2、自転車運転における安全教育の推進について
(1)中学・高校におけるスケアード・ストレイト教育技法を導入した交通安全教育の推進状況について
(2)道路交通法における13歳未満のヘルメット着用努力義務について


○神坂達成議員 2、自転車運転における安全教育の推進について、 中学・高校におけるスケアード・ストレイト教育技法を導入した交通安全教育の推進状況について。
 私は、平成23年12月議会において、世代別の事故の特性を指摘したうえで世代別教育プログラムの構築を提唱し、体系的な安全教育の必要性を訴えてまいりました。その中で、小学生に対する免許制度を使った安全教育では、政令市で初となる子ども自転車運転免許制度の全校実施をしていただき、感謝申し上げる次第です。しかし、県内での事故発生率は依然として高く、さらなる推進が求められています。特に事故発生率が最も高い中学生や高校生への交通安全教育は最重要課題です。私は、この問題に対し、スケアード・ストレイト教育技法を用いた安全教育の必要性を指摘しました。答弁に立たれた局長からは、スケアード・ストレイト教育技法の有効性を認められたうえで、今後は、より多くの学校で実施し、一層の交通安全教育の充実を図ってまいりたいとの答弁をいただきました。しかし、その後、実施回数や今後の予定を伺ってみると、驚いたことに、相も変わらず県警からの割り当てによる3回のみにとどまっております。
 そこで、お伺いいたします。市として拡充に向け、本日までどのような検討がなされたのか。拡充するための課題点、問題点は何なのか。本気で、より多くの学校で実施しようと思っているのか、見解をお聞かせください。
 また、より多くの学校で実施するのであれば、県警任せにするのではなく、しっかりとした予算づけを行い、本市独自の事業としてスケアード・ストレイト技法を用いた安全教育を実施し、中学校の3年間のうち、最低でも1度はスケアード・ストレイト教育を受けたことがあると言われるような取り組みをすべきと思いますが、重ねて見解をお聞かせください。
 次に、道路交通法改正における13歳未満のヘルメット着用努力義務について伺います。
 昨今、まちに目を向ければ、3人乗り自転車に乗っている幼児たちのヘルメット着用率は上がっているように思います。しかし、自分で自転車に乗っている小学生たちのヘルメット着用率は、依然として低いままです。過日、県警より本市に対し、ヘルメット着用努力義務条例の制定をとの報道がありましたが、道路交通法の努力義務に対し、さらに条例で努力義務条例を課すことに、一体何の意味があるのでしょうか。それよりも、子どもたちがヘルメットを着用して自転車に乗ることが、男の子から格好いい、女の子からかわいいと思われ、保護者からは、うちの子どもにもかぶらせたいと言わしめる仕掛けが重要なのではないでしょうか。
 10月にはツール・ド・フランスがやってきます。このツール・ド・フランスを活用したヘルメット着用のアピールは千載一遇のチャンスです。通り一遍の指導や啓発ではなく、子どもたちが親に、どうしてもヘルメットを買ってほしいと言わせるPRがなければ、小学生たちのヘルメット着用率は飛躍的に向上しません。このタイミングを逃すことなく、自転車安全都市として今こそ大胆にPRを始めるべきと思いますが、見解を伺います。
○上亟啓介副教育長 御質問の2、自転車運転における安全教育の推進について、中学・高校におけるスケアード・ストレイト教育技法を導入した交通安全教育の推進状況についてお答えいたします。
 スタントマンによる模擬交通事故を体験するスケアード・ストレイト技法を導入した交通安全教育につきましては、これまでの取り組みに加え、本年度から市立高等学校4校の各校代表生徒が高校生の自転車マナーアップ伝達講習会に参加し、その後、各校の講師役となって講習会を実施いたします。
 教育委員会といたしましては、平成23年度よりその効果を検証するため、体験した生徒からの感想や今後の決意について調査したところ、生徒からは、改めて交通事故の怖さを知りました、しっかりとルールを守り自転車に乗りたいなどの声を聞くことができました。また、企業との連携による実施なども含めまして、より効果的な実施方法等を検証してまいりました。
 このスケアード・ストレイト教育技法を導入した交通安全教育は、交通事故を直視することで、その恐怖が生徒の心に強く残り、交通安全意識の醸成や高揚を図ることができる有効な取り組みと考えております。
 課題につきましては、現行の実施回数では全生徒が卒業までにこの教育技法を体験することができないことでございます。教育委員会といたしましては、中学生や高校生の交通安全教育は重要な教育課題の一つであると認識しており、議員の御指摘を踏まえ、拡充に向けて検討してまいりたいと思います。
○和田浩二市民・スポーツ文化局長 神坂達成議員の御質問の2、自転車運転における安全教育の推進について、道路交通法における13歳未満のヘルメット着用努力義務についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、平成20年6月の道路交通法改正により、13歳未満の児童や幼児を保護する責任のある者は、児童に自転車を運転させる場合のほか、児童、幼児を自転車に補助椅子などで同乗させる場合は、乗車用ヘルメットをかぶらせるように努めなければならないという規定が設けられたところでございます。しかしながら、児童、幼児の自転車乗車時におけるヘルメットの着用は、いまだ十分に普及されていない状況でございます。ヘルメットの着用は、自転車での転倒時や衝突時において、特に頭部への損傷を防ぎ、重大な事故を防止することにつながるため、市として着用の定着を図っていく必要があるとは考えております。
 そこで、現在、埼玉県警察OBの交通教育指導員が実施している小学生対象の交通安全教室においては、ヘルメット着用の模範実技を行うとともに、来場している保護者に対して、ヘルメット着用は重大事故時のけがの軽減に有効であることについて御理解いただくよう努めておるところでございます。
 また、小学校で各警察署の協力のもとに実施しております、先ほど議員からの御質問の中にもございましたが、子ども自転車運転免許事業においては、学科及び実技試験前の講習の中でヘルメット着用の必要について指導しておるところでございます。
 なお、毎月10日、県下一斉に行っております自転車安全利用の日キャンペーンにおいては、引き続き市内各所において自転車安全利用の呼びかけにより周知を図るとともに、市内の交通安全関係団体や民間会社が主催する交通安全教室においても、自転車の安全利用や児童のヘルメット着用の推進に協力していただくよう、さらに働きかけてまいります。
○神坂達成議員 ただいまありましたスケアード・ストレイト教育技法、これはスタント会社を使って、大体聞くところによりますと、1回30万円ぐらいであるというふうに聞いておりますけれども、さいたま市で3年間に児童に1人ずつ1回受けさせるためには、大体年間に20回やればできるわけでございます。金額にすると600万円程度かなというふうに思いますけれども、これを積み重ねることによって、さいたま市が本当に事故のないさいたま市になっていくであろうというふうに思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 終わります。