実施する場合には、庁内のプロジェクトチームや検討組織などによる検討が必要であると考えており、住居表示審議会の設置や実施計画の策定にも取り組む必要があるものと考えております。
 いずれにいたしましても、わかりやすい住所の表示への切りかえにつきましては、当面、土地区画整理事業等の進捗に合わせた町名地番変更の取り組みを進めてまいりますが、住居表示の実施につきましては、町名等の変更など市民生活に影響を与えることとなり、また多額の経費などの諸課題があることから、中長期的な取り組みも視野に入れ、今後課題等を整理したうえで検討してまいりたいと考えております。