2.公有財産における自主財源の確保と利用料の適正化とその管理体制について
(1)自動販売機設置場所を活用した財源確保の更なる推進について
(2)公有財産における利用料適正化への取り組みについて
(3)公有財産の一元管理による財源確保とその管理体制について


○神坂達成議員 続いて、第2 公有財産における自主財源の確保と利用料の適正化とその管理体制について伺います。さいたま市では、数多くの公有財産を目的外使用として許可しています。この厳しい経済情勢の中、中小零細企業では売り上げの確保やコスト削減と、血のにじむような経営努力がされております。本市においても、利益を生み出す努力や無駄を削減する取り組みは、都市経営を任された市長には当然求められます。そこで、以下3点お伺いいたします。
 自動販売機設置場所を活用した財源確保の更なる推進について。平成18年度の地方自治法改正で、行政財産の活用範囲が拡大されたのを機に、全国の自治体で自動販売機設置スペースの使用料を入札する動きが広がっています。さいたま市でも、自動販売機の設置スペースの一般競争入札は少しずつ始められ、市立病院で平成23年9月に入札を実施、結果13台で年間約1,700万円となり、約115倍の収入増となりました。また、平成24年2月に実施された本市設置の自動販売機45台の入札結果は、年間で計約3,700万円で、約30倍の収入増というふうになりました。横浜市、川崎市、名古屋市などと比較しても、今後さらなる推進が求められるところですが、私の調査したところでは、本市においては現状652台中約140台程度の入札が限界で、残り510台以上は一般競争入札を行うことができないという仕組みとなっています。自主財源の確保、行財政改革推進という観点からも、市長の決断とトップマネジメントが必要不可欠です。
 そこで、お伺いいたします。現在、指定管理者との契約条項には自販機について詳細な取り決めがなく、指定管理者の大きな収入源となっている可能性も否定できません。一般企業であれば、これだけ大きな財源を不明朗会計としているはずもなく、明確の取り決めや契約形態、収支報告等の義務化が必要なのではないか。また、福祉団体等の財源になっている自動販売機も同様で、実際の収入と一般競争入札を行った場合の試算を行い、メリットが生まれるようであれば、その利益分を予算として配分するなど、双方にとってウィンウィンの関係をつくり出すことが、ひいては市長がおっしゃっている税金を1円たりとも無駄にしないことに通じるのではないかと思いますが、見解を伺います。
 ・公有財産における利用料適正化への取り組みについて。さいたま市では、自動販売機のほかにも多数のスペースを目的外使用として許可していますが、一例として私の地元である緑区の市立病院の1階の売店を取り上げます。この売店の面積は57.2平方メートル、年間の使用料は66万9,586円で、月額使用料は5万5,800円ということになります。しかし、私が不動産関連業者に伺ったところ、市立病院の病床規模から換算すると月額80万円、年額約1,000万円弱の利用料が妥当とのことでした。この金額はあくまでも私見ですが、一般競争入札を通して公有財産の有効利用を図れば、大きな収入増になる可能性があるということです。新潟市では、平成17年の新市民病院の開設に当たってプロポーザル方式を導入することにより、現行方式よりテナント料が約3,700万円ふえたとのことです。これまでの賃料は、条例や規制で一律でしたが、新病院ではサービス内容などを提案してもらう際、規則を変更し、業者に賃料を決めてもらい、その高さも評価基準に盛り込むことによって、より市場価格に近づくことができたとしています。本市においても、公民連携への取り組みが試験的に開始されましたが、公有財産の利用について明確な運営指針を示し、適正な利用料を確保すべきであるというふうに思いますけれども、見解を伺います。
 公有財産の一元管理による財源確保とその管理体制について。目的外使用許可については、現在用地管財課が担当していますが、実際の管理は多部局にまたがることから、全体像の掌握が困難なようです。今後さらなる行革や財源の確保が一層求められる中で、フレキシブルな対応やアイデアが求められます。さらには、各部局を越えて調整する機能が必要になることから、現在の用地管財課だけではその範疇を超えてしまうのではないでしょうか。
 そこで、行政改革の観点からも、行財政改革推進本部で公有財産の一元管理を行い、一般競争入札や公民連携を全面的に実施してはどうかと思いますが、市の見解を伺います。
○安田淳一財政局長 神坂議員の御質問の2 公有財産における自主財源の確保と利用料の適正化とその管理体制について、 自動販売機設置場所を活用した財源確保の更なる推進についてお答えをいたします。
  自動販売機設置場所の公募事業につきましては、さいたま市行財政改革推進プラン2010に基づき、公有財産の有効活用と自主財源の確保を目的に、平成23年8月に公募に関する要綱を制定し、順次事業を進めているところでございます。議員御指摘のとおり、平成23年度には全体で58台にまでふやし、さらに今年度5台追加し、合計63台の自動販売機について公募を実施したところ、平成24年度の貸付収入見込み額は総額で約5,800万円となりました。
  また、要綱が制定される以前から福祉団体や指定管理者等が設置している自動販売機については、公募の対象外にすることができる旨、要綱に定めているところでありますが、清涼飲料水の自動販売機について今後の公募への意向調査を実施しましたところ、平成24年9月1日現在の総数598台のうち、現状の2倍程度の約130台にまで拡大できる見込みとなっております。
  一方、残りの対象外となる約470台につきましても、自主財源の確保の観点からは順次公募対象に移行させることが望ましいと認識しておりますが、福祉団体が設置している自動販売機は、その収益は福祉事業に充当することが条件になっているため、公募に移行した場合、各団体の運営や活動に影響を及ぼすおそれがあること。また、指定管理者が設置しているものにつきましては、自動販売機の設置や管理を含めた指定管理の協定等を締結していることから、関係局との協議が必要であるため、今後実態を十分に把握しながら、議員御提案の手法等も含めまして慎重に検討すべき課題であると考えております。
  次に、 公有財産における利用料適正化への取り組みについてお答えをいたします。御質問のありました市立病院内の売店につきましては、さいたま市財産規則第21条第1号により、病院における入院患者等当該行政財産を利用する者のため、当該行政財産に食堂、売店等の厚生施設を設置する場合に該当することから、行政財産の目的外使用許可を行っており、その際に徴収する使用料については、さいたま市行政財産の使用料に関する条例及び財産規則に基づいて積算しております。議員御指摘のとおり、これらの行政財産の使用に際し、一般競争入札やプロポーザル方式を導入して業者選定を行うことにより自主財源の確保を図ることは重要であると考えておりますが、公募等の導入に際しては、目的外使用許可で設置されている売店等の設置の経緯や経営状況等の現況を十分に把握したうえで、関係局とともに研究する必要があると考えております。
以上でございます。
○山﨑秀雄行財政改革推進本部長 神坂議員御質問の 公有財産の一元管理による財源確保とその管理体制についてお答えいたします。
 公有財産を活用した自主財源確保の取り組みといたしましては、御質問にもありました自動販売機設置業者の公募をはじめとして、広告掲載による財源確保やネーミングライツの活用促進などの取り組みを行財政改革推進プラン2010の改革プログラム事業として位置づけ、推進しているところでございます。議員御指摘のとおり、今以上に自主財源の確保は必要となる中で、新たなアイデアによる公有財産の活用方法について、部局を越えた調整を行っていくことは重要なことであると認識しております。今後、貸し付けによる一般競争入札の拡大や提案型公共サービス公民連携制度の実施など、公有財産活用による財源確保の取り組みについて、公有財産を管理する所管課と十分協議を行いながら、一元的な推進も含めまして手法の検討を行ってまいりたいと思います。
以上でございます。
○神坂達成議員 ぜひとも推進をしていただきたいというふうに思います。私がほかに調べたところ、目的外使用許可、大多数、かなりのところで赤字が出ているというふうにお伺いをしています。赤字のところをずっと続けることが、本当に市民のサービスにつながるのだろうかと、赤字だったら逆にそこを思い切ってやめて、ではコンビニにかえたらどうだろうか、またはエレベーターの中だって広告として使えるのではなかろうか、またさらには、例えばただスペースがあってほかに使い道がないのだったら、こういう市役所という特性を生かして、では弁護士会の事務所が入ってくれるのではなかろうか、そういった中でさまざまな行政書士だとか司法書士だとか、そういった活用方法は必ずあるというふうに思います。ぜひともそういった努力をお願いしたいというふうに思います。