4 学校施設の安全対策と機能強化について
(1)体育館や学校施設の非構造物に対する、耐震への現状と今後の予定について
(2)学校や公民館等のトイレのバリアフリー化への実情と対応、及び、学校施設におけるトイレ整備の状況と実施計画について
○神坂達成議員 いざ災害が起こったとき、学校施設や公民館の地域防災拠点としての重要性が再認識されました。しかし、東日本大震災では学校施設の防災機能が十分でない実態が浮き彫りになりました。いつ発生するかわからない次の災害に備え、学校施設の防災対策を急がなければなりません。
さいたま市では、学校の耐震化については平成24年度にすべて完了する予定ですが、あくまでも構造物の耐震化のみにとどまっています。3.11の大震災では、学校施設の天井や照明器具などが落下する被害が相次ぎ、建物自体の損傷が軽微であっても、避難所として使用できなくなる事態が発生しました。学校の安全性確保には、天井や照明器具などの非構造物の耐震対策が重要です。仮に身を隠す場所がない体育館で天井や照明器具などが落下すれば、大惨事になりかねないことが想定されます。
文部科学省では平成23年5月24日に施設整備基本方針を改正し、公立学校施設の耐震化について、平成27年度末までのできるだけ早い時期に完成させるという目標を打ち出しています。また、公立学校の耐震化と防災機能強化については、第3次補正に1,627億円が計上されました。
そこで、体育館の耐震対策への取り組みについての現状と今後の予定について、また非構造物に対する耐震化の現状と今後の実施計画についてお聞かせください。
次に、学校施設の大半は、地域の避難所として指定されているにもかかわらず、トイレのバリアフリー等十分な機能が備わっていないという課題があります。そこで、学校や公民館等のトイレのバリアフリー化への実情と対応、及び、学校施設整備におけるトイレ整備の状況と実施計画についてお聞かせください。
○稲葉康久副教育長 4 学校施設の安全対策機能強化について、 体育館や学校施設の非構造物に対する、耐震への現状と今後の予定についてお答えいたします。
はじめに、体育館の耐震化の現状でございますが、議員御質問の中にありましたように、校舎と並行して補強工事を進めており、平成24年度末には耐震化が完了する予定でございます。
次に、非構造部材の耐震化につきましては、議員御質問の中にありましたとおり、文部科学省の施設整備基本方針及び基本計画の改正により、平成27年度までという学校施設の耐震化完了の目標が明記されたことに加え、新たに窓ガラスや天井材等の非構造部材の耐震化の推進が盛り込まれました。本市における学校施設の非構造部材の耐震化の現状といたしましては、工事等の中で部分的に対応しており、耐震補強工事において、ガラスブロックやコンクリートブロックの補修、また外壁についても必要に応じて耐震補強工事や外壁改修工事、さらには通常補修において外装材の剥離等、危険と判断された箇所の補修を実施しているところです。これまで校舎、体育館の耐震補強工事を優先して実施してまいりましたが、今後は国の施設整備基本方針等を踏まえて、大規模改修工事の際などに非構造部材の耐震化を図ってまいりたいと考えております。
また、特に体育館につきましては避難場所として使用することから、非構造部材の耐震化につきまして、バリアフリー化などの整備とあわせて進めてまいりたいと考えております。
次に、 学校や公民館等のトイレのバリアフリー化への実情と対応、及び、学校施設におけるトイレ整備の状況と実施計画についてお答えいたします。
学校のトイレの改修に当たっては、原則として建築後25年を経過した箇所を対象とし、老朽度、緊急度を勘案のうえ、給排水管を含む全面的な改修を実施しております。学校のトイレ改修は、よりよい教育環境を確保する観点から特に重要であると認識しており、今後も計画的に改修を推進するとともに、改修にあわせて洋式化などバリアフリー化の促進を図ってまいります。
なお、体育館につきましては、トイレあるいはスロープの設置状況等、バリアフリー化が進んでいない状況であります。体育館は災害時に子どもから高齢者、障害者など多くの避難者が集まる施設であることから、トイレの洋式化、出入り口へのスロープの設置などのバリアフリー化について、非構造部材の耐震化とあわせて進めてまいりたいと考えております。
最後に、公民館のトイレのバリアフリー化につきましては、現在すべての館で1か所以上、洋式トイレの設置がなされております。また、公民館は災害時には高齢者や障害者などが優先して避難する避難場所として位置づけられておることから、今後トイレの改修の際には洋式トイレの増設や段差の解消を行い、バリアフリー化を促進してまいりたいと考えております。