(1)信頼性の高い水道事業の持続に向けて
それでは、次に移ります。3番目、今後の水道事業について、(1)信頼性の高い水道事業の持続に向けて、お伺いいたします。コロナ禍における新しい生活様式が求められる中、水道事業はインフラの基盤として細心の注意を払いながらの運営が求められています。
一方、新聞報道によると、全国の水道管は1960年代を中心とした高度成長期に急速に整備され、法定耐用年数を超過した水道管の割合は、ここ10年で2倍以上に上昇するとともに、将来人口減少などによる料金収入の悪化により、管路の更新率は低下し、全てを更新するのに130年以上かかるとの記事を目にしました。実際、増大する更新事業に追いつかず、水道管の破裂事故が各地で相次いでいます。昨年10月には改正水道法が施行され、新たに水道の基盤強化が全面的に打ち出され、事業の存続を盛り込んだ措置が求められるなど、水道事業は大きな転換期に直面しています。市の水道事業は、市民に信頼される水道を目指すため、水道事業長期構想や中期経営計画を基に、計画的な施設整備や給水サービスの向上に尽力されており、水道管の耐震率は政令指定都市でもトップレベルであることを高く評価するものです。しかしながら、積極的に更新を行っていくには、それ相応の経費負担を要することから、市民への情報提供を的確に行うことで、市民の理解と協力を得ることが重要と考えます。
そこで、1点目として水道事業の環境が厳しさを増す中、市民への信頼性の高い水道事業の持続に向け、現在次期さいたま市水道事業長期構想を策定中と伺っておりますが、その方向性、ポイントについて見解を伺います。
(2)水道施設整備について
(2)水道施設整備について。老朽化した水道管のトラブルが全国で相次いでいる中、安定給水を維持していくため、現在の耐震化率と今後の老朽管の更新計画についてお聞かせください。
●小島正明水道事業管理者 神坂達成議員の御質問に順次お答えいたします。 まず、3、今後の水道事業について、(1)信頼性の高い水道事業の持続に向けてについてお答えいたします。本市の水道事業は、昭和12年の給水開始以来、市民生活と都市機能を支える基盤施設としての役割を果たしつつ、市民の皆様に安全で良質な水を安定的にお届けするため、計画性の高い事業を推進しているところでございます。 しかしながら、本格的な人口減少社会の到来により、事業運営を支える料金収入の減少が避けられない一方、老朽施設の更新需要も高まり、あるいは災害等への対応など必要な投資が見込まれ、今後は一段と厳しい事業運営が予測されているところでございます。こうした認識の下、本市水道事業では、本市の将来都市像を踏まえた次期総合振興計画の策定に合わせ、令和3年度から10年間を計画期間とする次期水道事業長期構想の策定を進めているところでございます。 策定に当たっての方向性といたしましては、安全、強靱、持続を基本理念として、市民の皆様に常に信頼される水道であり続けるといった本市水道の将来像をお示しするとともに、昨年施行されました改正水道法の趣旨である基盤強化の考えを盛り込むところでございます。長期構想の推進に当たり、将来の水需要の減少を見込み、長期的な投資の最適化を図るため、水道施設の再構築に向けた計画の策定に着手しております。この計画におきましては、水需要に応じた浄水場などの統廃合や適正配置への見直し、また適切な維持管理を行うことで、施設の長寿命化を図ることを基本としており、財政とバランスの取れた効率的かつ計画的な施設整備を進めてまいりたいと考えております。 次に、(2)水道施設整備についてお答えいたします。本市水道事業における老朽管更新事業は、平成18年から水道局の主要事業として進めており、また5か年の中期経営計画と整合を図りつつ事業を推進しているところでございます。具体的には、法定耐用年数40年を経過した管路を更新しており、令和元年度末の管路総延長は約3,650キロメートルを有し、耐震化率は49.7%となっており、政令指定都市の中でもトップクラスの水準を維持しております。今後の老朽管の更新計画といたしましては、管路総延長に対しまして年間1%を目標に、管路の老朽度、耐震性、重要度の3つの評価基準に基づき、優先度を鑑みた管路の整備を進めていくとともに、将来的な水需要の減少に合わせ、管路の口径の適正化を図ってまいります。本市水道事業といたしましては、今後もこれまで以上に効率的な事業運営に努め、安全で良質な水を安定的に供給していくことを通じて、市民と地域社会に一層信頼される水道を目指してまいります。
●神坂達成議員 引き続き市民から信頼される水道事業を目指して、よろしくお願いしたいと思います。