<2月20日は「普通選挙の日」>
1925年に成立した普通選挙法に基づき、1928(昭和3)年2月20日、25歳以上のすべての男性による普通選挙が実施された。
ちなみに、女性が選挙に参加(女性参政権)し、完全な普通選挙が実施されるようになったのは、1946(昭和21)年4月10日の総選挙から。

<若者の投票行動と政治意識の現状>
・総務省によれば、2012年12月の衆院選の年齢別投票率は、20〜24歳が35・30%で最も低くなっている。
2000年以降の国政選挙では、20歳代の投票率は30%台半ばが多く、60歳、70歳代のほぼ半分程度にとどまっているのが実態。

・内閣府の「世界青年意識調査」(2009年3月)によると、政治に関心のある日本の若者は58%と米国(54・5%)より高い。
しかし、人口割合と比べた年齢別投票者数の割合を見ると、人口割合では10・2%を占める20代が、投票者数の割合では7・5%へ下がる。これに対して、人口割合が14・6%の60代が、投票者数では20代の約3倍になっている。

<若者を取り巻く社会環境>
・20代の雇用者は、ほぼ3人に1人が非正規として働く。
いつ解雇されるか分からない不安定な状況では、将来設計を立てることも難しい。
厳しい就職活動をくぐり抜けて内定を得た先が「ブラック企業だった」という例も多い。
希望にあふれて入社したものの、過重労働に加え、暴言などのパワーハラスメント(パワハラ)で人格まで否定され、うつ病になるケースなども報告されている。
・若者の不安定な経済状況は、未婚率を高めている。
既婚率は年収300万円未満では1割に満たないが、300万円以上では25%を超える。
全てではないが、独身者に共通するのは、家庭を持たないことで将来「孤立」する不安感だ。

<18歳選挙権に関する公明党の取り組み>
・公明党は40年以上にわたり、18歳選挙権の実現を主張し続けてきた。
1970年9月、公明党の多田省吾参院議員(当時)は国会で、投票年齢を20歳から18歳に引き下げるための憲法と民法との関係について質問した。
2002年11月には、党内に「選挙権年齢引き下げ検討プロジェクトチーム」を設置。
青年局(当時)は、「ユースポリシー」(02年11月)に「18歳選挙権の実現」を大項目で掲げた。
これまでに、全国各地の地方議会で公明党議員提案による「『18歳選挙権』の実現を求める意見書」が全会一致で採択されているほか、各地の党県本部は「18歳選挙権アンケート」を実施したり、署名運動を活発に展開したりしてきた。
最近では13年12月、自民、公明の与党両党が憲法改正の手続きを定めた国民投票法改正案について合意。
合意内容は、法律の施行から4年後に投票権年齢を「18歳以上」に引き下げる。
民法の成人年齢と公職選挙法の選挙権年齢の引き下げについては、「改正法施行後速やかに、必要な法制上の措置を講ずる」としている。

・現在、以下で18歳選挙権の実現を目標に掲げている。
◆マニフェスト2013参院選重点政策(公明党政策集ポリシー2013)
 【掲載箇所】http://www.komeito.com/policy2013/index.php?page=result&cd=2
◆ユースビジョン2030
 【掲載箇所】http://www.komei.or.jp/youth_site/new_type_of_country.php#h2_2
◆スチューデント・ポリシー2009
 【掲載箇所】https://www.komei.or.jp/student/policy/studentpolicy2009_04.html

(文例抜粋)ユースビジョン2030から
「世代間格差」是正に向けた方策のひとつとして、若者世代の声を政治に届きやすくするため 18 歳選挙権を導入します。さらに、世代別選挙区や、18 歳以下の子どもの意見を反映できる仕組みなど、若い世代が「政治力」を高める制度を検討していきます。 選挙権年齢の引き下げとともに、政治的リテラシーを高めるために、学校段階からシティズンシップ教育などを推進してまいります。

<参考>
・日本の18、19歳人口は、2005年10月時点で約270万人

・衆院憲法審査会事務局資料によると、2010年4月時点で、世界190カ国・地域のうち18歳選挙権を取り入れているのは165カ国・地域(約87%)に上っている。

<公明新聞掲載の識者インタビューから>
◎田中治彦・上智大学教授
18歳の若者のうち大学や専門学校に通わないで既に働いている人が約3割いる。選挙権は納税の義務を果たしている彼らに当然与えられるべき権利の一つだ。「労働基準法」が18歳以上を実質的な成人として扱い、「児童福祉法」が18歳以上を児童福祉の対象から外していることなど、他の法律との整合性の問題から考えても、選挙権を18歳から認めることは自然なことである(2012/05/12付)

◎NPO法人「Rights」副代表理事 小林庸平氏
世界の多くの国々で18歳選挙権が実施されているが、近年のEU(欧州連合)各国では、さらに年齢を引き下げた「16歳選挙権」が広がりつつある(2014/01/11付)