●神坂達成議員 ありがとうございました。それでは、次に移りたいと思います。こちらもさきの定例会で、決算特別委員会等で取り上げさせていただいた内容でございますけれども、改めて質問させていただきたいと思います。まず2番目、学校体育館のエアコンの設置について。平成最後の夏となった本年、記録的な猛暑に見舞われました。この猛暑によって、市内では熱中症による被害が多発しました。さいたま市消防局の調べによりますと、平成30年4月から8月31日までで熱中症の疑いで救急搬送された市内の人数は999人となっており、統計をとり始めた2005年以降で過去最高を記録しました。そこで、本日は学校体育館で救急搬送された児童生徒たちへの対策についてお伺いしたいと思います。まずは、こちらをごらんください。ことしの夏、市立学校体育館で発生した熱中症による救急搬送件数を表にしてあります。小学生では、部活中が1名、そのほかとしてバスケットボールのクラブチームの練習中に5名の計6名、中学生では授業中が1名、部活中が8名の計9名、高校生では授業中が2名、部活中が6名の計8名、合計で23名となっています。これらは、単に体育館で具合が悪くなったというレベルではなく、実際に救急車の出動を要請しなければならないという事態であったということです。
本年2月、環境省、文部科学省、農林水産省、国土交通省、気象庁が合同で公表した気候変動の観測・予測・評価影響に関する統合レポート2018では、今後、熱中症搬送者数は全国的に増加し、特に東日本以北で2倍以上に増加することが予測されています。学校管理下における熱中症事故については、万全の対策を講じ、児童生徒の安全確保に向けた取り組みは急務です。また、学校体育館は災害時、避難所として活用されますが、避難所生活が長期化した場合、感染症や身体機能の低下を予防する観点からも、その必要性は明らかです。国の方針においても、学校施設については、地域住民の避難所として十分に役割を果たすことができるよう、防災機能をより一層強化することを課題とした上で、社会的要請、地球温暖化等の自然的要因を踏まえ、これに適切に対応するために、教育環境の質的な向上を図ることが必要であるとのエアコン設置に向けた方向性が示されております。国の調査によると、公立小中学校における普通教室、特別教室への冷房設置の設置率は、3年前と比較して11.8%も上昇しており、近年の記録的な猛暑によって普通教室へのエアコン設置が急速に進んでいることが明らかとなっています。一方で、体育館への冷房設備の設置率は1.2%にとどまっており、熱中症事故が危惧される体育、スポーツ施設の冷房施設の設置が進んでいない状況が浮き彫りとなっております。この状況下において、本年9月には東京都知事が、都立の公立学校の体育館へのエアコン設置支援を表明いたしました。本市では、これまでも平成19年、平成20年の2カ年で、普通教室3,190室に70億2,900万円を投じ、政令指定都市で最も早く普通教室へのエアコン設置がされてきました。今後、暑さはさらにその度合いを強めてきます。万一の事故が発生してからでは手おくれです。本市市長にあっては、責任ある御決断をされるべきです。本市の見解を伺います。

●細田眞由美教育長 神坂達成議員の御質問の2 市立学校体育館へのエアコン設置についてお答えいたします。
まず、本市のこれまでの学校施設におけるエアコンの設置の考え方についてでございますが、夏季においても児童生徒が充実した学習を行える環境を整備する観点から、主たる教育活動の場となる普通教室や、猛暑の場合でも窓の開閉ができない図書室や音楽室等の一部の特別教室について、平成20年度までに整備をしてまいりました。当時のエアコン設置の考え方では、その他の特別教室や体育館への設置は行っておりませんでした。議員御指摘のとおり、近年の夏季における気温上昇は異常でありまして、学校施設においてエアコン未設置の教室等への設置の必要性は高まっていると認識しております。しかしながら、エアコンの整備については財政的負担も大きいことから、財源の確保が重要と考えております。本年11月の平成31年度国の施策・予算に対する要望におきまして、熱中症対策としての特別教室や体育館等へのエアコン設置は、発災時の避難所機能としても有益であり、国庫負担等の支援を欠かすことができない旨の要望を文部科学省に行ったところでございます。今後も、機会を捉え国への要望を行うとともに、体育館等へのエアコン整備についての検討を行ってまいりたいと考えております。

●神坂達成議員 ありがとうございます。今の御答弁の中で、これまでは特別教室等、また普通教室の更新時期が迫っているので、体育館には設置できないというような方向性だったかなと思いますけれども、今回初めて検討を行うということで、新たな一歩を踏み出していただけたのかなと思っており、大変に感謝しているところでございます。その中で、1点再質問、先ほど国の資金についてお話がありましたけれども、国では現在、国の消防庁が所管します緊急防災・減災事業債、いわゆる緊防債がございます。これは、何で私がこうやってエアコンを急げと言っているのかというと、この事業債は平成32年までしか使えません。国の補助率は10分の7となっており、非常に負担も少なくできると思います。こういったものを期間が限られている中で、早急に設置をしていくべきではないかなと考えておりますけれども、もし見解がございましたら教えていただきたいと思います。また、東京都におきましても、この必要性というものを先ほど教育長は十分に御説明されましたけれども、市長はどのように考えているのか、市長の認識についてもお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

●清水勇人市長 神坂議員の再質問にお答えしたいと思います。
学校体育館へのエアコン設置ということについては、先ほど教育長からも答弁ございましたけれども、何年かに1回来るというレベルの気温の上昇ということではなくて、これからかなり今後そういった状況が続いてくる、そういった気候に変わりつつあるということを踏まえて、さまざまな対策を検討していく必要があると考えております。その中で、やはり教育環境及び避難所の機能の充実という点から考えても必要であると考えておりますので、財政的な負担も考慮しつつ、国と連携しながら検討を進めていきたいと思っております。

●久保田章副教育長 神坂議員の再質問にお答えいたします。
緊急防災・減災事業債の対象につきましては、東日本大震災及び平成28年熊本地震を教訓として、全国的に緊急に実施する必要が高く、即効性のある防災・減災のための地方単独事業が対象となっているところでございます。指定避難所におけます避難者の生活環境の改善のための空調整備はこの対象とされていることから、指定避難所に該当する学校体育館のエアコンを地方単独事業で実施する場合には、緊急防災・減災事業を発行することができることになってございます。しかし、学校施設の整備における地方公共団体の財源といたしましては、文部科学省の学校施設環境改善交付金がございますことから、本市といたしましては学校体育館へのエアコンの設置の際は、この交付金を活用することが重要であると考えているところでございます。

●神坂達成議員 ありがとうございました。ぜひとも推進をよろしくお願いします。それでは、次に移ります。