(1)SNS活用への認識について
(2)LINE@を活用した情報戦略について
(3)LINE@を活用した子育て支援事業について


○神坂達成議員 それでは、次に移ります。近年、さいたま市公式ホームページのアクセス件数は右肩下がりとなる一方で、フェイスブックのいいね!や、ツイッターのフォロアーの数は増加しており、市も情報を発信する上でSNSの重要性は高まっていることは明らかです。本市では、平成25年3月に策定した、さいたま市PRマスタープランの中では、インターネット上の新しい媒体がツイッターやフェイスブックのように多数の利用者を獲得するようになれば、市としても、そうした媒体を有効に活用する必要があるとの方針が示されています。そこで、こちらをごらんください。

こちらは、総務省が平成27年3月に公表した社会課題解決のための新たなICTサービス・技術の意識に関する研究調査の結果をグラフにしたものです。まず、最上段になりますが、SNS全体の利用状況では既にLINEが37.5%でトップとなっており、次いでフェイスブックが35.3%、ツイッターが31%となっています。特筆すべき点としては、2段目以降の年代別で比較すると、若い世代ほどLINEを利用している実態が明らかです。アクセスしにくいとされる若者に対する行政情報の提供体制をより充実させるためにも、フェイスブックやツイッターに加えLINEを導入すべきと考えますが、PRマスタープランを踏まえたこれまでの検討状況及びLINEに対する御認識をお聞かせください。
次に、LINE@を活用した情報戦略について伺います。
平成24年10月、行政機関として初めてLINEを導入したのは首相官邸です。お友達数は360万人を超え、政府広報の一角を担っています。その後、複数の政令市でもLINEの運用が開始されました。中でも、LINEの弱点とされる拡散性を高めるため、名古屋市では市長の椅子に座れるクーポン券や市の施設やイベントに入れるチケットを配信するなど、ユニークな取り組みでお友達数をふやしています。私は、この名古屋市の取り組みを研究するため、先日、視察に行ってまいりました。ちなみにこの市長の椅子に座れるクーポン券は、配信と同時に話題となり、わずか30分で定員に達したため締め切りとなりましたが、翌日には1,068人の友達がふえるなど、抜群の注目度を集めました。LINEの開設から2年目で、目標としていたお友達数も1万人を突破したことについて、成功の秘訣はとの私の問いに、市の担当者は、行政だからといって、かたい内容になってしまうのではなく、関心を持ってもらえる内容が重要と話されていたのが印象的です。また、政令市で最も早くLINEを導入した福岡市では、既にお友達数が約3万7,000人となっています。LINEホームページによると、現在、プライベート利用のLINEアカウントとは別にビジネス用途で活用できるLINE@のアカウントでは、活動ごとにアカウントを作成することが可能となっています。本市においても、クリテリウムや国際マラソン、世界盆栽大会、トリエンナーレ等の大規模イベントごとに独自アカウントを取得し、イベント情報の発信とあわせて、プレミアムな特典がさいたMICEで使える割引券等を発信すれば、集客効果が期待できると考えます。また、現在の広報課を中心とした情報発信体制もイノベーションし、課や局の責任において独自性のある情報を発信することを提案したいと思います。なぜか。理由は簡単です。例えば子育て情報が欲しくてLINE登録したのに、興味のない情報ばかり届いたらどうなるでしょうか。スマホ世代の若者は、即、うざいとなって、ブロックされてしまいます。名古屋市でも苦慮されている点として挙げられていました。本年からは18歳選挙も始まります。選管による情報発信も忘れてはなりません。LINE@を活用したきめ細やかな情報発信で、市民満足度の向上に寄与すべきと考えますが、本市の見解をお聞かせください。
続いて、(3)LINE@を活用した子育て支援事業の導入について伺います。
LINEが若い人に受け入れられる理由の一つとして、気軽さがあると私は思っています。その気軽さを使って、山形県新庄市では、本年2月、全国の自治体で初めてLINE@を活用した子育て支援事業をスタートさせまし。この事業は、子育て世代に最も利用されているLINEを活用して、情報発信のみならず、1対1のトーク機能を使った子育て相談サービスを提供するというものです。この山形県新庄市の取り組みを研究するため、先日、視察に行き、事業開始の経緯なども伺ってまいりました。その中で、なぜLINEの導入を決断されたのですかとの私の問いに、市の担当者からは、今までは対面式の相談でしたが、利用者からは周囲の目が気になるので、使いづらい。面と向かって相談するのが苦手などの声が寄せられたため、このような意見に配慮し、窓口相談につなげる第一歩の機能としてLINEの導入を決めたとのことでした。
大切なことは、小さなSOSを逃さずに捉え、支援につなげていくことにあると思います。若い人たちが数多く転入してくるこのさいたま市で、若いパパやママたちを絶対に孤立させてはなりません。本市では、これまでも各種窓口での対面相談に加え、子育てウエブのメール相談、子育て応援ダイヤルや子育て不安電話相談を実施してまいりましたが、より気軽に相談してもらうチャンネルをふやすという意味からも、妊娠・出産包括支援センターや子育て支援センター等でLINE@を活用した子育て相談機能を導入すべきと思いますが、本市の見解をお聞かせください。
○遠藤秀一副市長 神坂達成議員の御質問の2の(1)SNS活用への認識について、また(2)LINE@を活用した情報戦略については、関連がございますので、一括してお答えいたします。
まず、本市のSNSにつきましては、近年のソーシャルメディアの利用者の急増や必要な情報を得る手段が多様化する中、主に若年層をターゲットとして、ツイッターやフェイスブック、ブログ等を活用し、市政全般の情報を数多く発信しております。現在、ツイッターの登録者数は前年比約1万人増の約3万人、フェイスブックは前年比約1,500人増の約5,500人と順調に増加しており、若年層に対しても市が情報提供しやすい環境が整いつつあります。LINE@につきましても、主に若年層を中心に、知人とのメッセージや通話等に広く活用されているSNSの一つだと認識しております。このLINE@を情報発信の媒体として導入した場合には、若年層へ発信する情報が伝わる機会は、さらにふえるものと考えております。PRマスタープランでは、市報と公式ホームページを媒体の柱とし、多様な媒体を活用することを本市の情報発信の方針の一つとしていることを踏まえ、ラインの活用について先進市の事例を調査したところでございます。それによれば、ユニークな取り組みを行い、受信者がふえるなど、ツイッターやフェイスブックとは異なるツールとして情報発信を行えると伺っております。その反面、市全体の情報を広く発信を行うと、受信者にとって不必要な情報が多く含まれ、結果として受信をブロックされるケースがふえるとアドバイスもいただいております。
議員御提案のLINE@を活用した事業ごとのきめ細やかな情報発信につきましては、それぞれの市民が欲しいと思っている情報に特化した情報提供を行うことが可能となり、市民満足度の向上が期待できるものと考えておりますので、先ほど申し上げました先進市での事例を踏まえ、その媒体としての特性等を踏まえながら、運用方針の整備など導入に向けた具体的検討を開始したいと考えております。
○菅野博子ども未来局長 神坂達成議員の御質問の2、SNSを活用したQOLの向上について、(3)LINE@を活用した子育て支援事業についてお答えいたします。近年、核家族化の進展などにより子育て世代が孤立化する中、子育て世代の方々は育児に対する多くの悩みや不安を抱えており、この世代の方々へのきめ細やかな支援が必要とされております。こうした子育て世代の悩みや不安を解消するため、各区の保健センターや、本年4月より設置を進めております妊娠・出産包括支援センターなどでは、各窓口において対面や電話による相談を行うとともに、子育て支援センターではインターネットによるメール相談も実施しております。このような状況の中、ソーシャルメディアの普及により子育て世代においてもラインやツイッター、フェイスブック等、SNSが活用されていることから、自宅などで悩まれている方々に対して、こうしたツールを利用し、より気軽に相談しやすい環境を整備していくことは意味があると認識しております。
議員御提案のLINE@等のICT機能を活用した新たな子育て相談チャンネルの導入について、他市の先進事例を参考にし、これから検討を予定している市の運用方針の整備状況等も踏まえて考えてまいります。
○神坂達成議員 私は、山形県新庄市に行って一通り視察が終わって、先方の職員の方と雑談しているときに、ある上司の方が、全国自治体で初めての導入と知っていたら、私はもしかしたら許可しなかったかもしれないと冗談を交えて言われておりました、そのときに私は、昔、市長が所信表明演説をされたときに、本田宗一郎の言葉を紹介して「チャレンジして失敗することを恐れるよりも何もしないことを恐れろ」と言われたことを思い出しておりました。必要な時に決断をしていく、実際にやっていくことが重要だと思います。ぜひともしっかり検討し、実現していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。