2.「子ども子育て新制度」について
(1)「利用要件の緩和」における潜在的な利用ニーズ調査の必要性について
(2)保育時間の延長と夜間保育について
(3)「地方版子ども子育て会議」の設置について


2.「子ども子育て新制度」について
(1)「利用要件の緩和」における潜在的な利用ニーズ調査の必要性について

○神坂達成委員 2番目、子ども・子育て新制度についてお伺いをしたいというふうに思います。
 2015年度から始まる新たな子育て支援制度で、認可保育園の利用要件が緩和され、パートタイムで働く人や求職活動中の人も利用できるようになります。現在の利用要件は、昼間に常時労働している、妊婦や出産、保護者の疾病、障害などの原則5項目に限定しております。このためパート労働への人の対応は自治体の判断に任されており、フルタイムで働く人が優先される傾向にございました。新制度では、パートのほか夜間の就労、在宅勤務、求職活動、大学や職業訓練校への就学、育児休業中の人も利用が可能になります。
 大幅な要件緩和を歓迎するところでございますが、一方で、要件緩和に伴い、保育所への入所希望者はふえると思われます。なぜならば、現在は保育サービスの申請を諦めている人が申請が周知されるに従い、利用を希望するからです。
 そこで、(1)利用要件の緩和における潜在的な利用ニーズ調査の必要性について質問します。
 まず1点目として、本市では、子ども・子育て支援制度が始まることによって、保育所への利用ニーズは増加すると考えるのかどうか、まず見解をお聞かせください。
 2点目として、本市は、今後の需要の増加に見合う体制を先行整備するために、まず潜在的な利用ニーズがどの程度あるのかを調査し、正確な保育ニーズを掌握すべきではないかというふうに思いますが、こちらも見解をお聞きしたいというふうに思います。
 さらに3点目として、本市では平成29年4月までに3,600人の受け皿を準備して待機児童ゼロを目指すとしておりますが、この3,600人で待機児童がゼロになるというふうに試算した根拠、こちらをお聞かせいただければというふうに思います。
 4点目としては、この3,600人の受け皿の準備に対し、今後利用増加等があり、必要があると判断した場合、待機児童の解消に向けた目標の上方修正はあるのかどうか、こちらもお聞かせいただきたいというふうに思います。
 そして5点目でございますけれども、先月開かれました政府の子ども・子育て会議でパート就労の人が認可保育所などを利用するための最低必要な就労時間が月48時間から64時間と決まりました。現在さいたま市では64時間を設定しておりますが、この数値を見直すことについての見解をお伺いしたいというふうに思います。
○保育部長 神坂委員の御質問の2、子ども・子育て新制度について、(1)利用要件の緩和における潜在的な利用ニーズ調査の必要性についてということで5点御質問がございましたので、順次お答えをいたします。
 まず1点目ですけれども、子ども・子育て新制度の開始によって、認可保育所への入所希望者がふえるのではないかという御質問ですけれども、昨年行ったニーズ調査により、要件の緩和に伴う影響も把握できるものと考えております。この調査結果をもとに潜在ニーズを含めたニーズ調査の分析を行いまして、効率的で効果的な計画の策定と保育所等の計画的な整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 次に、2点目で、正確な保育のニーズの把握をすべきではないかという御質問でございます。
 利用ニーズの把握に関しましては、子ども・子育て支援法附則第4条で、新制度の本格施行までに子ども・子育て支援の推進を図るための基礎資料として、保育の需要及び供給の状況の把握に努めなければならないというふうに定められております。そこで、就学前児童の潜在ニーズも含めた保護者の意向を把握するため、昨年10月から11月にかけてゼロ歳から5歳のお子さんのいるご家庭3,000世帯へ無作為抽出によりニーズ調査を実施いたしました。現在調査結果を集計、分析しているところでございますが、このニーズ調査結果により、潜在的な保育ニーズも含めた保護者の意向を把握したうえで、保育供給体制を整備するための、仮称でございますが、さいたま市子ども・子育て支援事業計画を策定し、その計画をもとに保育を必要とする子どもたちが必要なサービスを受けることができるよう各種施設及びサービスの整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
 次に3番目です。3,600名で待機児童がゼロになると試算した根拠ということでございます。
 平成29年4月までに民間保育所の定員を3,600人増加させ、待機児童解消を目指すとした根拠につきましては、国立社会保障・人口問題研究所が平成22年度の国勢調査をもとに平成22年から平成52年までの30年間を5年ごとに試算しました本市の将来人口推計を参考にしております。具体的には、ゼロ歳から4歳までの人口が平成22年は5万3,678人、平成27年は5万2,156人、平成32年は4万5,887人と推移するとの試算に基づき、就学前児童全体の数を導き出し、この数字に近年の保育需要の伸びを考慮して、認可保育所の整備を初めとする待機児童対策により待機児童が解消されるような数字として試算したものでございます。
 次に4点目です。3,600人の整備目標に対し、必要性があれば上方修正はあるのかという御質問でございます。
 これまでしあわせ倍増プラン2009におきましては、平成24年度末までの3年間で認可保育所の定員を1,100人整備する目標を立てまして、それを上回る1,638人の定員増を行いました。しあわせ倍増プラン2013におきましては、認可保育所の定員を3,600人ふやす計画を立てておりますが、認可保育所の新設整備やナーサリールーム、家庭保育室の新規認定のほか、今後の状況を見ながら年度ごとの認可保育所整備数を前倒しすることや、新制度移行後においては認可保育所の整備に加え、認定こども園や小規模保育事業などの整備を行いまして、待機児童の解消に努めてまいります。
 次に5点目でございます。最低必要な就労時間の見直しの見解についてということでございます。
 委員御指摘のとおり、本市におきましては、認可保育所入所申し込みに当たっての最低就労時間は週4日、1日4時間の月64時間としてきたところでございます。また、近隣の状況を見ますと、川越市では月120時間、川口市においては75時間以上となっております。本市の64時間は、制度移行後の最低就労時間の範囲内に含まれておりますが、今後ニーズ調査の結果や近隣市の状況などを見ながら、時間数を決定してまいりたいというふうに考えております。
○神坂達成委員 ありがとうございました。しあわせ倍増プラン2013等でさまざまな施策を打ってきて、また数も大幅に引上げていただいたというような御答弁もございましたけれども、本年、例えば認可保育所の不承諾数は2,155名でしたか。実際には不承諾数はたしか480名ぐらいふえていたのかなというふうに思います。今、さまざまな統計をとっていただいたというふうなお話もございましたけれども、一つは、その統計というよりも、今回新制度ができて、それによる新たなるニーズの掘り起こしが計算をされているのかどうかということでございます、私が聞いているのは。
 今までの通常の枠の中で、確かにさまざまな調査をやって3,600名でいくだろうというようなことがあったかというふうに思いますけれども、その中には、先ほど述べましたとおり、夜間に就労しているとか、また、大学へ行きたいとか、職業訓練校へ行きたいと、こういった、あと在宅勤務の人、求職活動の人も預けられるというような利用要件の緩和がされたわけでございます。これによって大きな利用者の増大がするのではないですかと、そこを心配しているわけです。そこで、新たにふえるのであれば、しっかりとした施策をとるべきではないかと。その新たな利用要件の緩和を受けての考え方、取り組み、これをお聞かせいただければというふうに思います。
○子ども育成部長 今回のニーズ調査につきましては、当然のことながら子ども・子育て支援新制度を受けてということで調査を行っております。したがいまして、対象者についても、今後保育の需要がある方、また、あと、現在例えば就労はしていないけれども、今後就労したいかというような設問もございますので、その辺、委員御指摘の点については把握できるものというふうに考えております。
(2)保育時間の延長と夜間保育につい
○神坂達成委員 それでは、続きまして(2)保育時間の延長と夜間保育についてお伺いをしたいというふうに思います。
 先ほどより新制度について研究してまいりましたが、これら利用要件の緩和により、保育の時間延長や夜間保育の必要性が出てくるのではないかというふうに考えるのは私だけでしょうか。
 保育時間の延長と夜間保育の必要性について、本市のまず見解をお聞かせいただきたいというふうに思います 。
○保育部長 保育時間の延長と夜間保育についての御質問でございます。お答えをいたします。
 現在、1日11時間の開所時間を超えて保育を行う延長保育事業というのがございます。これは、市内認可保育所145園において実施をしており、3時間延長の保育を行う保育所もございます。また、保護者が夜間不在となる場合に、最長22時まで保育を行うトワイライトステイ事業というものがございます。これは市内の認可保育所2園で実施しております。利用者は、平成24年度は延べ27人、25年度は12月末時点で延べ98人となっております。多様化する保育ニーズに対応し、児童福祉の向上ということを図っておるところでございます。
 御質問の今後の保育時間の延長と夜間保育の必要性ということにつきましては、先ほどもお答えしたとおり、昨年実施いたしました保育ニーズ調査結果、これの集計と分析を行っているところでございまして、需要などを把握するとともに、引き続き国の動向を注視してまいりたいというふうに考えております。
○神坂達成委員 ありがとうございます。この夜間保育についてはさまざまな法律があるというふうに思いますけれども、ただ、町に目を転じてみますと、大宮等ではベビーホテルですか、夜働いて子どもたちを預ける、こういった施設が三つでございましたか、あるかというふうに思います。その潜在的なニーズは十分あるのではないか、また、そこに対する市の施策は必要ではないのかというふうに感じております。
 先ほどトワイライト保育ということもおっしゃられておりましたけれども、これはあくまでも一時預かりであるというふうに私は認識をしております。じゃ、その時間外に働いている方たちはどうなるのかということを考えると、今後こういったことへの施策の必要性というのはますます出てくるのではないかというふうに思いますけれども、こちらについてもちょっとお聞かせいただければというふうに思います。
○保育部長 現在、昨年も実施しましたニーズ調査の結果というのを集計とか分析を行っているところでございますので、その結果を本当に充分に反映してまいりたいというふうには考えております。
(3)「地方版子ども子育て会議」の設置について
○神坂達成委員 次に、(3)地方版子ども・子育て会議の設置について伺います。
 子ども・子育て新制度導入に伴い危惧される点を今までるる述べてまいりましたが、現在これらの問題や課題、市民要望などは社会福祉審議会児童福祉専門分科会で協議されているというふうに認識をしております。しかしながら一方で、一抹の不安を拭えないのも事実でございます。国からは、地方版子ども・子育て会議の設置については努力義務というふうにしておりますが、その調査や意見交換などで浮かび上がった不足している地域でのサービスも掌握しながら5年ごとの事業計画を立てる、事業計画を立てた後も、同会議は実施状況をチェックするという役割を担っております。市長からも、待機児童解消問題については市の重要施策としているとの旨の御発言がありましたが、そこで、現在の分科会で協議を発展的に解消して、さいたま市子ども・子育て会議、ごめんなさい、これ勝手に仮称としてつけさせていただきましたけれども、こういったものを設置すべきではないかというふうに考えますけれども、市の見解をお聞かせください。
○子ども育成部長 御質問の(3)地方版子ども・子育て会議の設置についてお答えをいたします。
 子ども・子育て支援法の第77条に規定されております審議会その他の合議制の機関、いわゆる地方版子ども・子育て会議ですが、本市におきましては、さいたま市社会福祉審議会児童福祉専門分科会を地方版子ども・子育て会議に位置づけ、昨年6月議会において、さいたま市社会福祉審議会条例の改正を決定していただいたところでございます。
 国は、いわゆる地方版子ども・子育て会議について、子育て当事者を加えることにより、社会福祉審議会を活用することは可能としておりまして、その名称も子ども・子育て会議にする必要はないとしております。
 本市では、従来から子ども・青少年希望(ゆめ)プランの進行管理をさいたま市社会福祉審議会の児童福祉専門分科会に担っていただいておりましたことから、当会議を地方版子ども・子育て会議に位置づけましたが、この際、従来の児童福祉専門分科会に子育て当事者を加えることで、子育て当事者が政策プロセスに参画、関与する役割を果たすことといたしました。今後も当会議にしっかりと地方版子ども・子育て会議としての役割を果たしていただくことで、計画の策定、進行管理を推進してまいりたいと考えております。
○神坂達成委員 ありがとうございました。私が言っているのは、この名称うんぬんではなくて、機能そのもののお話でございます。本当に5年ごとの事業をしっかりとしたバックチェックがしていけるのかどうか、こういったことで、あくまで名称を求めているのではなくて、その機能がしっかりと担保されるのかどうか、こういったことでございます。
 今後待機児童が解消されるかどうかというのは、もう自治体の取り組みに一切がかかっているというふうに思っております。4年後、やっぱり待機児童が解消できませんでしたということでは困るというふうに思いますので、今回あえて質問させていただきましたけれども、こちらについてもちょっと最後お聞かせいただければというふうに思います。
○子ども育成部長 現在、児童福祉専門分科会では、保育所だとか放課後児童クラブ等の利用規模を把握するためのニーズ調査の実施方法であるとか項目、それから認定こども園の認可基準、地域型保育事業の認可基準等について御審議を既にいただいているところでございます。
 今後はニーズ調査の結果を基礎といたしまして、新制度の給付・事業の見込み量ですとか提供体制の確保の内容、また、その実施時期等を盛り込んださいたま市子ども・子育て支援事業計画、これ仮称でございますが、その策定に向けた御審議をお願いし、またその進行管理についてもしっかりと行っていただくということでございます。