2 環境共生都市への戦略について
(1)「都市鉱山」レアメタルの有効活用につい
(2)資源循環型産業等の誘致を視野に入れた、新成長戦略の策定について


○神坂達成議員 環境共生都市への戦略についてお伺いいたします。
 現在さいたま市では、多くの小型家電が廃棄されたり、家庭で眠ったままになっています。小型家電には貴重な金属が含まれています。環境省の試算によると、毎年使用済みとなる携帯電話など小型家電は97品目で76万トンに達し、それらには資源価値のある金属が28万トンも含まれています。金額に換算すると874億円に上るそうです。日本の人口の約1%が住んでいるさいたま市で推定換算すると、年間8億7,400万円のレアメタルを埋め立てているというもったいない状況が続いていることになります。現在はレアメタルの価格が高いことから、消費者がリサイクル料を負担しなくても回収率が30%になれば採算がとれると言われています。この都市鉱山の有効活用を早急に行うべきです。
 そこで、「都市鉱山」レアメタルの有効活用について、市の見解を求めます。
 また、この都市鉱山、レアメタルを回収するというだけではなく、さらに一歩踏み込んだ戦略として、産業構造の転換に対応する次世代産業である環境関連産業の集積を行い、市内経済の活性化や雇用の創出につなげていくという可能性があります。省エネ社会の推進と市内への次世代産業の誘導のために再生可能エネルギー産業、レアメタル回収等の資源循環型産業等を誘致し、産業集積拠点の整備を図ることが大事と考えます。
 そこで、資源循環型産業等を誘致するため、産業集積拠点の設定や整備を進める新成長戦略を策定すべきと考えますが、見解を求めます。
○清水勇人市長 神坂達成議員の御質問の2 環境共生都市への戦略について、 「都市鉱山」レアメタルの有効活用についてお答えいたします。
 レアメタルは、昨今の次世代自動車や省エネ製品をはじめとする高付加価値、高機能製品の製造に欠かせない素材でありますが、希少性や遍在性が高く、生産国の輸出政策や政治情勢、主要生産施設の状況、投資家の思惑などに大きな影響を受けるため、我が国にとってはその安定供給が極めて重要なものとなっております。このため国においても、使用済み製品に含まれる有用金属のリサイクルが必要であるとして、中央環境審議会のリサイクル部会小委員会におきまして、小型家電等のリサイクル制度化について検討が進められているところであります。
 現在本市では、小型家電の多くを燃えないごみとして収集しておりますが、小型家電を選別するためには収集する際に新たな分別が必要となり、その分、収集運搬費用が増加いたします。また、燃えないごみのままで収集し、中間処理施設で選別する場合にも、その費用が発生することになり、これらの費用を賄うために、議員御指摘のように回収率の確保がかぎになるというふうに考えております。このため本市といたしましても、小型家電リサイクルへの取り組みを本年度内に改定をいたします一般廃棄物処理基本計画の重点施策の一つとして位置づけるとともに、国の制度化の動きも注視しつつ、費用対効果を念頭に効率的な収集運搬処理方法や資源化ルートなどについて検討を開始したいというふうに考えております。
○森田治経済局長 次に、2 環境共生都市への戦略について、 資源循環型産業等の誘致を視野に入れた、新成長戦略の策定についてお答えいたします。
 本市の企業誘致につきましては、しあわせ倍増プラン2009の戦略的企業誘致を実現すべく誘致活動を展開しております。誘致対象とする産業分野は、御質問の資源循環型産業を含めた環境分野をはじめ製造技術分野やエネルギー分野など、国の成長産業分野である8分野を広く対象としているところでございます。既に北九州市や川崎市では、エコタウンやゼロエミッション工業団地として取り組まれておりますが、こうした産業のプラント機能の整備は、港湾やエネルギー施設、生産拠点など、臨海部の産業基盤を活用した取り組みであるものと認識しております。
 一方、本市では、都心に近く、人材確保や交通利便性のメリットがある反面、地価が比較的高く、生産活動の適地が少ないことから、本社、支社機能や研究開発機能の立地が多いのが実情でございます。これらを踏まえ、本市では、本社研究開発型企業を中心とした企業誘致活動を精力的に行う一方で、本市の持続的な成長を導く観点から、次世代成長産業の本社研究開発機能の受け皿となる新たな産業集積拠点創出に向けた検討を進めております。今後におきましても、議員御指摘の市内経済の活性化や雇用創出を念頭にグローバル経済や社会情勢の変化を踏まえ、本市の立地特性と企業ニーズを的確にとらえた産業施策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○神坂達成議員 小型家電回収につきましては、市長の強いリーダーシップのもと、ぜひとも実現していただきたい、このように思います。