3.福祉・介護ロボットへの助成制度創設について
(1)在宅支援と排泄支援ロボットについて
(2)セラピーロボットについて


3.福祉・介護ロボットへの助成制度創設について
(1)在宅支援と排泄支援ロボットについて

○神坂達成委員 3番目、福祉介護ロボットへの助成制度の創設についてお伺いをしたいというふうに思います。
  急激な高齢化の進展に伴い、要介護高齢者の増加、介護期間の長期化など、介護ニーズはますます増大し、核家族化の進行や介護する家族の高齢化など、要介護高齢者を支えてきた家族をめぐる状況は大きく変化をしております。
  一方で、近年のロボット技術の発展に伴い、医療・福祉分野におけるロボットの実用化の試みが多くなされております。これら技術に期待されることは、これまで人手による支援が必要であった方々の自立度を上げ、QOL、いわゆる生活の質を向上させ、生き生きとした暮らしを実現をすることです。また、健康寿命をロボットや機械システムの力を通して引上げ、介護に要する費用と人材の大幅な削減を実現し、超高齢化社会における障害者、高齢者の自立生活の実現、さらには楽しみながら健康長寿社会をどのように構築していくかが求められております。
 そこで、(1)在宅支援と排せつ支援ロボットについてお伺いをいたします。
 まず、こちらの表をごらんいただきたいというふうに思います。
 こちらは、介護において、あなたが最も大変苦痛に思う介護ということで、こちらユニ・チャームが155人に対してアンケート調査を行ったものでございます。この中では、最も大変、そして苦痛に思うとされていたのが「排せつの世話」、これが72.3%に上ります。その次が「入浴の世話」53.5%、そして、「身体機能回復のリハビリ」、こちらが23.2%、「外出時のつき添い」が22.6%、「食事の世話」が16.8%、それから「洗顔、歯磨きの世話」が14.2%、「会話の相手」が13.5%、「着がえの世話」が11.6%、「その他」として9.7%、「大変と思うことはない」ということが9%、また、「電話や手紙などの世話」、これが6.5%、そして「テレビや趣味などの相手」として5.2%ということで載っておりました。
 この中で特に排せつの世話、こういったものが群を抜いて大変であるというふうにどなたも感じられているわけでございます。こちら、例えば自分が寝たきりになったことをリアルに想像してみれば、介護をするほうにとっても、また介護をされる方にとっても非常に大きな課題であるというふうに思います。自分が寝たきりになって下の世話をしてもらわなければいけないと、こういったことを皆さん考えていただければ、すぐ容易にこの大変さという、また、されるほうの人間の尊厳、こういったことについても非常に大切なことだというふうに私は思っております。
 今後、誰もが住みなれた地域で暮らし続けるシステムづくり、いわゆる地域包括ケアシステムのプログラムづくりが自治体には求められております。近い将来、介護者の6割以上が60歳以上となり、老老在宅介護が急速に増加することが予測される中で、介護における負担軽減策が急務であるというふうに考えております。日進月歩で進む排せつ支援ロボットなど、支援策、また利用者のニーズ調査、実証実験等の必要性について、まず本市の見解をお聞かせいただきたいというふうに思っております。
○福祉部長 (1)の在宅支援と排せつ支援ロボットについてお答えをいたします。まず、委員おっしゃるように、介護ロボットにつきましては、要介護高齢者の増加など、介護ニーズがますます増大する中で、高齢者の自立支援ですとか介護者の負担軽減に資する観点から、厚生労働省が経済産業省と連携をいたしまして、高齢者や介護現場の具体的なニーズに応える介護ロボットの実用化の環境整備を図っております。今後、ロボット介護機器の開発ですとか実用化の重点分野といたしまして、移乗介助、それから移動支援、排せつ支援、認知症の見守り、入浴支援の5分野で機器を上げているというふうに聞いております。
 また、厚生労働省では、これまで想定していなかった有効性の高い介護ロボットが開発された場合には、介護保険福祉用具の対象用具の基準を見直しまして、介護保険の対象としていくという方針であると聞いております。
 また、国におきましては、現在福祉用具介護ロボット実用化支援事業、これを進めておりまして、例えば実証の場の整備ですとか、モニター調査、普及啓発等、この事業の中にうたわれておりますので、今後この介護ロボットの制度化に向けた国の動きを私どもとしても十分見ていきたいというふうに考えております。
 本市といたしましても、要介護者のこれからの在宅生活を支援するためには、この介護ロボットの活用な非常に有効であるというふうに認識しております。
○神坂達成委員 ありがとうございます。今、今後さまざまな国の動向も注視をしてということもございましたけれども、もう一つ注視をしていただきたいものがあると思います。それは、介護の現場でございます。うちの妻もケアマネジャーの資格を持っておりまして、そういったことをずっと携わってきたわけですけれども、こういったロボット事業について知っていますかと、知っていますかとは敬語では言わなかったですけれども、知っているかということでお聞きをしたら、いや、知りませんでしたと。なかなか介護現場の人たちにこういった新しいロボットができましたよと、こういったことを情報を伝えていくことの重要性というのは、私、特に必要だなというふうに考えております。
 また、超高齢化社会の在宅老老介護がこれからどんどんふえていくというデータ予測の中で、若い人たちはインターネット等で新しく情報をどんどん吸い上げることはできますけれども、じゃ、高齢者の方々が在宅介護で、老老介護で、そういったときに、こういった新しいロボット機材等、そういった情報を仕入れられるかというと、なかなか仕入れられないというふうに思います。その窓口は、やっぱり地域包括支援センターになるでしょうし、現場にいるケアマネジャーさんとか、そういったところになると思います。こういったところにしっかりとした情報を提供しないと、なかなか実際の介護現場までには届かないのではないかというふうに思いますけれども、ちょっとこの点についてお聞かせいただければというふうに思います。
○福祉部長 この実証の場の整備につきまして、私、施設の方にお聞きしましたところ、協力の要請はあったというふうにお聞きいたしました。ただ、なかなかケアマネさんとか現場で実際に働いている方につきましては、そういった情報が届かないという現状もあると思いますので、これにつきましては、私どももまだまだ勉強不足のところもございますので、しっかり研究をいたしまして、情報提供はしていきたいというふうに考えております。
(2)セラピーロボットについて
○神坂達成委員
 それでは続きまして、最後、(2)セラピーロボットについてお伺いをしたいと思います。
 先日、セラピーロボットを活用した認知症のケアや養護学校の発育、精神障害等に向けた治療の実証報告をお聞きしました。既に動物を用いたアニマルセラピーの効果は広く知られておりますけれども、効果としては、心理的利点ではうつの改善、それから元気づけ、動機づけの増加、生理的利点ではストレスの減少、血圧の安定化、社会的利点ではコミュニケーションの増加などでございます。しかし、問題点としては、相手が生き物であるがゆえに、動物アレルギー、かみつき、ひっかき、人畜感染症、住居的問題、またその動物のお世話の大変さなどが上げられております。
 そんな中、今、コンパニオンアニマルとしてのセラピーロボットが注目を集めております。国内では、公共財団法人テクノエイド協会が実用化支援事業の一環として、全国9か所の自治体で実証実験が行われております。神奈川県では平成23年度から実証のための施設貸し出しを開始し、平成25年度よりリースに対する助成制度が開始をされました。また、岡山市でも、平成25年、26年度で介護機器貸与モデル事業でセラピーロボットが採用をされました。また、沖縄県でも平成24年度より実証実験が開始をされました。
 そこで、セラピーロボットを活用した認知症のケアや養護学校の発育、精神障害児等の治療に対する本市の見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。
○福祉部長 2点目の御質問でございますセラピーロボットについてでございますけれども、確かに人に安らぎですとか、それから癒しですとか、精神的な働きかけを行うことで、心理的、社会的な面で大きな効果がある機器というふうに伺っております。
 ただ、先ほどお話しいたしました国のいわゆる介護ロボットの開発実用化に上げられておりますこの5分野の中には、これが入っておりません。本市といたしましては、介護の場面で有効と思われる介護ロボットにつきましては、やはり介護保険の対象とすべきではないかというふうに考えておりますので、これに関しては、国のほうに働きかけを行ってまいりたいというふうに考えております。
 しかし、このセラピーロボットの助成につきましては、まずその使われ方ですとか、それからその効果、他市の取り組み状況、この辺についてはまだ私どもも勉強不足、十分に把握をしておりませんので、その効果等も含めて十分に把握をしたうえで検討していきたいというふうに考えております。