3.見沼通船掘公園の建設促進について
(1)用地買収について
(2)今後の事業展開について
(3)見沼通船掘公園のコンセプトについて
(4)公園建設にむけた事前の対応について
○神坂達成議員 第3、見沼通船堀公園の建設促進について伺います。見沼通船堀公園の建設は、都市計画決定されて以来、公園用地買収に20年を超える年月がかかってきました。これに関連して、復元が進められてきた見沼通船堀は国の史跡指定を受け、公園建設に先行して復元が図られました。特に夏に行われる閘門開閉実験には、市外から2,000人を超える見学者が訪れており、見沼通船堀を中心とした歴史公園として早期完成が望まれているところです。平成22年9月議会において、この公園の今後の取り組みについてただした我が会派の上三信議員に対し、五味副市長は今後の事業については平成24年度までに用地買収を終わらせ、平成26年度までに整備を完了し、平成27年度の開設を目指しておりますと答弁をされていました。そこで、今後の経過などについて何点かお伺いをします。
1点目、答弁では用地買収が終了する予定が本年度でありますが、現状の買収状況についてお知らせください。
今後の事業展開について。ここまで来れば、すべての用地買収が済まなくても事業化は可能ではないかと考えますが、見解を伺います。
見沼通船堀公園のコンセプトについて。この公園は、JR東浦和駅に近く、交通アクセスや見沼田圃への玄関口として格好の場所です。特に見沼通船堀は、江戸時代の見沼干拓時代の歴史を伝えるものであり、利根川からの取水に始まる見沼代用水の建設、見沼田圃及びその周辺から江戸への農産物の供給など、内陸水運としての利用が図られてきた貴重な歴史遺産でもあります。また、この地域は古来からの遺跡に始まり、周辺に点在する寺院、寺社などの文化財が数多くあり、これらも視野に入れた見沼の歴史公園として位置づけをすべきと考えます。
さらに、東浦和駅から見沼田圃への玄関口として位置していることから、見沼を取り巻く歴史、環境の変遷や見沼田圃開拓に関連する史跡の保存、復元により、見沼全体の姿を知ることができる施設とすることも可能であり、都市に失われつつある交流と憩いの場、環境教育の場など、住民やここを訪れる人たちにとって、潤いと安らぎを感じる公園への期待が高まっております。そのうえで、周辺の状況を見たとき、第一調整池と機能面での違いはあるものの、見沼通船堀公園と第一調整池、民間をも含めた一体的な活用を視野に入れるべきであり、そのために芝川沿いや見沼代用水からのアクセスの改善、充実を検討すべきと考えます。例えば第一調整池は見沼の自然、見沼通船堀公園は見沼干拓から昭和30年代までの見沼田圃をイメージできる公園等です。ぜひ見沼田圃の歴史と見沼通船堀を伝える歴史公園として早期建設を望むものですが、整備に当たって公園のコンセプトと今後の対応を伺います。
今後の公園建設に向けて進めていくうえで、事前に対応を進めなければならないことがあります。1点目は、現在暫定使用されているグラウンドとドッグランであります。ドッグランについては、使用上の問題などについて周辺住民から苦情もあるようで、他地域への移転の問題。2点目は、グラウンドの他地域への確保です。この問題は、公園課だけでは解決が難しいと思います。これらの対応はどうなっているのか、お伺いをいたします。
○蓜島豊志都市局長 御質問の3、見沼通船堀公園の建設促進についてお答えをいたします。
見沼通船堀公園は、本市の中央部に広がる見沼田圃の南端部、JR武蔵野線、東浦和駅の東側、約200メートルに位置し、見沼田圃の豊かな自然を生かし、国指定史跡見沼通船堀と見沼の斜面林を計画的に取り込んだ公園として計画され、平成2年から準備を進めている面積約13.2ヘクタールの総合公園であります。現在までに、見沼通船堀周辺の斜面林約0.6ヘクタールを竹林公園、竹ですね、竹林公園として開設するとともに、約4.7ヘクタールをグラウンドやドッグランとして暫定的に整備し、市民の皆様に利用されております。
御質問の 用地買収につきましては、事業地内における地権者との交渉を通じ、事業への協力を得られた方から順次土地の取得を行っており、平成23年度は1,108平方メートル、今年度では約722平方メートルの土地を取得する予定でございます。なお、平成23年度末時点で約12.1ヘクタールの用地を確保しており、進捗率は約87%でございます。
次に、今後の事業展開についてお答えをいたします。事業計画については、平成23年3月に事業施行期間延長の認可を受け、平成28年度の開設を目指しております。未買収地について、地権者それぞれの御事情等もあり用地買収がおくれておりますが、できるだけ早く事業協力が得られますよう努めてまいります。また、さきにお答えしましたとおり用地買収進捗率も高くなっていることから、一団の用地がまとまって確保でき次第、一部開設に向けた整備についても検討をしてまいります。
次に、見沼通船堀公園のコンセプトについてお答えをいたします。見沼通船堀公園につきましては、平成元年度に基本構想、平成16年度に基本計画を策定しております。その中で、見沼通船堀公園の基本方針として見沼の歴史を伝え、当時の見沼田圃や見沼通船堀に触れられる場、さらに見沼田圃の多様な湿地環境を再生し、よみがえってくる生き物たちとの触れ合いの場などとして公園のコンセプトを設定しております。議員御指摘のとおり、計画を策定してから時間が経過しており、その間に社会経済情勢は大きく変化をしております。あわせて都市公園に求められるニーズも変化をしてきており、その多種多様なニーズに合わせた整備内容の見直しも必要であると認識をしております。そこで、今後は有識者などから意見を伺いながら、現在のニーズに即した公園整備に向けての検討を行ってまいります。
次に、公園建設にむけた事前の対応についてお答えをいたします。見沼通船堀公園において暫定的に利用されているソフトボール場やサッカー場、ドッグラン等の施設は、現在の見沼通船堀公園の整備計画には位置づけられておりません。公園整備に向けましては、グラウンド施設は見沼田圃内に位置し、土地利用に関して一定の制限がかかることから、見沼通船堀公園の全体的な整備内容の見直しとあわせ、移転も含め検討をしてまいります。
また、ドッグランにつきましては公園内におけるドッグランの実証実験の場として位置づけられていることから、本年9月に策定いたしました公園内に設置するドッグランの基本方針、これに基づきまして検討をしてまいります。
以上でございます。
○神坂達成議員 終わります。