会議:平成29年6月定例会 / 開催日:2017-06-14 / 役職:議員(本会議) / 出典:さいたま市議会 会議録検索システム
福祉コンシェルジュ制度の創設
◆神坂達成議員 公明党さいたま市議会議員団の神坂でございます。通告に従いまして、順次御質問させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、まず1点目、福祉コンシェルジュ制度の創設について伺います。平成26年、さいたま市は高齢化率が21%を超え、超高齢社会に突入しました。高齢化の進展に伴い、福祉行政に対するニーズはさらに高まっています。しかし、一口に福祉と言っても、高齢者福祉、障害者福祉を初め、そこには年金、医療、介護などが複雑に絡み合っています。
まずは、こちらをごらんください。これは、本市における福祉関連の対象者数をまとめたものです。まず、介護保険第1号被保険者では、10年間で14.42%増加、要支援、要介護認定者では16.21%の増加、65歳以上のひとり暮らし高齢者数は、わずか3年間で13.66%増加しています。さらに、身体障害者手帳保持者では、10年間で12.58%増加、療育手帳保持者では15.69%増と、軒並み高い伸び率となっています。今後2025年に向け、さらなる増加が予期される一方で、増大し、複雑化する福祉ニーズにどう寄り添っていくべきなのでしょうか。
現在の公的福祉サービスは、高齢者や子供などの対象者ごとに制度化され、サービスが提供されてきました。しかし、各制度の成熟化が進む一方で、既存の縦割りのシステムには課題が生じ、制度が対象としない生活課題への対応や複合的な課題を抱える人、世帯への対応に限界が生じ始めています。私は、これらの課題を調査するため、全国で初めて福祉コンシェルジュ制度を導入した名古屋市に視察に行ってまいりました。
この福祉コンシェルジュは、福祉に精通した担当者が市民の相談内容をしっかり聞き取り、わかりやすい言葉で、適切な制度や窓口を案内する目的で創設されました。主な業務としては、窓口における相談や案内、各種申請書類の記載案内、各区役所内における関係課への案内、関係専門機関や地域包括支援センターとの連絡調整などとなっています。対応件数では、区の平均で月900件に上り、日に換算すると50件という膨大な仕事量となっていました。中でも驚いたのは、福祉コンシェルジュの市民に対する積極的なアプローチでした。視察をする前は、椅子に座って、相談者さんはこちらまで的なことをイメージしていましたが、みずからが福祉関連フロアを歩き回り、本日はどうされましたかと明るく声をかけられていたことです。この積極的な声かけによって、混雑時の待ち時間の短縮や、誤った窓口に並んでしまい、また一から並び直すというようなこともなくなり、複数の分野にまたがる課題を抱えた市民にとって、相談窓口や手順が明確に示されるようになったと、その効果を教えてくださいました。私は、てきぱきと働く福祉コンシェルジュを拝見しながら、こんな方がさいたま市にいてくださったらいいのになと思ってしまいました。
さて、こちらをごらんください。これは、名古屋市が福祉コンシェルジュを利用された388人へのアンケート調査結果です。設問は2問で、福祉コンシェルジュの対応はいかがでしたかでは、93.8%の方がよかったとしています。また、福祉コンシェルジュは市民サービスの向上を図るために必要だと思いますかでは、93%が必要と回答しており、その好評ぶりがうかがえます。ですが、課題がないわけでもありません。福祉コンシェルジュには幅広い専門知識が求められるため、人材の確保や、そのお人柄はもちろんのこと、制度変更などに伴う継続的なフォローアップが必要となります。また、市単費事業のため一般財源の投入が必要になることです。しかしながら、名古屋市では制度創設3年目にして、全16区の福祉課への配置を推し進めました。今後についても、支所におけるサービス拡大を目指し、ニーズ調査や効果を検証するとしています。
本市においても、福祉行政の未来を展望するとき、市民に寄り添う福祉コンシェルジュの存在は、重大な役割を担ってくるものと思われます。本市においても先進市に学び、福祉コンシェルジュ制度を創設すべきと考えますが、見解をお聞かせください。
◎清水勇人市長 神坂達成議員の御質問の1 福祉コンシェルジュの創設について、(1) 増大し複雑化する福祉ニーズに対応するため、福祉コンシェルジュ制度を創設すべきではないかについてお答えしたいと思います。
議員御指摘のとおり、高齢者はもとより障害の手帳保持者や介護保険サービス利用者数は、年々増加しているところでございます。また、世帯全体で複合的な課題を有している場合や、障害のある生活困窮者、若年性認知症、難病疾患の方など、最近の福祉に関する相談は、複雑また困難化しており、包括的に受けとめて必要なサービス等に適切につなげる福祉コンシェルジュのようなコーディネーターの配置や、総合的な相談、支援窓口の設置は、重要なことと認識しております。
本市におきましては、現在生活保護に至るおそれのある生活困窮者のための相談窓口として、各区に生活自立・仕事相談センターを設置しまして、相談支援員が生活困窮者の複合的な課題に応じまして、支援プランを策定の上、支援を実施しております。また、他の制度を利用することで自立を見込める方には、関係機関への案内、あるいは連携して支援を行うなど、コーディネートも行っております。これらの支援を包括的、継続的に行うことで、生活困窮状態からの早期脱却を目指しております。しかしながら、制度の導入部分が経済的困窮者であるため、福祉全般とは言えず、一部の限定した事業と考えられます。
現在国では、高齢者、障害者、また子供、生活困窮者等全ての人々が地域で暮らし、生きがいをともにつくり高め合う地域共生社会の実現を提唱し、そのために介護保険法、また社会福祉法等の各種法令の改正、また補助事業が創設され、地域共生社会の実現に向けた取り組みを進めているところであります。また、核家族化や単身世帯の増加など、地縁、血縁関係の希薄化は、今まで果たしてきた地域の課題解決力を低下させ、その結果、日常生活に不便を来しながら、相談することもなく孤立化し、また従来の縦割りの行政サービスでは対応できない課題を抱えた市民も増加することを危惧いたしております。また、さらに福祉の相談に行きたくても、自分の欲するサービスを相談できる窓口がどこにあるかわからず、行政につながらないことで問題が複雑、困難化している場合も考えられます。そのため、国は地方公共団体に対しまして、地域の力をつけて地域課題を自分のこととして解決を試みる体制の整備、また複合的な課題を丸ごと受けとめて対応していく包括的相談支援体制の構築等を求めています。
私は、不安な気持ちを抱きながら福祉の相談に訪れた市民の方が、同じような説明を窓口ごとに何度も説明するということではなくて、職員がその方の気持ちに寄り添いながら、効率的に適切なサービスにつなげることが大切であるということで、常日ごろからこういった福祉の総合的な窓口ということについて、以前から大変重要な関心を持っていたところもございました。包括的な相談支援体制の構築には、福祉制度に精通し、相談対応能力にたけた人材の確保、あるいはその育成、組織体制を整えるための調整等の課題もありますことから、今後他都市の状況を調査し、その中で議員御指摘の福祉コンシェルジュ的な機能を含め、包括的な相談、支援を提供する体制を整えてまいりたいと考えております。
いずれにしましても、議員から御指摘いただきました福祉コンシェルジュは大変重要な視点であると思っております。さいたま市が、これから区役所等のサービスを改めて再構築していく中で、大変重要な視点であると考えておりますので、今後これら課題も踏まえながら検討を進めていきたいと考えております。
就学援助制度における新入学用品費の前倒し支給と単価増額
◆神坂達成議員 私の質問を深く理解した上で、大変に力強い御答弁をいただきました。地域共生社会実現のため、一日も早く実現していただきたいと申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
2番目に移ります。就学援助制度における新入学用品費の前倒し支給についてお伺いいたします。私がこのテーマを本会議で取り上げるのは、2度目でございます。そもそもこの新入学用品費は、学校に行くための準備費用であり、何かと物入りになる入学前に支給してこそ意味があると主張してまいりました。また、我が会派としても、上三信団長の代表質問を初め、一貫して前倒し支給の実現を求めてきたところです。
さきの12月議会では、我が会派の吉田一志議員の質問に対して、平成29年度からは現行より2カ月前倒しして支給を行うとの姿勢が示されました。あわせて、新入学の準備をするためのものですので、入学前に支給することについても、3月に支給できるよう研究していくとの答弁がなされました。
そこで、お伺いいたします。現在、入学前に支給することについてどのような検討がなされているのかお聞かせください。
また、4月に文部科学大臣が行った会見では、入学準備金については要綱等の整備を行ったので、来春入学を予定している小学1年生から援助が行えるようになるとの発言がございました。これを受けて、教育委員会としてどのような御対応を考えているのかお聞かせください。
重ねて、就学援助制度における新入学用品費の単価の増額についてお伺いいたします。今年度の国の予算では、要保護世帯の就学援助費用のうち新入学児童生徒の新入学用品費の補助基準額が、約2倍に引き上げられました。これに伴い、準要保護世帯にも国の引き上げ額を適用している自治体もあると聞いております。本市においては、現在どのような対応がなされているのか。また、引き上げを行っていないのであれば、引き上げた額を適用すべきと考えますが、見解をお聞かせください。
◎稲葉康久教育長 神坂達成議員の御質問の2 就学援助制度における新入学用品費の前倒し支給と単価増額について、(1) 就学援助制度における新入学用品費の前倒し支給と単価の増額についてどのように考えているのかについてお答えいたします。
新入学用品費につきましては、今まで7月に支給をしてまいりましたが、議会での御指摘、あるいは対象となる保護者の御負担等を考慮いたしまして、今年度につきましてはその時期を5月に早め、小中学校の新1年生の保護者に支給をさせていただいたところでございます。
御質問の新入学用品費を入学前に支給することにつきましては、文部科学大臣の発言以前から検討を始めておりまして、現在その申請時期であるとか、小中学校入学予定者をどのように把握していくかであるとか、その方法について検討してまいりました。現在、小学6年生である中学校入学予定者の保護者につきましては、来年度の入学を待たずに今年度中に支給できるよう、その準備を進めているところでございます。小学校の入学予定者の保護者につきましては、入学前の該当者を把握する必要がございまして、その管理をするためのシステム改修を本年度末までに行う予定でございます。そして、平成31年4月の入学生から、入学前の支給の実施を目指してまいりたいと考えております。
次に、新入学用品費の単価の増額についてでございますが、平成29年3月31日に文部科学省の要保護世帯に対する新入学用品費の補助基準額が引き上げられたところでございます。本市の就学援助制度における支給額は、国庫補助基準額を参考にして、さいたま市就学援助要綱において定めているところでございます。したがいまして、準要保護世帯の新入学用品費の増額につきましても、その財源の確保であるとか、事務処理等の調整を今後進めてまいりたいと考えております。
◆神坂達成議員 ありがとうございました。
そうしますと、平成30年度からは3月に中学生に支給をしますと、小学新1年生については平成31年から支給を開始しますということでよろしいのでしょうか。
また、単価につきましては、現在さいたま市は小学生ですと2万470円、国が示しているのは4万600円で、中学生は今さいたま市が示しているのが2万3,550円ですけれども、それが国の基準に倣って4万7,400円になるということでよろしいでしょうか、再質問でございます。
◎稲葉康久教育長 神坂議員の再質問にお答えいたします。
今準備を進めておりますのは、中学校入学予定者につきましては、平成30年4月の入学予定者に支給できないかどうか準備しています。小学校につきましては、システム改修等がございますので、平成31年4月の入学生を対象に、前倒し支給ができないかどうかを準備しているところでございます。
あと額でございますが、今までも私どもは国の示す国庫補助基準額を参考に定めてきておりましたので、今その基準額に合わせるような形で要綱等の改正の準備をしているところでございます。
◆神坂達成議員 もう一点お聞かせいただきたいのですけれども、今回文部科学大臣が示したのは、3月31日だったと思います。そうしますと、今年度の4月1日に入学された子たちにも権利はないのかなということをお聞きしたいと思いますけれども、あるかないかでも結構です。不足分に対しての支給があるかないかということです。
◎稲葉康久教育長 神坂議員の再々質問にお答えいたします。
今までも額の改定があったときに、今年度分について遡及していいかどうか今御答弁できませんので、要綱上の設定をもって、きちんと支給させていただきたいと思います。
子供の命を守る防災対策(防災頭巾から防災ヘルメットへ)
◆神坂達成議員 ありがとうございました。本当に、今後さらなる推進がされることを望み、次の質問に移りたいと思います。
3番目に移ります。子供の命を守る防災対策についてお伺いいたします。東日本大震災以降、本市においても加速度的に学校等の耐震化が進められてきました。しかし、熊本地震では耐震化が完了していた小学校の普通教室において、構造部材の破損や非構造部材の落下という事実が多数発生しました。耐震化によって建物の倒壊は回避されましたが、老朽化による安全対策の必要性が浮き彫りとなりました。この状況は、さいたま市においても同様ではないでしょうか。そこで、今回は構造部材や非構造部材の落下から、子供たちの命をどのように守っていくのか、お伺いさせていただきます。
現在、さいたま市の児童たちにとって最も身近な防災グッズと言えば、防災頭巾です。学校においても、入学準備品として防災頭巾の購入を推奨し、保護者が自己負担で購入しています。そもそもこの防災頭巾は、太平洋戦争末期に用いられた防空頭巾を原形としたもので、火の粉や軽微な爆風から頭部を保護するために用いられてきたという歴史があります。しかし、防災頭巾はヘルメットに比べ落下物への有効性、強度が不足しているという致命的な欠陥があります。文部科学省が開催した地震防災研究を踏まえた退避行動に関する作業部会では、委員より、「防災頭巾は地震には頭を保護するものではないことが科学的に明らかにされています。それでも日本では、今もなお昔からの習慣によって、子供たちに防災頭巾を与え続けているのです。このような環境を変えていかなければ、助かる命も守れません」と喝破されています。
私は、この課題を調査するため、先進的に取り組まれている横浜市へ視察に行ってまいりました。横浜市では、平成26年度から市立小学校、特別支援学校の1年生を対象に折り畳み式ヘルメットを貸与し、6年間で全児童へ配備を目指す取り組みを開始しております。また、平成29年度からは折り畳み式ヘルメットから防災ヘルメットに変更がなされました。
こちらをごらんください。これが実際に横浜市で貸与されているヘルメットと、下の段が椅子の下に収納した写真です。折り畳みヘルメットから変更された理由としては、これまでに課題とされてきたヘルメットの収納場所について、新たに収納ケースを開発し、椅子の下に防災ヘルメットを装備することにより、子供たちが発災と同時に装着できるよう取り組んだ創意工夫の結果と言えます。気になるヘルメット1個当たりの落札単価は1,836円、開発した収納ケースが500円とのことで、本市で新1年生に配付した場合を試算すると、約2,640万円ということになります。昨年、さいたま市は国から広域防災拠点都市として位置づけられました。そのさいたま市が、先頭に立って児童の防災対策を推し進めるべきではないでしょうか。
そこで、お伺いいたします。本市の防災頭巾に対する安全性への御認識と、児童への防災ヘルメット導入に対する見解についてお示しください。
◎細田眞由美副教育長 神坂達成議員の御質問の3 子供の命を守る防災対策について、(1) 大規模災害の発生に備え、子供の防災力向上のため、防災頭巾から防災ヘルメットに政策転換すべきではないかについてお答えいたします。
教育委員会では、子供の命を守る防災対策といたしまして、自分の身を守る自助、みんなと協力して助け合う共助の態度を子供たちに育成することが大切であると考えております。学校では、災害時の落下物から子供たちが自分で自分の身を守れるよう、物が落ちてこない、倒れてこない、移動してこない場所に素早く身を寄せる訓練等を行っているところでございます。
御質問の防災頭巾に対する安全性への認識についてでございますが、防災頭巾は地震や火災の災害時に、頭から肩にかけて軽量の落下物からの衝撃を吸収する効果があり、また頭髪や頭皮等を炎から守る防炎効果もございます。しかしながら、重量のある落下物などの過度な衝撃に対して、防災頭巾では対応し切れない場合があることは、課題であると捉えております。
次に、児童への防災ヘルメット導入に対する見解についてでございますが、災害時に落下物から子供たちの頭部を守る対策として、防災ヘルメットは有効な用具であると認識しております。現在、既に防災ヘルメットを導入している自治体からの聞き取り調査を進めるとともに、実際に防災ヘルメットを取り寄せて、児童が使用する際の問題点等について研究を行っているところでございます。こうした調査研究の過程におきまして、児童の実態に合った防災ヘルメットの形状や教室内での保管方法など、検討を要する点も見受けられております。このことから、今後経費負担のあり方も含め学校現場の意見も聞きながら、引き続き研究してまいりたいと考えております。
自転車通学における許可条件(ヘルメット着用の義務づけ)
◆神坂達成議員 政策転換に向けて、大きな一歩を踏み出していただいたと感じさせていただきました。いつ起こるかわからない災害に向けて、子供の命を守る防災ヘルメットが一刻も早く配備されますことを念願申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
4番目、自転車通学における許可条件についてお伺いいたします。私は、これまで自転車のまちさいたまのあるべき姿として、子ども自転車運転免許制度の全校実施や、中高生へのスケアード・ストレイト教育技法を用いた自転車安全教室の開催などについて提言を申し上げてまいりました。本日は、新たなる視点で質問させていただきたいと思います。
まず、こちらをごらんください。こちらのデータは、公益財団法人交通事故総合分析センターが発表している年齢層別千人当たりの自転車事故頻度をグラフ化したものです。ごらんいただいて一目でおわかりいただけると思いますが、中学生13歳から15歳及び高校生16歳から18歳の自転車事故頻度が、シニア層の4倍から5倍以上であることがわかります。また、高校生の事故率は、全体の3.3倍と突出しています。
続いて、こちらをごらんください。民間シンクタンクが人口1万人当たりの中高生の事故人数を都道府県別にランキングしたものです。上位は、いずれも地方都市であり、自転車通学が盛んな地域です。その中にあって、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県を比較すると、埼玉県のみが上位にランクインしている事実に驚きを感じるのは私だけでしょうか。
そこで重要となってくるのは、事故に遭遇しないことはもちろんですが、事故に遭ってしまった場合、どのようにして子供たちの命を守るかということです。警視庁の資料によると、平成27年度中の自転車事故による死亡者数は572人、うち死因となった損傷部位別で見ると、頭部が60.7%で多数を占めています。近年、幼児のヘルメット着用率は保護者の意識改革により高まっていますが、中高生のヘルメット着用は皆無と言わざるを得ません。
私は、これらの課題に対し、先進的な取り組みを行っている愛媛県へ調査に行ってまいりました。愛媛県では、平成27年7月から59校の県立高校で自転車通学者に対し、ヘルメット着用を義務づけました。制度導入に当たっては、実際に着用する高校生の意見を広く聞き、スポーツタイプのヘルメットが選ばれました。生徒たちからは、デザイン面も含め評価が高く、これならかぶりたいという声も大きく上がったとのことで、現在では県立高校のみならず県内の国立、私立を含めた全校へと広がり、着用率も実に100%となっています。
こちらをごらんください。こちらは、県立松山北高校にお伺いして撮影してきた登校風景です。懇談した校長先生は、当初制度導入に当たって、半分くらいの生徒が着用してくれればいいかなと思っていたそうで、正直100%となる着用率に驚いたと、その心情をお話ししてくださいました。この写真のほかにも、町なかで多数の高校生と遭遇しましたが、ヘルメットを着用していなかった生徒は一人もいませんでした。また、制度実施以降、県のホームページでは、自転車と自動車の重大事故が10件報告されていますが、いずれもヘルメットをきちんとかぶっていたため命を守ることができた実例を公表しています。また、御説明をいただいた県教育委員会の方からは、実際に事故に遭った女子高生から知事に寄せられたメールを教えていただきましたので、御紹介したいと思います。
私は、◯◯高校の3年生です。先日、自転車で登校中、車と接触事故を起こしてしまいました。顔からこけてしまったのですが、ヘルメットのおかげで頭を守ることができました。目の部分は少し傷を負いましたが、ヘルメットの前のつばのおかげで、地面に直撃したにもかかわらず鼻や頬は無傷でした。愛媛県がヘルメット着用を義務づけてくれたために、私は重いけがをせずに済みました。これなら受験もできます。本当にありがとうございます。実は、私はヘルメットをつけるのが好きではありませんでした。しかし、自分が経験したからこそヘルメットの重要さを身にしみて実感しました。これは、2017年1月6日、原文のままお伝えさせていただきました。
本市でも、学区の広い中学校では、各中学校の校長の判断で、ヘルメット着用を条件に自転車通学を許可しているというお話を伺っております。しかし、市長、そして教育長、さいたま市は自他ともに認める自転車のまちです。であるからこそ、子供たちの安全を学校長任せにするのではなく、市として事故遭遇率が最も高い中学生、高校生へ自転車通学時のヘルメット着用を義務づけるべきではないでしょうか。
また、通学時に限定するのではなく、ふだんからヘルメットの着用を働きかけるべきではないでしょうか。当然に、異論や反論も噴出するでしょう。しかし、変化を恐れていては進化はありません。子供たちの未来を大人が責任を持って守っていくべきです。本市の見解をお聞かせください。
◎細田眞由美副教育長 神坂達成議員の御質問の4 自転車通学における許可条件について、(1) さいたま市は自他ともに認める自転車のまち。市として、事故遭遇率が最も高い中学・高等学校生へ、自転車通学時のヘルメット着用を義務づけるべきではないか。また、通学時に限定するのではなく、ふだんからヘルメットの着用を働きかけるべきではないかについてお答えいたします。
中学・高等学校の生徒の自転車乗車中の交通事故防止につきましては、教育委員会といたしましても重要であると認識しており、事故防止のためスケアード・ストレイト教育技法を用いた交通安全教室や登下校指導を実施し、生徒の交通安全意識の向上やマナーアップなど、交通安全教育に積極的に取り組んでいるところでございます。
御質問の自転車乗車時におけるヘルメット着用につきましても、万が一事故に遭遇した際に、頭部の損傷を防ぐために有効であると認識しております。中学・高等学校の生徒の自転車通学時におけるヘルメット着用の義務づけについてでございますが、中学校につきましては、自転車通学の許可条件にヘルメットの着用を盛り込んでおり、現在では自転車通学を許可している全ての中学校で、ヘルメット着用が義務づけられております。
高等学校につきましては、現在市立4校のおよそ6割の生徒が、通学手段として自転車を利用しております。自転車通学を希望する生徒に対しては、保護者連署の誓約書の提出を求めております。その内容といたしまして、ヘルメット着用の義務づけはしておりませんが、道路交通法の遵守、安全確保のために行う定期的な車体の点検や整備、許可した場合に発行されるステッカーの貼付等が条件として記載されております。また、各高等学校では、交通安全に関する指導に力を入れており、教育指導計画に位置づけられた交通安全教室や、教員による街頭指導などを通し、自転車乗車時における安全の確保及び意識の向上に努めているところでございます。
教育委員会といたしましては、引き続き各高等学校に対し生徒への安全指導の充実を呼びかけていくとともに、自転車通学の許可条件としてのヘルメット着用の義務化につきましては、埼玉県や他の政令指定都市の動向を注意し、高校生の心身の発達段階を考慮した指導のあり方や、生徒、保護者の意識醸成などの課題を加味しながら、その可能性について研究してまいります。
次に、ふだんからヘルメット着用の働きかけについてでございますが、中学・高等学校で実施しているスケアード・ストレイト教育技法を用いた交通安全教室におきまして、今年度からヘルメットの着用に関する指導を重点の一つに位置づけて、必ず指導をするようにしております。具体的には、スタントマンが交通事故を実演し、その後ヘルメット着用の有用性について指導することで、受講した生徒がみずからの命を守る手段としてのヘルメット着用の重要性について実感ができるように指導しているところでございます。
教育委員会といたしましては、このような取り組みにより、今後も引き続き生徒にヘルメット着用の重要性を伝えるとともに、警察や交通安全協会等の関係機関とも連携を図り、交通安全教育の充実に努めてまいります。
高校生の自転車通学許可とヘルメット(再質問)
◆神坂達成議員 1点、再質問させてください。
ただいま御答弁では、スケアード・ストレイト教育を通して、ヘルメットの着用の重要性について実感していく指導を重点的にしているのだという御答弁がございました。それは、とりもなおさず教育委員会がヘルメット着用の重要性を十分に認識しているからということのあかしだと思います。しかし、一方で自転車通学を希望する生徒への誓約書については、ヘルメット着用をスルーしてしまう。そこには教育委員会の自己矛盾があるのではないでしょうか。言いかえれば、高校生はもう大人だから、自分で責任をとりなさいと、何とかしなさいということの、教育委員会としての責任の放棄には当たりませんか。ここについてお聞かせいただきたいと思います。
◎細田眞由美副教育長 神坂議員の再質問にお答えいたします。
スケアード・ストレイト教育技法を用いました安全指導につきましては、大変効果がございます。私は、それを実感しているわけでございます。高等学校の生徒の発達段階等を考えますと、交通安全教室の実施については、高等学校の教育の中で一般的に社会に出るための、一社会人、一市民として市民生活を送るための最終的なトレーニングの場という捉え方がございます。そういった面から、安全な市民生活を営むためにさまざまな教育活動の中から、自主的に自分自身の身の安全を守るすべについて学んでいくことが大変重要だと考えております。
したがって、自転車通学許可書を発行する際に、道路交通法の遵守を必ず誓約書の中に盛り込んで、その遵守ができるように保護者との連名で申請書を出し、許可をしているところで、自己矛盾はないと考えております。
◎細田眞由美副教育長 スケアード・ストレイト等の安全教育においては、ヘルメットの着用は重要であると考えておりますが、繰り返しの答弁で大変恐縮でございますが、そのことを自転車通学の許可の中に盛り込むかどうかということにつきましては、高校生の発達段階、それから生徒、保護者の意識等から鑑みまして、そのことを許可条件の中に盛り込むことについては、現時点ではその必要はないと考えているところでございます。
◆神坂達成議員 私が聞いているのは、それが責任転嫁に当たるのではないかと、道路交通法を守ればいいのだと、私たち学校は知らないよということになりませんかということです。
◎細田眞由美副教育長 また繰り返しになって恐縮でございますが、小学校、中学校の義務教育の場合における教育活動と、それから高等学校の教育活動については、ある意味線引きをしていく必要があると思っております。
ヘルメット着用の重要性については、高等学校の生徒に繰り返し教育活動の中で伝えながら、保護者を含め、彼らがみずからその必要性を考えていただいて、それを自分で着用していく生徒が多々出てくることは大変重要だと思います。
ブックシャワー(書籍消毒器)の設置
◆神坂達成議員 ありがとうございました。また次回の機会に回したいと思います。
それでは、次に移ります。ブックシャワーの設置についてお伺いいたします。さいたま市は、政令市になって以来、市民1人当たりの図書貸し出し数が政令市の中で日本一となっています。活字離れが叫ばれる中、文教都市として誇らしい限りです。そんな本市であるからこそ、利用者がより快適に図書館をお使いいただけるような取り組みが必要だと考えます。
今回この質問は、ある御婦人と図書館について懇談していた折、絵本を借りるときなど衛生上心配なので、必ず拭いてから子供に渡していたとの言葉に端を発しています。早速、私の周りの子育て世代の方に同様の質問をしてみると、複数の方からアルコール除菌シートなどを使って書籍を利用していることを知りました。理由を尋ねると、絵本などに付着したインフルエンザやノロウイルスなどの感染が心配、また本に付着した髪の毛やにおいが気になるといった声もお聞かせいただくことができました。
そこで、私は他都市がどのような取り組みをしているのか調査しました。その結果、そこでわかったことは、全国各地の図書館で書籍消毒器を設置する動きが広まりつつあるということです。こちらをごらんください。実際に設置されている書籍消毒器の写真です。この書籍消毒器は、電子レンジのような形をしており、利用者がセルフサービスで中に入れ、紫外線や送風で本を殺菌、清掃するものです。利用者からは、安心して本を読ませられるようになったとおおむね好評のようですが、一方で反対の意見として、気にしすぎ、過剰に心配する必要はないとの声もあるようです。本市において、書籍消毒器を図書館に導入すべきと私は考えますが、見解をお聞かせください。
◎細田眞由美副教育長 神坂達成議員の御質問の5 ブックシャワー(書籍消毒器)の設置について、(1) 全国の都市では、書籍消毒器を設置する動きが広まりつつあるが、市民ニーズに応じて書籍消毒器を設置すべきではないかについてお答えいたします。
さいたま市の図書館は、多くの皆様に御利用いただいており、市民1人当たりの貸し出し数が政令市で1位となっております。議員から御指摘のとおり、図書館を利用される方の中には、本の衛生面に不安を感じられる方もおられますので、利用者の不安感を取り除くことへの配慮が必要であると認識しております。
現在、本市の図書館では、多くの利用者に気持ちよく御利用していただけるよう、図書に抗菌加工されたビニールコーティングを施し、また返却の際には目立つ汚れや異物の除去に努めております。さらに、汚れが除去できない図書については除籍して買い直しをするなど、資料のメンテナンスを恒常的に行っているところでございます。これらにより、図書の安全性については問題がないものと考えております。
書籍消毒器につきましては、導入が広まり始めたところであり、まださまざまな御意見がございますことから、その性能や費用対効果等について研究を進めてまいります。

