1.自転車の運転者責任と行政の役割について

1.自転車の運転者責任と行政の役割について
(1)学校管理下中の自転車事故に対する市のコミットメントについて
(2)子供たちの自転車賠償保険加入促進にむけた行政の役割について


○神坂達成議員 皆さん、こんにちは。公明党の神坂でございます。
通告に従い質問させていただきます。
第1に、自転車の運転者責任と行政の役割について伺います。
(1)学校管理下中の自転車事故に対する市のコミットメントについて。近年、交通事故は減少傾向にありますが、その中で自転車による事故は増加しています。
 ここで、表をごらんいただきたいと思います。これは、自転車事故における未成年の高額賠償の判例を調べてみました。大阪地裁、平成19年7月、歩道上で無灯火の15歳の男性の自転車が歩行中の62歳男性と正面衝突、男性死亡により3,000万円の賠償命令。横浜地裁、平成17年11月、女子高生が夜間携帯電話を操作しながら無灯火で走行中、前方を歩行中の看護師の女性と衝突、看護師には重大な障害、手足がしびれ、歩行困難が残り、5,000万円の賠償命令。東京地裁、平成17年9月、男子高校生が朝、赤信号で交差点の横断歩道を走行中、旋盤工の男性が運転するオートバイと衝突。旋盤工は、頭蓋内損傷で13日後に死亡、4,043万円の賠償命令。名古屋地裁、平成14年9月、男子中学生が夜間無灯火で自転車を走行中、対面歩行の女性と衝突。女性には重大な障害、後遺障害2級が残り、3,124万円の賠償命令。さいたま地裁、平成14年2月、男子高校生が朝、自転車で歩道から交差点に無理に進入し、女性の保険勧誘員が運転する自転車と衝突。保険勧誘員は、頭蓋骨骨折を負い、9日後に死亡し、3,138万円の賠償命令が下っております。
 なぜこのように自転車事故が高額賠償になったのか。その理由は、裁判所による新基準の適用があります。かつて自転車は、歩行者と同じような扱いがされていましたが、この新基準により自転車と歩行者が事故になったとき、基本は10対0から自転車の過失が問われるようになったことによるものです。この運転者責任は、たとえ小学生であろうが、高校生であろうが免れるものではありません。軽車両を運転していることに対して責任が問われるのです。
 そこで、お尋ねいたします。万が一、高校生の朝夕の通学時や中学校の部活動による遠征時に自転車による人身事故が発生し、子どもたちが加害者となった場合、その賠償責任はだれが負うのでしょうか。独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令第5条第2項4号では、児童生徒が通常の経路及び方法により通学する場合は、学校の管理下と規定されています。事故が発生した場合、学校の管理下であることから、その責任はすべて子どもたちにあるということではないとは思いますが、学校管理下における自転車事故により生徒が加害者となった場合の市の責務について見解をお伺いいたします。
 現在市で加入している保険は、日本スポーツ振興センター災害共済給付制度、さいたま市学校災害救済給付金制度、全国市長会学校災害賠償保険などがありますが、いずれも加害者になったときに補償される制度ではなく、その責任は運転していた当事者あるいは保護者となります。また、学校ごとや部活ごとに加入している賠償保険では、すべての子どもたちが加入しているわけではありません。あくまでも学校や部活任せになっているという危うい現実があります。保険に入らずに車に乗ってはいけないということは広く知られておりますけれども、今や自転車にも同様の認識が必要なのです。
 そこで、学校管理下中の自転車事故で加害者となった場合、市の責務として本当に未来ある子どもたちを100%守ることができるのか見解を伺います。もし守れないのであれば、日本スポーツ振興センター災害共済給付金制度、さいたま市学校災害給付金制度、全国市長会学校災害賠償保険等の保険に子どもたちが自転車事故による加害者となった場合の保障制度などを特約として追加できないのか。もしくは新たななる制度設計することはできないのか等、市は早急に検討するべきであると思いますが、重ねて見解を求めます。
(2)子供たちの自転車賠償保険加入促進に向けた行政の役割について。
 さいたま市PTA協議会では、子どもたちを守るため、児童生徒ワイド補償制度を保護者に御案内しています。この保険ですと、自転車事故で加害者となったときにも、最高1億から1,000万円まで補償されますが、掛金は年間2,000円から1万8,000円と高額で、加入率もわずか13%にとどまっております。本年埼玉県PTA安全互助会では、高額事故賠償に備え、自転車保険を企画いたしました。保険料は、団体割引を適用すると年480円、補償は1億5,000万円までとなっていて、加入者とその家族も対象に含まれます。今年2月から県内小学校PTAを通じて加入者を募集したところ、申し込みが殺到し、7月末までに3万5,000件を超えたそうです。本市の学校でも南区と中央区のみ、9校1,511人が加入したと伺っています。厳しい経済情勢の中、一般家庭では少しでも安く、幅広い補償がある保険があればありがたいというふうに思います。市としても大多数の子どもたちが自転車を日常的に利用しているという現実の中、未来の宝である子どもたちや保護者を守るためにも、こういった情報があれば広く提供していくべきですし、市としてもPTAと連携をとりながら、子どもや保護者を守るため検討していくべきだと思いますが、教育行政の立場から見解をお願いいたします。

○稲葉康久副教育長
 神坂達成議員の御質問の1.自転車の運転者責任と行政の役割について、学校管理下中の自転車事故に対する市のコミットメントについて、子供たちの自転車賠償保険加入促進に向けた行政の役割については関連がございますので、一括してお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、近年自転車事故により中高校生が加害者となった場合、高額の賠償を請求される事例が発生しており、その背景には道路交通法の改正や、いわゆる新基準があると言われております。また、市立学校児童生徒の自転車事故が増加傾向であること、実際に加害者となる事例もあることもあり、憂慮しているところでございます。
 そこで、教育委員会では自転車の交通事故防止のために、本年2月に埼玉県警察本部と共同して、子ども自転車運転免許制度について推進宣言を行い、自転車運転免許証を交付することにより、小学生という早い段階から自転車の安全な乗り方を身につけさせ、交通安全に対する意識を高めているところでございます。
 さらに、中学校や高等学校の保健体育の学習において、自転車運転時に交通事故を起こした場合に生じる社会的責任や補償問題などについて指導しております。具体的には、自転車を運転している者が加害者となった場合、自動車と同様、相応の責任や賠償が求められることや、加害者とならないために法令を遵守した自転車の乗り方などを指導しております。
 独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令におきまして、通学時や部活動時の移動時は学校の管理下となっておりますが、この規定は同センターの行う災害共済給付制度における医療費等の給付範囲を定めたものであり、子どもが加害者となった自転車事故における市の責務につきましては、個別の状況等により判断されるものと考えております。学校管理下中の自転車事故で加害者となった児童を100%守るためには、自転車賠償責任保険や自動車任意保険の特約などの自転車損害賠償保険の活用が効果的で、保険加入の推進が重要であると考えております。
 なお、議員御指摘の児童生徒が加害者となった場合に備えての既存の災害共済給付制度や、保険に特約を追加することについてでございますが、まず日本スポーツ振興センター災害給付制度及び全国市長会学校災害賠償補償保険においては、制度自体にそのような特約条項が設けられておりません。また、さいたま市学校災害救済給付制度につきましても、日本スポーツ振興センター災害給付制度による医療費等の給付を補完する制度であるため、特約条項を追加することは困難であると考えております。新たな制度を設計することにつきましても、現状では行政が構築するには課題が多いと考えております。
 保険加入にかかわる現状でございますが、教育活動において自転車を利用する生徒が事故の加害者となってしまった場合に適用される賠償保険制度にほぼ全校児童生徒が加入しているケースは、小学校が103校中7校、中学校が57校中40校、高校、高等学校が4校中4校でございます。各学校では、自転車利用の際のマナーやルールの遵守、保険加入の必要性を盛り込んだポスターを掲示したり、交通安全教室において自転車事故に対する損害賠償責任保険の重要性について説明を行ったりしてきております。
 教育委員会といたしましても、今後も交通安全教育の充実を図るとともに、高額の損害賠償を請求される可能性もあることから、そのような事態に備えるための各種の賠償責任保険への加入について、関係部署及びPTAを含む関係諸団体と連携して、加入促進のための方策について検討してまいります。とりわけ生徒の自転車通学を許可している中学校につきましては、自転車通学申請時に賠償責任保険に入ることを勧めておりますが、今後一層加入率が高まるよう働きかけてまいりたいと考えております。
○神坂達成議員 ただいま御答弁をいただきました。よく霞ヶ関文学なる言葉が使われますけれども、ここにも常盤文学があるのかなというふうな感じを受けました。
 1つお伺いをしたいというふうに思います。例えば学校には、学校保健安全法というものが当然ございます。この中には、学校保健安全法に基づいて学校の安全計画を策定して、そして交通安全を含めた総合的な安全教育、安全指導をしなければならない、こういうふうになっておりますけれども、現時点でのさいたま市での、例えば学校、高校、こういったことが守られていない、こういう現実がございます。私の子どもがさいたま市内の高校に、おかげさまで通わせていただいております。雨の日は、カッパを着ずに傘を持って通学している、携帯電話を見ながら登校してくる、イヤホンをして音楽を聞きながら学校に来る、こういう現実が実際にあるわけです。市長も学校訪問をされていたというふうに言われましたけれども、教育委員会の方も、しっかり朝行って見てほしい、現実にどういう登校をしているのだと。これが、学校保健安全法をちゃんと守って、それのうえで、しっかり学校が指導したうえで、当然交通事故ですから、それは民民ですと言い切れるだけの努力をしないで、さも教育委員会は悪くないですと、市には責任がありません、こういう答弁はおかしいと。割れない風船は当然ないわけですから、その中で埼玉県は自転車王国ですし、さいたま市だってその中から見れば、多分さいたま市が推測日本一の保有台数となっているわけです。そういう現実を踏まえて、しっかりと周りの行政を横目で見ながら、横がどうだからとかではなくて、自分たちの市は、ではこうして子どもたちを守っていこうと。これは、市長のお子さんが実際に事故を起こして何千万円の請求をされたらそれをどうするか、では教育長の御家族だったらどうするのか、それをしっかり考えていただきたいというふうに思います。特に学校は、形式的な講習や周知をすれば事足れりだと、こういったことではなくて、あくまでも通学路の事故責任、民民だと言い切れるだけのしっかりとした教育をするべきだと思いますけれども、御見解をお願いします。
○稲葉康久副教育長 再質問にお答えいたします。
  議員御指摘のとおり、学校保健安全法に基づいて学校安全計画をすべての学校が策定し、交通安全を含めた総合的な安全教育、安全指導を実施している前提で御答弁申し上げました。今後につきましても市内市立全学校におきまして、安全教育の徹底について、これを指導してまいります。
○神坂達成議員 ぜひともよろしくお願いしたいというふうに思います。