8月9日(木)午後1時30分 静岡県地震防災センターに行ってきました。
視察目的は以下の通りになっています。
1.避難所運営ゲーム『避難所HUG』について
(1)避難所HUGの概要について
(2)開発の経緯について
(3)静岡県地震防災センター(現地視察)
HUGとは、H(hinanzyo避難所)、U(unei運営)、G(gameゲーム)の頭文字を取ったもので、英語で「抱きしめる」という意味で、避難者を優しく受け入れる避難所のイメージと重ね合わせて名付けられました。
日本は、世界有数の地震国であり、いつどこで大地震が発生しても不思議ではありません。大地震が発生した場合、家屋の倒壊や津波、火災、山・がけ崩れなどにより、被災した多くの人々が避難所での生活を強いられることになります。
もし、あなたが避難所の運営をしなければならない立場になったとき、最初の段階で殺到する人々や出来事にどう対応すれば良いのでしょうか。
難所HUGは、大地震発生時の避難所運営を皆で考えるためのひとつのアプローチとして平成19年に開発されたもので、避難者の年齢や性別、国籍やそれぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所の体育館や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験するゲームです。
このゲームは、会議机3脚で1グループ分のスペースを作り、7人1組程度のグループを何組か作って行います。1人がカードの読み上げ係、残りの6人がプレイヤーとなります。
カードの他に必要な図面は、取扱説明書からコピーして準備します。付属のCDに入っているパワーポイントを使って30分ほどゲームの説明をした後、アイスブレイキングを行い、その後ゲームを1時間ほどかけて行い、その後30分程度まとめを行います。
プレイヤーは、このゲームを通して災害時要援護者への配慮をしながら部屋割りを考え、また炊き出し場や仮設トイレの配置などの生活空間の確保、視察や取材対応といった出来事に対して、思いのままに意見を出しあったり、話し合ったりしながらゲーム感覚で避難所の運営を学ぶことができます。静岡県では、新規採用職員研修や静岡県防災士養成講座の教材としても取り入れられています。
今回の避難所HUGを通して学んだことは、発災時には避難所にできるだけ行かなくて済むような自助の取り組みをし、市は更なる自助への啓発と支援をしなければいけないということです。現在、避難所となっている学校などでは小学校区(1万人程度)や中学校区(2万人程度)となっており、発災時にはその収容力をはるかに超えてしまう現実が想定されるからです。
今後この問題について更なる調査研究を続けると共に議会でも取り上げ、さいたま市におけるこの避難所HUGを活用した研修等も提唱してまいりたい。