5月18日(金)金沢市視察報告(2)

10時より金沢市役所(議会事務局)にて、議事調査課 中宗朋之課長よりご挨拶をいただいた後、議事調査課・調査グループ・橋高祐二グループ長同席のもと、金沢市・都市政策局交通政策部・歩ける環境推進課 中山哲也主査よりレクチャーを受けたあと質疑応答をさせていただきました。主な内容は以下の通りです。

①金沢まちなか自転車利用環境向上計画について
(1) 同計画策定に至る経緯
(2) 自転車利用環境の現状と課題
(3) 自転車利用環境向上の方針と具体的な施策
(4) 同計画の実現に向けた進捗管理と推進体制について

金沢市では金沢まちなか自転車利用環境向上計画を策定し『はしる』『とめる』『つかう』『まもる』を4本柱として中心市街地(まちなか)860haを対象とした計画の策定を行っています。
その策定の趣旨としては、「地球環境問題」「交通安全(事故対策)」「ライフスタイル(健康・経済)」などを踏まえ、歩行者・自転車・バス・クルマそれぞれが安全に安心して通行できる歴史と文化に彩られた世界都市・金沢の創造というもので、基本コンセプトは「自転車を安全・快適に利用できるまち・金沢」です。

『はしる』道路の幅員や交通量等、状況に応じた自転車通行空間を確保していることや、まちなかにおける主要な自転車のネットワークを設定し、優先的に整備していることなどが特色として挙げられます。

『とめる』既存の市営駐輪場の利用促進を図ることや、違法・迷惑駐輪や放置自転車並びに今後の駐輪需要増加に対応するため、まちなかに小規模の駐輪スペースを数多く設置するというもので、大規模を一つ作るより小規模を多数の方が効率がよいとのことでした。

『つかう』市民や来街者が気軽に利用できる公共レンタサイクルシステムの導入や、自転車マップの作成や案内の設置による自転車の利用促進・情報発信のほか公共交通機関との連携に取り組んでいます。

『まもる』市民・町会・企業・市民団体・学校関係者・交通事業者・行政(国・県・市・近隣市町・県警)等の協働により、子どもから大人までの自転車利用者に対する意識啓発を実施していることなどが特色です。
今後の課題についてもお伺いしましたが、4点あげられていました。1点目は、自転車通行位置の明確化です。路面標示による車道や自転車通行可の歩道上での通行位置の明示。2点目は、自転車ネットワークの設定です。所謂自転車が通行しやすいルート設定。3点目は、裏道(細街路)の自転車交通環境整備です。日常の利用や観光利用への対応。4点目は、自転車関連事故の削減に寄与する自転車空間づくりです。金沢のローカル・ルールとしての路面標示や標識などについてでした。

さいたま市においても自転車保有台数が日本一と推測されます。また昨今は、通学路の安全確保や環境整備なども大きな関心を集めていますが、金沢の取り組みが参考となってくるのではないでしょうか。昨年の12月議会の一般質問で取り上げた「子ども自転車運転免許」の全校実施も平成25年度より実現が決定をしましたが、さいたま市として改善しなければいけないことが多々あると考えています。大切な市民が暮らす街だからこそ知恵を絞った対応が必要です。さいたま市には、金沢市同様に細い道や裏道・抜け道が多々あります。この金沢で学んだことを議会での質問や、街づくりに生かしていきたいと思います。