5、豪雨災害等から介護施設を守るために

(1)社会福祉施設における避難確保計画について

それでは、5番目、豪雨災害から介護施設を守るために、(1)社会福祉施設における避難確保計画について伺います。近年、記録的な豪雨による浸水被害が全国各地で発生しています。令和2年7月豪雨では、熊本県球磨村の特別養護老人ホーム入所者14人が犠牲となりました。また、厚生労働省のまとめによると、この豪雨で全国78か所の高齢者施設で浸水、停電、断水などの被害が発生したとしています。さいたま市においても、決して他人事では済まされない状況です。 国においても、平成29年に水防法を改正し、浸水想定区域にある社会福祉施設に対し、避難先や移動方法をまとめた避難確保計画の策定と避難訓練の実施を義務づけました。さいたま市における取組状況としては、平成22年1月に社会福祉施設における防災計画の手引きが策定されております。そこで、その内容を読み進めていくと、大半が震災を想定した内容となっており、豪雨災害を想定した垂直避難などの記載を見つけることができませんでした。つまり、10年間改定がなされなかったことにより、近年危惧されている水害への備えが取り残されている状態です。早急な改定が必要と考えます。さらに、改定を通じて浸水想定区域の内外を問わず、積極的な情報提供を行うとともに、計画の策定を全面的に支援すべきです。また、災害時被害を最小限にとどめるためには、避難確保計画に基づいた日頃からの施設職員と入所者の訓練を重ねることが重要で、地域住民からの応援も必要となります。社会福祉施設では、夜間スタッフが手薄になるとか、車椅子利用者や認知症の方は、自力での避難は難しいといった課題が明らかとなる中で、市はこうした課題の解決に向けて、施設側とともに防災対策について考え直さなければならないと考えます。市の見解をお聞かせください。

(2)福祉避難所のについて

①福祉避難所開設に伴う取り決めについて
②福祉避難所における福祉施設入居者の対応について

(2)福祉避難所について、①福祉避難所の開設に伴う取決めについて。さいたま市では、災害時における要援護者の受入れに関する協定や災害対策基本法に基づく指定に基づき、災害発生時に社会福祉施設等に要援護者の受入れについて協力を要請することとしています。協定及び指定による福祉避難所数は、平成31年4月1日現在、96施設に上っています。しかしながら、96施設全ては、平常時には入所施設や通所施設として運用されているため、災害発生時において、円滑かつ迅速に福祉避難所を開設することができるかどうか、甚だ疑問です。例えば福祉避難所までの移送は誰が行うのか、応援職員の確保は誰がするのか、物資、機材の確保はどうするかなど、事前に取り決めておくことが重要です。さらには、発災後施設側の被災状況を調査し、その施設に福祉避難所を開設することを、誰がどのように判断するのか。現時点における社会福祉施設と事前の取決め状況についてお聞かせください。
②福祉避難所における福祉施設入居者の対応について。さいたま市が平成30年3月に策定した福祉避難所設置運用マニュアルによると、福祉避難所の対象となる方は、高齢者、障害者の要援護者のうち、一般の避難所では生活に著しく支障を来す方となっており、特別養護老人ホーム等へ入所するには至らない程度の避難者と、その家族の支援者1名程度となっています。一方、特別養護老人ホーム等の入所者は、当該施設で適切に対応されるべきで、原則として福祉避難所の対象とされていません。そこで、お尋ねしますが、特別養護老人ホーム等が被災し、当該施設で入所者が生活を送ることができなくなった場合に、市はこのような方々の避難生活をどのように確保しようと考えているのかお聞かせください。

●髙橋篤副市長 神坂達成議員の御質問の5、豪雨災害等から介護施設を守るためにについて、順次お答えいたします。
まず、(1)社会福祉施設における避難確保計画についてでございますが、社会福祉施設の避難確保計画につきましては、水防法が平成29年に改正され、ハザードマップの浸水想定区域に所在する要配慮者利用施設は、水害を想定し、あらかじめ避難確保計画を定めるとともに、避難訓練を実施することが義務づけられました。本市におきましても、平成30年3月にさいたま市地域防災計画を改定しました際に、さいたま市洪水ハザードマップにおいて、荒川水系の浸水想定区域に所在する248か所の高齢者施設及び22か所の障害者施設を要配慮者利用施設として位置づけ、避難確保計画の作成及び避難訓練の実施を促してきたところでございます。
しかしながら、議員御指摘のとおり、社会福祉施設では夜間のスタッフが手薄になることや、車椅子利用者や認知症の方は、自力での避難は難しいといった課題があることが明らかになっております。そのため、昨年の台風第19号の後、避難確保計画について社会福祉施設に見直しをお願いし、これまでに幾つかの施設において見直された計画を提出していただいております。今後もこうした課題の解決に向け、日頃からの訓練の重要性はもとより、社会福祉施設と共に避難確保計画の見直しや未作成の施設に対する作成の支援等を行ってまいりたいと考えております。
次に、福祉避難所について、①福祉避難所開設に伴う取決めについてお答えいたします。福祉避難所は、高齢者や障害者などの特別な配慮を必要とする要配慮者を受け入れるため、社会福祉施設との協定の締結等により整備しております。災害発生時においては、施設が被災状況や施設職員の勤務状況等に応じて受入れ可能か判断した上で、市の要請に基づき開設いたします。その後、一般の避難所等において福祉避難所への移送が適当と判断された方から、順次移動していただきます。移送につきましては、原則として御家族や地域の友人、知人の方など支援者による移送を想定しておりますが、それらが困難な場合には、受入れ先である福祉避難所の車両や公用車を手配することとしております。福祉避難所への応援人員の派遣につきましては、埼玉県と連携し、災害時に福祉専門職等を派遣する埼玉県災害福祉支援ネットワークを活用してまいります。また、物資、機材の確保につきましては、原則として市が調達に努めておりますが、状況に応じて福祉避難所が確保した物資等を御提供いただき、後日市へ費用の請求をしていただくことも想定しております。なお、各施設が災害時に福祉避難所として速やかに機能するために、福祉避難所開設訓練を市の関係課職員と福祉避難所職員の合同で実施し、災害時の運営方法の共有や協力体制の強化を図っております。
次に、福祉避難所における福祉施設入居者の対応についてお答えいたします。議員御指摘のとおり、特別養護老人ホーム等が被災し、入所者が当該施設で生活できなくなった場合、その後の生活の確保は大変重要な問題であると認識しております。各施設の設備状況や入所者の状態等は様々であり、それぞれの状況を考慮した避難方法等を検討しなければなりません。また、災害時に緊急避難先として協力できる施設への依頼等を日頃から検討し、計画やマニュアルに定めておいていただくことが重要となっております。特に水害につきましては、水防法の規定により、浸水想定区域内の施設は避難確保計画の作成、市への報告及び計画に基づいた避難訓練の実施等が義務づけられておりますので、市は施設に対しその旨を周知し、指導しているところでございます。その際、報告された計画につきましては、避難先が浸水想定区域に当たらないか、避難方法は適切かなど、実際に水害が起きた場合に適切な対応ができるように指導、確認しているところでございます。また、令和元年台風第19号におきまして、避難警報及び避難確保指示を受けました高齢者施設が実際に行った参考となる取組事例をホームページに掲載し、全ての事業者に情報共有ができるよう紹介しております。災害が発生した場合、様々な施設に入所している方々の生活を確保することは大変重要でありますことから、各施設に対しまして、今後も引き続き適切な指導を行ってまいりたいと考えております。

●神坂達成議員 1点、再質問させてください。
例えば老人ホームが被災した。水が上がってしまった。こういったときに、では福祉避難所に行こうと思ったら、福祉避難所では受入れませんよと。横のつながりや自分たちで何とかしてねというのが、今市のスタイルだと思います。だけれども、そういったところは、に福祉避難所として開設される可能性がありますね。そうなったときに、では本当にここの人たちはどこに行けばいいのか、どこに避難すればいいのかというのは、最大の問題になると思います。特に認知症があるグループホームであるとか、急に場所を変えるとパニックになってしまったりとか、それで避難をためらってしまうことがあると思いますけれども、具体的に市はそこまで計画は立てているのか、指導できているのか、1点お聞かせください。

●髙橋篤副市長 神坂議員の再質問にお答えさせていただきます。
直近では昨年の台風によりまして、近隣市の施設は大分水害を受けたということもありますので、私どものほうといたしましては、先ほど申し上げましたように応援をいただけるような施設、それについては水の出ないところでの施設があるかとかということを含めて、計画の見直しについては、私どもも一緒に考えさせていただきたいと思っております。

●神坂達成議員 実際に熊本県の球磨村で被災した老人ホームは、年2回の避難訓練をしていた。そして、計画も立てていた。その中で、こういった被害が起きたわけでございます。しっかりとこの辺についても、今後さらに取組を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。