2015年9月 市民生活委員会議案外質問 質問内容
1.再生可能エネルギー(地中熱利用ヒートポンプ)の設置促進について
(1)地中熱利用システムの補助金利用状況について
(2)地中熱利用マップの作成について
(3)公共施設における「地中熱ヒートポンプ」実証実験について
○神坂達成委員 それでは、通告に従いまして、順次、質問させていただきます。
まず、1番目、再生可能エネルギー(地中熱利用ヒートポンプ)の設置促進についてお伺いをしたいと思います。
本年度、東京都では再生可能エネルギー活用策の一環として位置づける地中熱利用ヒートポンプの利用促進に、本格的に乗り出しました。具体的に、都では本年度予算に1億円を計上し、国の補助と合わせて設置費用の半額を補助する制度の創設です。
さらに、地質図などのデータをもとに、砂を多く含む土壌や地下水の水位が高い土地は、熱交換の効率がよいとされることから、都内全域をおおむね250から500メートル四方に区切り、導入効果の高さを色分けして、地中熱が利用しやすい場所をマップとして示すというものです。
背景には、政府が昨年4月に閣議決定したエネルギー基本計画で、再生可能エネルギーの導入加速を明記し、自治体が主体となって地中熱などの利用をはかることは重要と指摘したことによるものと推察をしております。
地中熱利用は、冷暖房に地中と地上の温度差を利用することで、電力を約3割ほど削減できるとしています。NPO法人地中熱利用促進協会によると、既にアメリカでは100万台以上が利用されていますが、国内での導入は北海道を中心に約1,500台にとどまっているとしております。
そこで、お伺いしますが、本市においても地中熱に関し、補助金制度を設置していますが、(1)として、地中熱利用システムの補助金利用状況についてその利用状況をお示しください。
また、(2)として、地中熱利用マップの作成について、東京都で推進が検討されている地中熱利用マップの作成について本市のお考えをお示しください。
さらに、(3)としては、公共施設における地中熱ヒートポンプ実証実験についてとして、現在、さいたま市では地中熱利用ヒートポンプの実証実験はされていないと認識をしておりますが、その有効性や周知という意味から公共施設において導入を行うべきと提案をいたします。以上、3点につきまして、御見解をお聞かせください。
○環境共生部長 神坂達成委員御質問の1、再生可能エネルギー地中熱利用ヒートポンプの設置促進について、順次お答えをいたします
(1)地中熱利用システムの補助利用状況についてお答えをいたします。
地中熱利用システムは、時間や天候に左右されず、年間を通して温度が一定に保たれている地中の熱エネルギーを夏は冷熱源、冬は温熱源として活用するものでございます。この特性を利用することで、これまで空気熱ヒートポンプと比較し、エネルギー削減がはかられるほか、冷房時の排熱を外に放出しないことから、ヒートアイランド現象を抑制する効果などのメリットがあります。
本市では、平成23年度から地中熱利用システムに対しての補助を行っており、今年度は設置機器1件につき30万円の補助金額を設定して行っております。
地中熱利用システムの補助金の利用状況についてでございますが、今年度はまだ申請がございませんが、平成25年度は1件、平成26年度は2件でございます。
次に、(2)地中熱利用マップの作成についてお答えをいたします
地中熱の温度は年間を通じて一定しておりますが、地質など設置場所により地中の温度は大きく異なります。地中熱利用マップはどの地点でどのくらいの熱がとれるのかを情報提供するもので、適切な規模の地中熱利用システム導入の参考となる有用なものと考えております。このマップを利用することで、設備の導入を検討しております市民にとりましても、設置費用のコストダウンなどメリットがあると考えられます。
このような中、委員御指摘のとおり、東京都では地中熱利用の普及拡大に向けて、地中熱のポテンシャルをわかりやすくマップ化し、公表すると聞いております。
埼玉県におきましても、東京都と同様に地中熱利用可能地点を調査し、今年度に本市を含めたポテンシャルマップを作成すると聞いておりますので、本市といたしましてはこれを活用していきたいと考えております。
次に、(3)公共施設における地中熱ヒートポンプの実証実験についてお答えをいたします。
現在、本市では、公共施設において地中熱ヒートポンプを導入した実績はございませんが、平成25年度に作成いたしましたさいたま市環境配慮型公共施設整備指針におきまして、太陽光及び太陽熱と同様に地中熱につきましても利用可能なエネルギーとして位置づけております。
子ども未来局で整備を進めております新しい施設におきましても、この指針に基づき地中熱利用システムを含めた再生可能エネルギー等の導入につきまして、検討いただけたものと認識しております。
これからも公共施設の新設、増設、改修または建て替え時に、施設所管課に対しまして導入を積極的に検討するよう働きかけてまいりたいと考えております。
なお、本市ではネットワーク型環境教育拠点施設@さいたまCITYの拠点施設の1つとして、地中熱利用システムを導入している民間事業者に参加していただいており、市民の施設見学や環境学習の場として普及啓発を積極的に行っていただいているところでございますが、本市といたしましても一層の認知度向上に努めてまいりたいと考えております。