会議:令和1年9月定例会 / 開催日:2019-09-09 / 役職:議員(本会議) / 出典:さいたま市議会 会議録検索システム
ハザードマップのICT化(質問)
◆神坂達成議員 公明党さいたま市議会議員団の神坂達成でございます。本日は、会派を代表して質問させていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、早速ですが、質問に移りたいと思います。
まず1番目、災害に強い社会について、(1)ハザードマップのICT化についてお伺いいたします。私たちは、いつ起きるかわからない災害に備え、自助、共助、公助の連携で災害に立ち向かわなければなりません。しかし、災害と一口に言っても、地震、暴風、竜巻、豪雨、洪水など多岐に及びます。これらの災害に備えるため、さいたま市ではさまざまなハザードマップを作成し、各家庭に配布するなど、きめ細やかな情報提供に尽力されています。しかしながら、内閣府が公表した防災に関する特別世論調査では、ハザードマップを見た人は、わずか全体の30%にとどまっています。平成27年関東・東北豪雨では、常総市などで大きな水害が発生しましたが、後の調査では水害発生時にハザードマップを見られなかった人のうち、ハザードマップ自体を知らないとした人が65%、次いでどこにしまったのかわからない人が約20%となっており、内閣府の調査を裏づける結果となったと同時に、紙媒体によるハザードマップの限界を浮き彫りにしました。
私たち市議団は、今夏、防災に関するプロジェクトチームによる視察を実施いたしました。目的の一つは、札幌市が進めている防災情報のICT化を調査するためです。札幌市で導入された防災アプリ「そなえ」は、市が公表しているハザードマップや避難場所情報についてアプリを作成しています。市民は、みずからの意思でアプリをダウンロードすることで、防災情報を一元的に入手することが可能となります。そのほかにも、多言語機能や防災学習機能など、さまざまな機能が取り入れられていました。同様のアプリは、札幌市のみならず、名古屋市でも運用がなされております。
平成30年、総務省が公表した情報通信白書によると、今やスマートフォンの所有率は75.1%を占めるようになりました。子供から高齢者までの幅広い世代がスマートフォンを活用し、情報を得る時代へと変化しています。複数の防災マップをアプリとしてパッケージ化できれば、日ごろ家にいることが少ない若者や都内通勤者、そして新しくさいたま市に転入してきた人々に対しても、広く情報提供ができると考えます。これらのことから、ハザードマップのICT化を提案するものです。本市の見解をお聞かせください。
ハザードマップのICT化(副市長答弁)
◎日野徹副市長 神坂達成議員の公明党さいたま市議会議員団を代表しての御質問の1、災害に強い社会へ、(1)ハザードマップのICT化についてお答え申し上げます。
ハザードマップの活用につきましては、災害時に緊急的に確認することはもちろん、災害発生前に確認し、備えておくことが重要であると考えております。しかしながら、議員御指摘のように紙で配布しているハザードマップにつきましては、自宅などで確認するのには向いておりますが、外出先に携行するには適さないものというふうな認識を持っているところでございます。
このため、外出先などでもハザードマップを確認できるよう、市ホームページにおいてPDF形式で提供しているほか、タブレットやスマートフォンなどで活用できるよう、さいたま市防災まちづくり情報マップにて配信をしているところでございます。さいたま市防災まちづくり情報マップは、市ホームページにスマートフォンなどでアクセスすることで利用でき、地図を拡大、縮小して表示することはもちろん、スマートフォンなどのGPS機能を活用することで、現在地周辺の災害リスク情報を確認できるほか、住所や施設、地番でも検索ができるため、避難場所付近や避難経路における災害リスク情報も確認することができます。
これまでも、市報やホームページ、出前講座などにおきまして周知してきたところでございますが、より多くの市民の皆様に御活用いただけるよう、現在改定作業を行っている防災ガイドブックにQRコードを掲載するなど、御指摘の内容も盛り込みながら改善を行いつつ、さらなる周知を図ってまいりたいと考えております。
電力の地産地消(質問)
◆神坂達成議員 御答弁いただきました。私どもは、アプリをつくることが目的ではございません。一人でも多くの市民に防災情報を届ける、その思いで今回提案をさせていただきました。今力強い御答弁をいただきましたので、どうぞさらなる推進、啓発のために進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次に移ります。2番、環境に優しい持続可能な都市へ、(1)電力の地産地消について伺います。東日本大震災を契機として、地域で使うエネルギーを地域でつくり出し、効率的に使うというエネルギーの地産地消の取り組みが、多くの自治体で進められております。これらが進む理由として、大規模災害などにより、遠方からのライフラインがストップしても一定の電力を確保することが可能となり、ブラックアウトなどに備えた強靱なまちづくりを推し進めることができますと同時に、環境に優しい持続可能な低炭素社会を実現することができます。電力の地産地消のメリットは、それだけではありません。経済面においても、地域の電力の地産地消が行われた場合、市内で発電された電力を市内で使用することとなり、その対価は市内の使用者から市内の供給者へ支払われます。このため、富の流出が抑えられ、市内に経済循環が発生することとなります。
本年11月以降、10年続いた家庭用太陽光発電の固定買取制度、通称FITが順次終了いたします。資源エネルギー庁によると、2019年から2023年の期間にさいたま市内でFIT満了を迎える予定件数は、1万3,000件から1万4,000件となっています。静岡市では、このタイミングに合わせ、各家庭から電力を買い取り、買い取った電力を小中学校のエアコンなどに使うことで電気の地産地消を推進すると発表しました。FIT切れの電力を市が買い取り、使い道を明確にすることで、市民の市政参画への意識向上にもつなげるとしています。そのほかにも、静岡市では市内の清掃工場でできた余剰電力を庁舎や病院、市内279の公共施設へ送電しています。今やエネルギーの地産地消という考え方は、一地域にとどまるものではありません。新たなるイニシアチブとして、自治体や世界的企業がRE100としての取り組みを加速させています。エネルギーの地産地消は、世界的なトレンドと言えます。
さいたま市においても、ごみ発電や卒FITを活用した電力の地産地消を着実に進めていくことができれば、学校や庁舎、公民館などの公共施設で必要とされる電力を賄うことができると考えます。私たち公明党は、災害に強く強靱で、環境に優しい持続可能な都市を目指していく上で、長期的な視点に基づくエネルギー戦略が必要だと考えます。本市の見解をお聞かせください。
電力の地産地消(市長答弁)
◎清水勇人市長 神坂達成議員の御質問の2、環境に優しい持続可能な都市へ、(1)電力の地産地消についてお答えしたいと思います。
東日本大震災を契機として、電力供給の信頼が大きく揺らぎ、省エネ、節電の取り組みとともに、自立分散型エネルギー社会の構築が求められるようになりました。国におきましては、パリ協定の採択などを踏まえ、地球温暖化対策計画を閣議決定し、2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で26%削減する目標を定めております。また、平成30年7月には第5次エネルギー基本計画が策定され、再生可能エネルギーの主力電源化に向けたエネルギーミックスの実現を進めることといたしております。
議員御指摘の静岡市の取り組みなどは、これらの国の政策を踏まえました再生可能エネルギーの効果的活用の一つであると認識しております。全国的にも電力の自由化に伴い、地域の新電力会社が設立されるなど、地産地消の新たな取り組みが進められております。
本市におきましても、これまで特に東日本大震災が起こった以降、積極的に公共施設、学校、あるいは公有地を活用してメガソーラーの導入など、太陽光発電の設備の導入、あるいは分散型エネルギーを確保していくことについて、美園での特区事業を含めまして積極的に取り組んできたところであります。また、これに加えまして、ごみ焼却施設での発電電力の有効活用の視点から、新たな事業スキームを検討、また構築をして、本庁舎、また区役所、学校、公民館での積極的な、そうした電力の活用を図っていきたいとも考えております。
エネルギーは、平時に限らず災害時でも安定供給できることが重要と考えておりますので、事業スキームの検討に当たりましては、エネルギーセキュリティーの向上、また費用対効果及び再生可能エネルギー導入率向上等を踏まえて検証していきたいと考えております。また、FIT期間満了に伴う対応につきましては、現在個人向け補助事業として省エネ・創エネ機器設置補助事業を実施して蓄電池の普及を推進しているところでありますが、ごみ発電の新たな事業スキームと、いわゆる卒FITへの対策も組み合わせまして、本市が目指すべき電力の地産地消について検討を進めていきたいと考えております。
待機児童ゼロへ誰一人取り残さない社会の実現(質問)
◆神坂達成議員 ただいま市長のほうから、エネルギーの有効活用ということについて力強い答弁が示されたと認識します。ぜひとも今後のさいたま市の未来のあるべき姿として、さらに力強く進めていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、次に3番目に移りたいと思います。子育て支援について伺います。(1)待機児童ゼロへの誰一人取り残さない社会の実現へ。いよいよ10月から幼児教育・保育の無償化が始まります。保護者からは、保育の無償化を待ちわびる声が聞かれます。一方で、保育の無償化を契機に、さらなる保育ニーズの掘り起こしが想定され、待機児童のさらなる増加が懸念されています。
本年4月1日、さいたま市の待機児童数は393人となり、待機児童ワーストランキングにおいて政令市で日本一、全国自治体の中で第3位という不名誉を手に入れました。こちらをごらんください。政令市の待機児童数の一覧となっています。関東近郊の5政令市は条件も近いことから、青く塗っています。待機児童数は、千葉市の4人、横浜市の46人、川崎市の14人、相模原市の8人と比較しても、さいたま市の393人という圧倒的な待機児童数に、ただただ驚くばかりです。
市は、引き続き保育施設整備により保育の受け皿の確保を図るとともに、きめ細やかな相談支援に取り組んでいくとしています。しかしながら、子育て世代にとって子供の預け先がないということは、経済面からも死活問題と言えます。この危機的な状況の中、市長の待機児童に対する姿勢に疑念を抱くのは私だけでしょうか。現に20政令市の中で、前年より待機児童数が増加したのは、熊本市の6名とさいたま市の78名の2市だけです。熊本の震災を考慮すれば、実質増加したのはさいたま市だけとの見方ができます。人によっては、さいたま市の人口増加は著しいので仕方がないと考えるかもしれませんが、さいたま市よりさらに人口が増加している川崎市や福岡市においても、待機児童は減少しています。なぜさいたま市だけ待機児童が増加するのでしょうか。
今求められているのは、何が何でも待機児童をゼロにするという市長の強力なリーダーシップと政治的な手腕です。このままでは、待機児童ゼロを目標とする令和2年度末の達成は絶望的と言わざるを得ません。この状態を放置すれば、子育て楽しいさいたま市ならぬ、子育て苦しいさいたま市とのそしりは免れません。SDGsの誰一人取り残さないとの理念に立脚するとき、市長は待機児童ゼロをどのように進めていこうとお考えなのか、見解をお聞かせください。
待機児童ゼロ(市長答弁)
◎清水勇人市長 神坂達成議員御質問の3、子育て支援について、(1)待機児童ゼロへ、誰一人取り残さない社会の実現へについてお答えしたいと思います。
私は、平成21年の市長就任以来、認可保育施設の整備などに積極的に取り組み、平成21年4月時点現在で1万503人でありました認可保育施設の定員を、この約10年少しでありますが、倍以上となる2万2,671人までふやすなど、待機児童の解消に全力を傾けて取り組んでまいりました。このような中、議員御指摘のとおり本年4月の待機児童が指定都市では1番、また全市区町村でも3番目に多いという結果となってしまったことについて、大変危機感を持って受けとめております。
一方、総務省がまとめた平成30年の住民基本台帳人口移動報告においても、本市は全国で3位となる9,345人の転入超過となったり、あるいは中でも14歳以下の転入超過については全国1位の1,260人となっており、大変ありがたいことに、子育て世代の皆様が多く転入してきてくださっております。
私は、転入してきてくださる皆さんが、本市の強みの一つである東京都心へのアクセスを初めとする交通利便性のよさだけではなく、保育や教育など、子育ての環境に魅力や期待を感じて本市を選んでくださっていると考えております。市民の皆様はもとより、本市への転入を考えている子育て世代の皆様の期待に応え、子育て楽しいさいたま市、また選ばれる都市を実現するためにも、待機児童の解消は最重要課題であると認識しております。引き続き、認可保育所等の整備を中心に、これまで以上に受け皿確保を図っていくことはもちろんでありますが、今市内の幼稚園の皆様に御理解、御協力をいただいて、1日8時間以上、また夏休みなど長期休暇中も開園をしていただいて、子供を預かっていただける子育て支援型幼稚園というものをふやさせていただいたり、これまでも議員等に御提案いただいておりました保育ママ制度、あるいは家庭保育室、ナーサリールームなど、多様な施設による受け皿の確保を図って、待機児童の解消の実現を引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
待機児童の解消時期(再質問)
◆神坂達成議員 1点再質問させていただきたいと思います。
今市長のほうから、待機児童の解消を実現してまいりたいというふうな力強い御答弁がございましたけれども、いつまでに待機児童を解消するのか。ぜひ全市民、全国のみんなに、さいたま市長が待機児童を解消するんだということでの御宣言をいただければと思います。
◎清水勇人市長 令和3年4月に待機児童をなくすという目標を掲げて、今取り組んでおります。
昨年度も計画をして、いろいろ御相談してきてくださっている方々を含めて実現できると思っていた定員確保も、なかなかいろいろ難しい環境があって、計画どおり進んでいないという部分もございます。また、来年度に向けても決して楽観できるものではないと思っていますし、施設をふやすということは、施設をふやすために保育士の確保であるとか、地域の皆さんの御理解であるとか、さまざまな要件が重要でありますが、いずれにしても私たちとしてはそれが実現できるように、しっかりと環境整備をして、また皆さんに御理解をいただけるように努めながら、全力を挙げて待機児童ゼロに向けて取り組んでまいりたいと考えております。
また、あわせて先ほど申し上げましたけれども、認可保育所を、しっかり受け皿をふやしていくということはもちろんでありますが、さいたま市としては認可保育所ということだけではなくて、選べる子育てということを特に重視していきたいとあわせて思っておりますので、引き続き子育て支援型幼稚園を初め、いろいろな子育てをされている方の家庭の方針や、環境や、あるいは子育てについての思いをしっかり受けとめて、それが実現できる体制をつくっていきたいと思います。
賃貸物件を活用した保育施設整備への補助金制度の拡充(質問)
◆神坂達成議員 今市長のほうから、待機児童に向けて解消していく、こんな力強い御決意を示していただきました。
次に移りたいと思います。(2)待機児童ゼロへの施策について、①賃貸物件を活用した保育施設整備への補助金制度の拡充について伺います。さいたま市では、特に待機児童が多い地域を重点地域と位置づけ、保育施設の整備を進めています。しかし、ニーズの高い駅近や住宅密集地などでは用地確保等の問題があり、施設整備が思うように進んでいない現状があります。ですが、駅近や人口増加地域での保育ニーズが高いのは、何もさいたま市に限ったことではありません。横浜市や川崎市などでも同様です。では、なぜ待機児童が減らないのか。理由は、賃貸物件を活用した施設整備に対する補助金が圧倒的に少ないことだと考えます。
こちらをごらんください。さいたま市と横浜市で賃貸物件を活用して、定員90人、予算8,000万円で保育所整備を行った場合で比較してみました。まず、国庫補助については、さいたま市、横浜市ともに同額の2,133万3,000円となっています。大きく違うのは、市の補助制度です。さいたま市の場合、国の保育対策総合支援事業の基準額として266万3,000円を支出します。これにより、事業者負担は5,600万円となります。一方で、横浜市では市独自の補助基準額を設定し、4分の3まで補助する制度となっていますので、横浜市は3,866万7,000円を補助金として支出します。これにより、事業者負担は2,000万円となります。つまり、事業者目線で保育所整備を考えたとき、さいたま市で保育所整備をした場合、3,600万円の費用負担が発生してしまうことになります。事業者にとっては、さいたま市で保育所を整備することに魅力を感じないのではないでしょうか。
こちらをごらんください。同様の補助制度は、横浜市だけに限ったものではありません。市独自の補助基準額を設定している政令市は、首都圏だけでも横浜市定員50人から89人で6,000万円、定員90人以上では8,000万円、川崎市では定員60人以上で7,200万円、千葉市では定員50人以上で4,000万円を設定し、事業者の呼び込みを行っています。この時点で、さいたま市は保育所整備における都市間競争におくれをとっていると言わざるを得ません。これによって、事業者はさいたま市での保育所開設を初めから除外しているのではないかと考えます。事実、横浜市や川崎市と比較しても、全国規模で事業展開する企業が、全くと言っていいほどさいたま市に進出していないことが何よりの証拠と言えます。水は低いところにしか流れません。早急に市独自の補助基準額を設定し、賃貸物件を活用した保育所整備を加速するべきと考えます。本市の見解をお聞かせください。
賃貸物件を活用した保育施設整備への補助(副市長答弁)
◎高橋篤副市長 神坂達成議員の御質問の3、子育て支援について、(2)待機児童ゼロへの施策について、①賃貸物件を活用した保育施設整備への補助制度拡充についてお答えいたします。
本市では、平成31年4月現在、私立の認可保育所168施設のうち41施設、約24%が賃貸物件を活用して整備した施設となっており、年々増加しております。賃貸物件を活用した認可保育所は、保育事業者が自己所有の建物を整備する方式と比較いたしまして、短期間で整備することができ、保育需要に迅速に対応できることから、有効な整備手法であると考えております。そのため、近年は認可保育所の整備案件を募集する際に、賃貸物件を活用した整備案件を優先的に協議対象とする旨を明示して募集を行うことで、この方式による施設整備の促進を図っているところでございます。
議員御指摘の補助制度につきましては、現在本市では国の制度と同額の3,200万円を補助基準額としておりますが、実際にはこの補助基準額を大きく超える改修費が必要となる案件が多いことから、賃貸物件を活用した施設整備の促進を図る上での課題の一つであると認識しております。
先ほど市長が答弁させていただきましたとおり、令和3年4月の待機児童解消に向けましては、さらなる認可保育所の整備が必要であり、賃貸物件を活用した施設整備に対する補助の拡充は、整備促進に有効であると考えております。他の指定都市の事例や施設改修費の実態などを十分勘案いたしまして、今後検討させていただきたいと考えております。
保育基準の規制緩和(質問)
◆神坂達成議員 ぜひとも待機児童を解消するための施策の一つとして、力強く進めていっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、次に移ります。保育基準の規制緩和について伺います。さいたま市では、ゼロ歳の保育面積基準において、国の基準より厳しい規制を設けています。一方で、保育ニーズが高い駅前型保育園では、国の面積基準に合わせた運用がなされています。つまり、1市2制度、ダブルスタンダードとなっています。これまでも、全市域における国基準に合わせた面積基準への適応を提案してまいりましたが、いまだ実現しておりません。東京や大阪では、国の面積基準よりさらに低い面積基準を導入し、待機児童の解消に努めています。しかしながら、さいたま市は待機児童数日本一となったこの期に及んでも、保育の質という観点から、全市的なゼロ歳児における面積基準の見直しをしようとしていません。なぜ市は見直しをしないのか、不思議でなりません。念のために申し上げておきますが、私は東京や大阪のように国基準より下げろと言っているのではありません。国基準に合わせることにより、一人でも多くの子供たちを受け入れ、待機児童ゼロを加速させたいだけなのです。そこで、以下お伺いいたします。
①保育の質について。そもそもさいたま市が言う保育の質とは何でしょうか。面積基準を国の基準に合わせることが保育の質の低下につながるのであれば、さいたま市の駅前型保育園においては既に保育の質が著しく低下しており、劣悪な環境で子供たちの保育が行われていると理解するべきなのか、それとも国基準においても保育の質は保たれていると理解するべきなのか、市の見解をお聞かせください。
2番目、ゼロ歳児の面積基準緩和について。ゼロ歳児の面積基準を国基準と同じ水準に見直すことで、余剰スペースが生まれます。そのスペースを最も待機児童が多いとされる1歳児に振り分けたと仮定した場合、1歳児587人分の入所枠が確保できるとの試算が理論上成り立ちます。最も保育ニーズの高い1歳児枠の拡大は、即待機児童解消へとつながります。当然もろもろの課題があるので、そんなにうまくいかないことは百も承知です。ですが、このせっぱ詰まった状況下において、一人でも多くの入所枠をふやして待機児童を解消したいと思うのは、議員として当然のことではないでしょうか。
現在の枠組みの中で1歳児の入所枠587人分を拡大しようと思えば、1園当たり1歳児が平均15名と換算しても、あと40カ所も施設を整備しなければなりません。そんなことが短期間でできるわけがありません。だからこそ、今できることにベストを尽くすべきと考えます。待機児童解消のため、ゼロ歳児の面積基準を国基準へと緩和し、その分を待機児童が最も多い1歳児枠に振りかえるべきです。本市の見解をお聞かせください。
保育基準の規制緩和(副市長答弁)
◎高橋篤副市長 神坂達成議員の御質問の3、子育て支援について、(2)待機児童ゼロへの施策について、②保育基準の緩和についてお答えいたします。
まず、保育の質につきまして、本市では国の面積基準でも必要な保育の質を確保していると考えておりますが、ゼロ歳児につきましては寝返りやはいはい、伝い歩きなど、発達過程が著しいことを考慮いたしまして、より安全に伸び伸びと育つための保育環境を整えたいとの観点から、国を上回る面積基準を現在まで維持してきております。しかし、保育需要が高い駅周辺におきましては、認可保育所の整備に適した広いスペースが少なく、5平方メートルの基準では施設整備が十分に進まないことから、国の面積基準である3.3平方メートルを適用しているものでございます。
次に、全市的にゼロ歳児室の面積基準を緩和することについてでございますが、ゼロ歳児の面積基準を見直すことで生まれた余剰スペースを待機児童の多い1歳児へ拡大することにつきましては、議員の御質問にもありましたとおり、さまざまな課題はあります。各保育所における年齢児ごとの間取りなど、施設の構造上の問題を初め、1歳児の受け入れ人数をふやすことは、翌年度以降2歳児以上に影響するため、各年齢児の保育室における面積基準や保育士の配置人数なども勘案する必要がございます。また、より多くの乳幼児を受け入れるため、既存施設では既にゼロ歳児130名、1歳児250名、2歳児235名の定員を上回る弾力的な入所措置を実施しているため、1歳児のさらなる受け入れを行える施設は、ソフト、ハード両面から勘案すると、限定されてくるものと考えております。
一方で、本市の保育需要は増加を続け、多くの待機児童が生じている状況がございますので、少しでも多くの受け入れ枠を確保する必要があることは十分に認識しております。今後につきましては、これまでの経緯や関係団体の意見なども参考にしながら、駅前型保育所の適用範囲の拡大や、特に保育需要の高い地域における面積基準の緩和など、できる限りの措置を検討いたしまして、早期の待機児童解消を図っていきたいと考えております。
保育基準の規制緩和(再質問)
◆神坂達成議員 再質問させてください。
今既に弾力的な運用をされているので、効果は限定的であるという御答弁がありました。そんなことは、私はわかっています。たとえ限定的であったとしたって、そこで5人、10人が入れるんであれば、拡大をするべきではないかと私は言っているわけです。限定的だからやらないのか。限定的だからこそ、減らすためにやるべきではないでしょうか。これについてまず1点再質問にお答えください。
そしてもう一つが、今国の面積基準でも保育の質が十分保たれているのだという御答弁がありました。だけれども、駅前では緩和をしているということでございました。その中において、さらなる子供たちの安心のためというか、子供たちの安全の観点から拡充はしないんだという御答弁もあったかと思いますけれども、入れている人はそれでいいと思います、私は。でも、入れない人はどうするんですか。入れている人は伸び伸びだけれども、さいたま市では日本一待機児童が多くて困っている人がたくさんいるんです。確かに保育園は1学年1万人にしたって6万人既に入れています。だから、ここに手をつけずに、6万人のために三百九十数人を切るんですかという話です。これについて再答弁ください。
◎高橋篤副市長 神坂達成議員の再質問にお答えさせていただきます。
先ほどの答弁でもお答えさせていただきましたが、今後につきましては、これまでの経緯や関係団体の意見なども参考にいたしまして、駅前型保育所の適用範囲の拡大や、特に保育需要の高い地域における面積基準の緩和など、考えられる措置を検討いたしまして、早期の待機児童の解消を図ってまいりたいということでございます。
WEラブ赤ちゃんプロジェクト(質問)
◆神坂達成議員 私が言っているのは、ニーズが高い地域だけではないと思うのです。さいたま市全部を拡大することによって、さらなる余剰スペースができる、こういうことを申し上げているわけです。ここで言い続けても水かけ論になりますので、また次の機会に取り上げたいと思います。
3番目、WEラブ赤ちゃんプロジェクトについて伺います。電車やバス、飲食店の中で、ぎゃあぎゃあ泣きやまない状況に慌てるママやパパの姿を誰もが目にしたことがあるはずです。楽しいことだけでなく、大変なことも多い子育て。でも、ママやパパだけでなく、社会全体が赤ちゃんに愛を向けることによって、よりよい環境が生まれるかもしれない。そんな願いを込めて、赤ちゃんの泣き声を温かく見守る人たちがいることを可視化するのが、WEラブ赤ちゃんプロジェクトです。同プロジェクトは、エッセイストの紫原明子さんの呼びかけにより、ウーマンエキサイトが2016年5月5日に発足させたものです。赤ちゃんは、暑かったり寒かったり、おなかがすいたり眠かったり、あらゆる気持ちを泣いて知らせてくれます。赤ちゃんが泣くのは、予測できない自然なことです。だからこそ、泣いてしまっても焦らなくても大丈夫、その泣き声、私たちは気にしませんよという意思表示をすることで、ママやパパの気持ちに少しでも寄り添いたい、そんな思いを可視化させたものです。この取り組みに賛同する自治体は、急速にふえつつあります。東京都世田谷区では、WEラブ赤ちゃんプロジェクトとコラボを開始しました。特設ページでは、さまざまなアイデアや賛同する企業、団体の募集を始め、事業の支えとなるふるさと納税も募っています。
こちらをごらんください。世田谷版オリジナルグッズです。スマートフォンに張られたWEラブ赤ちゃんプロジェクトのステッカーになります。こちらは、ポスターとチラシになります。そのほかにも、ストラップや缶バッジ等が作成されています。そのほかにも、日本創生のための将来世代応援知事同盟に加盟する14の県が賛同を表明し、参画しています。法政大学社会学部メディア社会学科の津田正太郎教授は、他人の子供であっても広い意味で言えば日本の子供、みんなで応援するべきだが、当事者である子育て世代は声を上げられない。自治体がイニシアチブをとる動きは評価すべきとしています。
私たち公明党は、子育て楽しいさいたま市の具現化に向けた一つの施策として、WEラブ赤ちゃんプロジェクトにさいたま市が参画していくべきだと考えます。本市の見解をお聞かせください。
WEラブ赤ちゃんプロジェクト(副市長答弁)
◎高橋篤副市長 神坂達成議員御質問の3、子育て支援について、(3)WEラブ赤ちゃんプロジェクトの推進についてお答えさせていただきます。
本市におきましては、保護者の方に対し妊娠届け出時に、厚生労働省が作成いたしました「赤ちゃんが泣きやまない」のリーフレットを配布しているほか、父子手帳に赤ちゃんが泣きやまないときの対処法を掲載するなど、赤ちゃんは泣くことが自然であり、泣きやまないときでも落ちついて対応いただくよう周知をしているところでございます。しかしながら、単独型子育て支援センターや子育て応援ダイヤルなどの相談窓口において、保護者の方から、スーパーなどで赤ちゃんが泣きやまず、周りの冷ややかな視線が刺さりいたたまれない気持ちになる。公共交通機関を利用する際、長時間になるとぐずり、周りの厳しい目がつらく、途中下車をすることがあるなどの御意見をお寄せいただいております。
こうした子育て中の保護者の方の焦りや不安を軽減するためには、社会全体で子育てを応援する機運を醸成し、子育てに寛容な地域社会を目指すことが重要であると考えております。本市では、三世代子育て応援事業や多世代交流会食などの事業を推進しているところでございます。御紹介のありましたWEラブ赤ちゃんプロジェクトにつきましては、他の自治体でさまざまな取り組み事例がございますので、子育て楽しいさいたま市をより一層具現化する取り組みの一つとして調査をし、検討してまいりたいと考えております。
WEラブ赤ちゃんプロジェクト(再質問・再々答弁)
◆神坂達成議員 1点再質問させてください。
ただいま副市長からは、三世代子育て応援事業という事業名も出されました。それからもう一つ、多世代交流会食というお話をされました。これは、対象者は児童生徒ですよね。私は、乳児の話をしているんです。幼児とか児童とか生徒ではないんです。乳児が多世代交流会食に行きますか、ミルクしか飲まないのに、何でこういった事業が出てくるんでしょうか。再答弁を求めます。
◎高橋篤副市長 神坂達成議員の再質問にお答えさせていただきます。
先ほどの答弁でもさせていただきましたように、子育てに関しましては地域全体、社会全体で育てていく寛容な精神を醸成していくというところから、私どもで取り組んでいる事業について例示をさせていただいたところでございます。
〔何事か言う人あり〕
◎高橋篤副市長 神坂達成議員の再々質問にお答えさせていただきます。
子育て関係につきましては、確かに私も経験がございますので、御質問にありましたような状況はよくわかります。先ほども答弁をさせていただいたように、子育て関係ですとか、子供さん、それから保護者の方についても、温かい目で子育てを見守るというようなことが大事であるという趣旨のつもりで、先ほどいろいろなことに取り組んでいるということを申し上げたかったと、そういう状況でございます。
認知症高齢者ひとり歩き見守り強化(質問)
◆神坂達成議員 時間がないので、本当はたくさん再質問したいのですけれども、次に移りたいと思います。
4番目、幸齢社会の実現に向けて、(1)認知症高齢者ひとり歩き見守り強化について伺います。人生100年時代を迎え、住みなれた地域で安心して老後を過ごせる環境づくりは、政治に課せられた重要課題にほかなりません。とりわけ認知症は、2030年には830万人に達すると見込まれており、取り組みを急ぐ必要があります。私たち公明党は、幸せに年を重ねていける幸齢社会の実現を目指し、認知症施策を重点政策と考えています。昨年、公明党が行った100万人訪問・調査運動でも、介護に関連する意見の中で、認知症に対する不安の声が多く寄せられました。
そこで、1点目として、認知症高齢者のひとり歩きの見守り強化についてお伺いいたします。本市では、認知症行方不明者の事案発生に備え、徘徊見回りSOSネットワークを構築しています。平成30年度の支援要請件数は12件でした。一方で、さいたま市内を管轄する警察署で受理した、市内居住の認知症またはその疑いのある行方不明者の推移がこちらでございます。ごらんください。市内の認知症またはその疑いのある行方不明者の推移を示しておりますけれども、平成26年、認知症行方不明者はわずか37名でした。しかし、平成28年から一気に300人を突破していることに、正直驚きを隠せません。さらなる増加が危惧されています。
そこで、これらの事態に備えて、見守りグッズの導入が有効と考えます。まず、こちらをごらんください。東京都大田区で導入されている衣服や靴に張りつける見守りシールとアイロンプリントです。また、入間市で導入されている爪に張るQRコードです。これらのグッズは、ひとり歩きの高齢者が何かのきっかけで家に帰れなくなった場合を想定して、あらかじめ持ち物や衣類に張るものです。ひとり歩きによって、自宅の住所や自分の名前などが伝えられなくても、記載してある地域包括支援センターに連絡することで、素早く身元や連絡先を確認することができます。下段の画像は、見守りキーホルダーになります。見守りシールと同様に、事前に緊急連絡先や医療情報を地域包括に登録し、キーホルダーを受け取ります。キーホルダーを常に身につけておくことで、外出先で突然の変調により救急搬送や保護された際、医療機関や警察からの照会に対し、24時間体制で迅速に情報提供を受けることが可能となります。これらの見守りグッズの導入については、既に東京都や10政令市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市、新潟市、浜松市、大阪市、岡山市、広島市、福岡市においても導入されています。これらの効果については、平成26年9月、国からの「今後の認知症高齢者等の行方不明・身元不明者に対する自治体の取組の在り方について」において、その有効性が示されております。本市においても、超高齢社会を見据え、見守りグッズの配布を開始すべきと考えますが、本市の見解をお聞かせください。
認知症高齢者ひとり歩き見守り強化(副市長答弁)
◎高橋篤副市長 神坂達成議員の御質問の4、幸齢社会の実現に向けて、(1)認知症高齢者ひとり歩きの見守り強化についてお答えいたします。
認知症の方のひとり歩きにつきましては、本人の状態や環境により、外出中の事故やけがなどにつながる危険が生じるほか、介護者にとっても身体的、精神的に大きな負担となるなど、社会的に大変大きな課題と認識しております。現在の本市の認知症高齢者の方の見守りに関する取り組みとしては、認知症への理解を深め、地域の住民や企業等の関係者が、認知症の方と正しく接することができる認知症サポーターの養成講座を市内各地で開催しております。この講座の中で、徘回の可能性のある認知症の方への声かけの方法等を実施し、認知症の方を地域で温かく見守ることの啓発や、応援者の充実について進めているところでございます。
また、早期発見に資する事業として、GPSを活用した徘徊高齢者等探索サービス事業を実施しているほか、宅配事業者など包括連携協定を締結している企業等の協力も得ながら、徘徊見守りSOSネットワーク事業の運用を行っております。高齢化の進展とともに、認知症高齢者の増が予測される本市においては、警察との情報共有化など連携を強めさせていただきたいと考えておりますが、今後ともこうした取り組みを通じて、認知症の方が安全に外出できる地域の見守り体制づくりを強化してまいりたいと考えております。
議員御提案の見守りグッズの導入については、近年御紹介がありました見守りシールやQRコード、見守りキーホルダー等を活用している自治体もふえているものと承知しておりますが、種類も多岐にわたっており、また自治体によりましては、事業効果について低迷が見られるとかという情報もございますことから、各自治体の取り組み状況や効果などを調査し、本市の状況も踏まえながら検討させていただきたいと考えております。
認知症事故救済制度の創設(質問)
◆神坂達成議員 今実績が低迷をしているというお話がありましたけれども、実はさいたま市の徘徊見守りSOSネットワークのほうがさらに実績が低迷しています。昨年、この支援の要請件数はわずか12件しかございませんでした。先ほどGPSというお話もありましたけれども、GPS契約者はわずか26人でございます。こちらのほうこそがさらに低迷をしているのではないかと思って、見解を聞きたいのですけれども、時間がないので、次に移りたいと思います。
それでは、(2)認知症事故救済制度の創設について伺います。愛知県大府市で鉄道事故に遭遇した認知症の方の遺族に、JR東海が損害賠償を求めた民事訴訟は、社会に大きな議論を巻き起こしました。平成28年3月に、最高裁がJR側の訴えを棄却したことでひとまず決着しましたが、認知症のひとり歩きにはさまざまな危険が伴います。これらに備え、神戸市では本年4月1日より、認知症と診断された方を対象に、認知症事故救済制度を開始しました。同事業は、市内在住で認知症と診断された方が対象となり、保険料は市が負担するものです。万一何らかの形で認知症の人が責任を負った場合、最高2億円を支給する制度となっています。また、全市民を対象に被害に遭われた場合は、見舞金として最高3,000万円が支払われます。認知症によって、加害者や被害者になった場合を想定し、導入されたものです。このほかにも、神戸市では認知症の人にやさしいまち「神戸モデル」を策定し、先進的な事業を多数展開しています。
本市においても神戸モデルを参考に、認知症に関する施策のパッケージ化を力強く進めるべきと考えます。認知症事故救済制度の創設について、本市の見解をお聞かせください。
認知症事故救済制度の創設(副市長答弁)
◎高橋篤副市長 神坂達成議員の御質問の4、幸齢社会の実現に向けて、(2)認知症事故救済制度の創設についてお答えいたします。
認知症事故救済制度につきましては、制度を導入している複数の自治体があり、指定都市では、御紹介のありました神戸市において、神戸市認知症の人にやさしいまちづくり条例の中で、事故の救済等についても規定するなど、取り組みを進めているものと承知しております。
また、国におきましても本年6月に策定いたしました認知症施策推進大綱で、民間における認知症の発症に備える保険や損害賠償責任保険の普及を後押しするとともに、自治体による民間保険への加入支援に関し、事例の収集や政策効果の分析を行うこととしております。現在本市といたしましては、他の自治体の取り組み状況の把握とともに、今後の国の動向を注視しているところでございます。
議員御提案の施策のパッケージ化につきましては、認知症の方が安心して暮らしていくことができる地域づくりを進めるため、認知症施策について幅広く市民の意見を伺うことを目的として、今年度中に新たに医療、介護関係者のほか、有識者、家族会、公募委員などで構成する認知症の人にやさしい地域づくり推進委員会を開催する予定としておりますので、今後この委員会における御意見等も踏まえつつ、本市の認知症施策の総合的、体系的実施について検討を進めさせていただきたいと考えております。
認知症グループホームへの入所者支援(質問)
◆神坂達成議員 次に移ります。
(3)認知症グループホームへの入所者支援について。認知症高齢者のグループホームとは、認知症高齢者が家庭的な雰囲気の中、共同生活を送りながら日常生活の介護を受けます。居室、居間、食堂、浴室などを備え、利用者がそれぞれの役割を持って家事をすることにより、認知症の進行を緩和し、安心して日常生活が送れるようになることを目指しています。入所基準は、要支援2以上からとなっています。一方で、特別養護老人ホームの入所基準が要介護3以上からとなっていることと比較すると、入所しやすい施設ともいえます。しかしながら、認知症高齢者グループホームの場合、特別養護老人ホームとは異なり、宿泊コストや食費が介護保険の補足給付の対象外であり、所得に応じた利用料の軽減もないため、国民年金で生活する方や所得の少ない方にとっては、あきがあっても経済的な理由から入所を諦め、在宅でのケアを続けざるを得ないケースが多々あると伺っております。
このような状況下、八王子市では2018年から市独自の取り組みとして、認知症グループホームの費用負担の軽減策として、特別養護老人ホームで受けられる食費、居住費の負担軽減と同額の月額約4万1,700円から6万6,900円分を助成する取り組みを始めました。また、同様の利用者負担軽減策は、都内だけでも9つの自治体で導入されています。今後、認知症グループホームはその存在価値を増してきます。本市としても、認知症グループホームへの助成制度を創設すべきと考えますが、本市の見解をお聞かせください。
認知症グループホームへの入所者支援(副市長答弁)
◎高橋篤副市長 神坂達成議員の御質問の4、幸齢社会の実現に向けて、(3)認知症グループホームへの入所者支援についてお答えいたします。
認知症対応型グループホームの家賃等につきましては、御質問にもございましたとおり八王子市が独自助成を行っているなど、承知しております。経済的理由から認知症対応型グループホームの利用を控える方がいるという状況につきましては、本制度が介護保険制度の枠組みにかかわるものでありますことから、第1には国により対応されるものであると考えております。
本市といたしましては、平成29年度に大都市介護保険担当課長会議を通じまして、厚生労働省に対しまして、家賃等について介護保険制度における補足給付の対象とするよう要望を提出しております。今後も他の政令指定都市とともに、介護保険制度における低所得者対策等について、引き続き国に要望してまいりたいと考えております。
町なかベンチの推進(質問)
◆神坂達成議員 国にばかり任せるのではなくて、市独自の取り組みが必要であると考えます。
次に移ります。(4)町なかベンチの推進について。超高齢社会を迎えた我が国において、2035年には国民の3人に1人が高齢者となります。高齢者になっても、安全で無理なく歩くことができる基盤づくりは、超高齢社会に備えた新たなインフラ整備と考えます。今、全国各地では超高齢社会を展望し、安全で快適な歩行空間の創出を目指し、無理なく歩ける、疲れたら休憩できるスポットとして、町なかにベンチを設置する自治体がふえています。高齢者にとっては、休みながらお買い物に行ったり、散歩途中に疲れたら休憩でき、お友達と会えばおしゃべりができる小さな公共スペースとして注目されています。設置場所としては、公園、バス停、道路、遊歩道、市有地など、さまざまな場所への設置が進められています。
私たち公明党は、この小さな公共スペースとも言える町なかベンチを積極的に設置していくべきだと考えています。当然維持管理の問題、道路幅員の問題など、さまざまな課題があることは理解しているつもりです。ですが、それらを乗り越え、誰もが幸せに年を重ねていける幸齢社会への投資として、町なかベンチを推進していく意義は大きいと考えます。国土交通省によると、ベンチ及び上屋の道路占用の取扱いについての一部改正についてでは、ベンチの道路占用許可について高齢者等の交通弱者が多数利用する施設周辺、ショッピングモール、コミュニティー道路、遊歩道などに設置する場合など、道路の歩行者等の利用形態から判断し、地域の実情に応じ、公益上設置することが妥当な場合は許可するものとするとの基本方針が示されています。つまり、道路管理者であるさいたま市が公益上妥当であると判断すれば、町なかベンチを推進することができることになります。
さいたま市では、超高齢社会を見据え、町なかベンチの取り組みをどのようにお考えになっているのか、見解をお聞かせください。
町なかベンチの推進(副市長答弁)
◎阪口進一副市長 神坂達成議員の御質問の4、幸齢社会の実現に向けて、(4)町なかベンチ推進についてお答えいたします。
世界の多くの都市で、町なかを車中心から人中心の空間へ転換し、人々が集い、憩い、多様な活動を繰り広げられる場へと改変する取り組みが進められています。これらの取り組みは、人中心の豊かな生活空間を実現させるだけでなく、地域消費や投資の拡大、観光客の増加や健康寿命の延伸、孤独、孤立の防止のほか、さまざまな地域課題の解決や、新たな価値の創造につながります。
我が国では、超高齢社会の到来に対応するため、多くの高齢者が地域において活動的に暮らせる社会の実現に向けて、まちを歩くことに着目したまちづくりを推進してきており、本年8月からは、居心地がよく歩きたくなる町なかの形成を目指し、事例の情報共有や政策づくりに向けた国と地方のプラットフォームにより、ウオーカブルなまちづくりをともに推進することとしております。本市でも、その理念の方向性に賛同し、今後居心地がよく歩きたくなる町なかの視点を取り入れたまちづくりを進めてまいります。
このようなまちづくりを進める上で、町なかのベンチの設置については、議員御指摘のとおり国の通知に準じて地域の実情や公益上の妥当性等を踏まえ、町なかでのベンチの設置における占用許可を行ってまいります。
教育現場の暑さ対策・熱中症対策(質問)
◆神坂達成議員 ニューヨークでは、戦略的にまちにベンチを2,000カ所も置いているそうでございます。ぜひともさいたま市も進めていただきたいと思います。
5番、教育現場の暑さ対策について、(1)熱中症対策について伺います。近年、災害級の暑さが続く中、教育現場における暑さ対策は喫緊の課題です。これまで私たちは、学校の教室や体育館へのエアコンの設置を積極的に働きかけてまいりましたが、今や暑さ対策は校舎内だけにはとどまりません。過日、保護者の方より一通のメールをいただきましたので、紹介します。5月25日、小学校で運動会が開催されました。ことしから娘が小学校に入学し、初めての参加となりました。当日の天候は、5月というのに真夏のようで、気温は33度、生徒は直射日光を浴びての応援でした。しかし、来賓席にはテントがありました。生徒席にもテントを設置すべきではないかと思います。これまでにも、熱中症による死亡事故のニュースもあります。喫緊の課題として受けとめ、子供たちの命を守ってくださいというものでした。早速、消防局に5月25日について学校への出動状況を確認すると、残念ながら1名の子供が救急車で搬送されていたことを確認いたしました。
そこで、他政令市はどのような取り組みをしているのか調べてみました。こちらをごらんください。調査をしてわかったことは、令和元年度開催の運動会では、20政令市中12の市で運動会の半日、短縮が実施されており、前年よりも増加傾向であるということでした。保護者の反応については、早朝の場所取りがなくて助かる。特に低学年の子供は午後まで続くと大変だからいいと、おおむね好評のようですが、逆に祖父母も楽しみにしていたので寂しいとも意見もあるようです。教育現場からは、児童、教職員、保護者の熱中症に効果があった。教員の負担軽減になった。授業時間の確保につながったとの声もございました。これらを加味しまして、さいたま市としてどのような見解をお持ちなのかお聞かせください。
また、体育館のエアコンにつきましても、設置をされれば休憩場所となると考えております。本市の見解をお聞かせください。
教育現場の暑さ対策・熱中症対策(教育長答弁)
◎細田眞由美教育長 神坂達成議員の公明党さいたま市議会議員団を代表しての御質問の5、教育現場の暑さ対策について、(1)熱中症対策についてお答えいたします。
議員御指摘のとおり、近年の夏の暑さは尋常ではなく、教育現場におきまして、この夏の暑さ対策は本当に大変な課題だと思っております。本市でも、1学期に運動会を実施した学校におきまして、暑さを考慮して半日開催をしたり、競技の削減を行ったりするなどの対策をした学校がございました。
運動会の半日開催や中止など、校長が判断できる環境の整備については、教育委員会では熱中症事故の防止に関して、各学校に繰り返し通知を発出しております。その内容といたしましては、暑さ指数が31度、気温については35度以上を示した時間帯の運動は原則として行わないこととしております。また、気温の高い時間帯に運動会の練習や体育の授業等を実施する場合には、気象予報等の情報に注意し、実施内容についても柔軟な対応をするように示しております。運動会の実施に際しましても、校長はこれらの通知をもとに、状況に応じて適切に判断しているものと考えてはおりますが、議員御指摘のように判断に迷う場合もあると認識しておりますので、ガイドラインなどを今後作成いたしまして、校長が適切に判断できるように、教育委員会といたしましても支援を進めてまいりたいと考えております。
また、小中学校の体育館へのエアコン設置に向けた状況ではございますが、本年度さいたま市立小・中学校空調機整備計画策定支援業務におきまして、ただいま概算事業費の算定や整備手法等の検討を行っているところでございます。暑さ対策につきましては、本当に死者が出るような大変な状況でございますので、教育委員会といたしましても多方面に気を配りながら、きちんとした対策をとってまいりたいと思います。


