2、うつ病デイケアと自殺者対策における認知行動療法(CBT)の導入について

6月定例会 平成26年6月17日(火)一般質問
2、うつ病デイケアと自殺者対策における認知行動療法(CBT)の導入について
(1)認知行動療法を取り入れた「うつ病デイケア」の創設について
(2)認知行動療法を用いた自殺者対策について


○神坂達成議員
2番、うつ病デイケアと自殺者対策における認知行動療法(CBT)の導入について伺います。
厚生労働省によると、精神疾患により医療機関にかかっている患者数は、近年、大幅に増加しており、中でも鬱病がトップとなっています。また、WHOの将来予測では、鬱病が2000年では総疾病の第4位であったのに対し、2020年には第2位になるとされており、緊急な対策が必要です。鬱病は、精神的ストレスや肉体的ストレスが重なるなど、さまざまな理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないため、物の見方が否定的になり、自分がだめな人間だと感じてしまいます。そのために、普通なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じてしまうという悪循環が起きています。
このような状況下で、長期の鬱病に苦しむ人のため先進的な取り組みをされているのが沖縄県総合精神保健福祉センターです。同センターの鬱病デイケアは、認知行動療法を取り入れ、否定的な考え方や行動を前向きに修正するトレーニングを行い、再発防止や前向きな行動パターンの確立を目的としています。特筆すべきは、プログラム終了者のその後です。デイケア開始前は最重症の患者が、3か月後には寛解、正常まで改善したり、鬱症状を数値であらわす客観的評価、自己評価では、9割以上の患者の症状が改善したとしています。現在、鬱病は投薬による治療が一般的ですが、認知行動療法と並行して治療を進めることで、その効果はさらに高まります。早目に治療を始めるほど回復も早いとされています。本市においても、先進事例に学び、こころの健康センターにおいて認知行動療法を取り入れた鬱病デイケアを創設すべきと考えます。御見解をお聞かせください。
次に、・ 認知行動療法を用いた自殺者対策について伺います。WHOによると、精神疾患が原因で自殺した人のうち、約3割が鬱病に該当したという結果が報告されています。つまり鬱病は死にかかわる重大な問題です。
こちらをごらんください。こちらは平成12年から平成23年までの本市の自殺者数の推移の表でございます。平成23年度、本市の自殺者数は268人となっています。また、消防局によると、平成25年度の自損行為、いわゆる自殺未遂による緊急出動は693名となっており、依然として高い状態が続いています。本市としても積極的にゲートキーパーを配置するなど、その取り組みは評価できます。ですが、ゲートキーパーの構成員に目をやれば、学校の先生、ケアマネジャーが大半を占めており、その効果は子どもたちや高齢者に限定的なものです。そこで、自殺者が最も高い生産年齢人口への自殺者対策として、認知行動療法を用いた鬱病デイケアを導入すべきと考えますが、重ねて御見解をお聞かせください。
○大塔幸重保健福祉局長
神坂達成議員の御質問の2 うつ病デイケアと自殺者対策における認知行動療法(CBT)の導入について、・ 認知行動療法を取り入れた「うつ病デイケア」の創設についてお答えいたします。
近年、鬱病に対する認知行動療法並びにその考え方を取り入れた鬱病デイケアが注目されてきており、御指摘の沖縄県などの精神保健福祉センターにおいて認知行動療法を取り入れた集団的なデイケアの取り組みが行われております。
昨年秋に実施いたしました市内の精神科医療機関への調査では、鬱病の認知行動療法については約27%の医療機関で実施され、また鬱病を含んだ精神疾患を対象としたデイケアについては約20%で実施されているとの結果を得ております。なお、この中には、リワークデイケアなど鬱病に特化したデイケアも、少数ですが、含まれております。今後につきましては、認知行動療法を取り入れた鬱病デイケアに関する各自治体における実施状況を把握した上で、市が実施する場合の問題点の抽出や他の関係機関との連携などについて研究を進め、こころの健康センターで認知行動療法を取り入れたグループの開設が可能であるかどうかを検討してまいりたいと考えております。
次に、(2)認知行動療法を用いた自殺者対策についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、WHOの調査結果では、自殺により命を落とされる方の多くが直前に何らかの精神疾患に罹患していたという報告がなされており、自殺と鬱病等の精神疾患には関連があり、精神疾患の早期発見、相談受診が自殺対策に有効であると考えております。鬱病の多くは、身体的症状を背景に精神科以外の診療科を受診することが多く、本市においてもかかりつけ医や救急医療機関を受診した自殺念慮のある方に対し、精神科医療機関の紹介を行う体制として、自殺対策医療連携事業を平成22年10月から実施し、自殺未遂者対策に取り組んでいるところです。
また、自殺に傾きがちな方の早期発見、介入のためにゲートキーパー養成も進めており、平成26年5月末現在、約300名の方が養成されております。しかしながら、議員御指摘のとおり、働く世代にかかわる方への養成が課題でありますことから、今後は産業保健分野と連携し、そうした方々への働きかけも行ってまいりたいと考えております。加えて、今年度につきましては、自殺に関する相談対応力を高めるため、庁内相談機関職員、地域の医療機関職員等を対象とした認知行動療法に関する研修の実施を予定しております。また、先ほども御答弁いたしましたが、市が主体となった認知行動療法を取り入れたグループ指導のあり方については、こころの健康センターにおける開設の可能性について検討してまいりたいと考えております。
○神坂達成議員
先ほど示しました自殺者の数、この表というのは、失業率の数とは全く違います。例えば失業率であれば、仕事をやめた、また就職できたということで変動しますけれども、もう亡くなった人というのは絶対に帰ってこない。経済的な損失が絶大、またその家族の精神面を考えると、早急に取り組まなければならない事柄であるというふうに考えております。時間になりましたので、これにて質問を終わらせていただきます。以上でございます。