8月10日(金)午前10時 愛知県豊田市役所へ視察に行ってきました。
視察の目的は以下の通りです。
1.小型家電回収事業とキレート剤削減について
(1)7分別10回収について
(2)レアメタル回収における現状と課題
(3)リサイクルコストと処分費削減について
(4)今後の課題と展望

平成23年12月さいたま市議会一般質問にて、小型家電に含まれるレアメタル(都市鉱山)の有効活用をさいたま市として早急に実施すべきであるとの質問を行いました。
清水勇人市長からは、予算付けを行い実施に向けた取り組みを開始したいとの答弁を頂きました。
今回は、小型家電リサイクルを行うことへのメリットや今後の課題や展望について、先進的な成果を上げた豊田市に伺い、さいたま市にどう反映できるか調査してきました。

豊田市では小型家電リサイクルを推進するなかで、年間4000万円のごみ処理費用を削減し注目を集めています。

豊田市では、家庭ごみは7分別10種類に分別して回収されます。その一つに「金属ごみ」という特徴的な区分があります。
この中で家電製品は約4分の1を占め、新たな区分を設ける必要がなく、広報などの手間が省け効率的な収集が可能となっています。

豊田市では、小型家電の選別を、市から委託された処理業者がおこないます。
家電製品の中でも、携帯電話やゲームソフトなど、電子基板を多く含む品物を優先的に選別し、手作業で解体。精錬業者を通じて、金、銀、パラジウムを回収しています。

選別後のごみは破砕され、鉄と非鉄金属を回収した後に焼却しています。
焼却後の飛灰には、回収しきれなかった銅や鉛が含まれますが、小型家電の選別を開始した09年以後、その含有量は減少しました。
その結果、法律で規制されている埋め立て基準を満たすために使うキレート剤という薬剤の使用量も減らすことができました。

豊田市では、このキレート剤削減による費用効果が大きく、小型家電リサイクル導入の経費などを差し引いても、年間で4000万円の経費削減が可能となりました。

ごみ減量推進課の近藤副主幹は、「市民に新たな負担を生じさせることなく、リサイクル推進とコスト削減とを両立できたことが大きい」と語っていました。
さいたま市としてもこの事業が開始されれば、キレート剤の使用量は大幅に削減されることが予想されます。
現在、多種にわたるレアメタルを、効率的かつ経済的に抽出するシステムが確立されているとはまだまだ言えない状況です。
貴重な資源を繰り返し、無駄なく使い続けていくために、更なる産官学による技術革新や法整備が必要となってくるのではないでしょうか。
今後も更なる調査研究に努めこれらのことについて議会で取り上げてゆく予定です。