会議:平成27年12月定例会 / 開催日:2015-12-01 / 役職:議員(本会議) / 出典:さいたま市議会 会議録検索システム

AEDの戦略的配置(24時間・5分以内・整備支援)

◆神坂達成議員 公明党さいたま市議団の神坂達成でございます。通告に従いまして、順次御質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

まず1番、AEDの戦略的配置とバイスタンダーへのフォローアップについてお伺いいたします。市民が救命の場でAEDを使用できるようになり、11年が経過しました。以来、AEDは全国で約63万台が販売され、公共施設や民間企業等にも設置されるようになりました。しかし、多くは建物の中に設置されているため、夜間や休日に使えないことが危惧されています。事実、昨年6月には山形市の高校で2年生の野球部員が夜間練習中に心臓発作を起こしましたが、校舎の出入り口が施錠されており、玄関と体育館の2カ所に設置されていたAEDが使用できなかったという事態が発生しています。厚生労働省は、平成25年9月、AEDの適正配置に関するガイドラインにおいて、設置のポイントとして心肺停止から5分以内にAEDを装着できること、可能な限り24時間誰もが使用できることの重要性を指摘しています。つまり、単に設置台数をふやすだけでなく、効率、効果を考えた配置の重要性を指摘しているのです。そこで、以下お伺いいたします。

(1) AED24時間への取り組みについて。厳しい財政制約が求められる昨今、AEDの効率的な配置と効果的な運用には、民間の協力が必要不可欠であると考えます。愛知県尾張旭市では、平成26年5月1日から市内のコンビニエンスストア全店舗に、24時間誰でも使用できるAEDを設置しました。本市においても民間企業等に御協力を求めながら、市民生活に密着したコンビニや、24時間誰でも利用できる施設を活用した戦略的配置が求められていると考えますが、見解をお聞かせください。

(2) AED5分以内への取り組みについて。神戸市では、平成17年度よりまちかど救急ステーション標章交付制度を運用しています。この制度は、消防局管制室が救急車の要請時に、必要があれば民間事業者も含めた最寄りのAED設置場所を通報者に知らせたり、また通報者が一人しかおらず心肺蘇生をしなければいけないときには、救急現場までAEDを届けてもらう協力体制を構築しています。本市においても、一分一秒を争う緊急事態に備え広く協力者を募り、救急現場に活用できるよう体制の構築を図るべきだと考えますが、見解をお聞かせください。

また、神戸市では御登録をいただいた方々の情報をオープンデータとして公開しており、アプリ等への活用が促進されるようにしています。本市においても同様の施策が有効であると考えますが、重ねて見解をお聞かせください。

(3) AED整備支援について。AEDの普及拡大に伴い、中には日常点検や消耗品の交換がされず、使うべきときに使えないという状況が危惧されています。これらの心配を払拭するため、横浜市では救急条例を制定し、保守メンテナンスにも力を入れています。また、相模原市では電極パット交換のための補助事業も行っています。本市においても、万が一に備えた保守メンテナンスへの強化策が求められていると考えますが、見解をお聞かせください。

バイスタンダーへの心のケアとリスクマネジメント

4番目、バイスタンダーへの心のケアについてお伺いいたします。緊急通報から救急隊が現場に到着するまでの間、傷病者に対する応急手当ては善意の救助者、通称バイスタンダーに依存しています。しかし、救急現場でバイスタンダーが心肺蘇生を実施する場合を想像してみてください。救命の資器材もなく、医学的な知識もなく、自分の行った応急処置が正しかったかどうかを判別してくれる体制もない中で、傷病者の命をたった一人で守らなければなりません。心的ストレスを受ける可能性があることは容易に想像ができます。事実、愛知県小牧市消防本部が救助に当たった人18人に聞き取り調査を行ったところ、当時のことが頭から離れなかった、興奮状態になり眠れなくなった、自分の処置は本当に正しかったのだろうかなど、不安の声が多く寄せられたそうです。そのような中、少しでもバイスタンダーの気持ちに寄り添おうと、平成23年1月、岡山市消防局はバイスタンダーへのフォローアップとして連絡カードの配付を始めました。

資料をごらんください。これは、岡山市消防局の連絡カードを拡大コピーしたものです。表面には、救急隊が到着するまでの間、勇気を持って応急手当てに当たっていただきありがとうございましたとの感謝の気持ちが記されているとともに、救急現場において目撃したこと、応急手当てを行ったことで何か不安なこと等がありましたら裏面の相談窓口に御連絡くださいとなっており、裏面では連絡先が記載されています。このカードの使い方は、救急現場でバイスタンダーに連絡カードをお渡しする。その後、心的ストレスについての相談を岡山市消防局救急課で受け付けし、不安に対する助言を行います。さらに必要ならば、岡山市赤十字病院がフォローアップを行うというものです。本市においてもバイスタンダーに寄り添い、感謝の気持ちを伝えるとともに、心のケアについての方策を検討すべきと考えますが、見解をお聞かせください。

5番目、バイスタンダーへのリスクマネジメントについてお伺いいたします。救急車の出動が年々増加することに伴い、到着時間が延びる中、心肺停止状態などではバイスタンダーの存在が生死を分けます。しかし、バイスタンダーには常にリスクが伴います。東京消防庁の調べでは、バイスタンダーとしての応急手当てに病気感染の心配、負傷の懸念、さらには症状を悪化させて責任を問われるリスクなどの理由で、処置を敬遠する声が上がっていることがわかりました。実際に平成21年以降、負傷したり感染があると判明したケースは7件としています。東京消防庁は、これらに備え、保険により治療費、感染症の検査費、訴訟費用の一部を払うことを決め、本年度予算化しました。本市においても同様の事態が想定される中、バイスタンダーの立場に立ったリスクマネジメントを検討すべきと考えますが、見解をお聞かせください。

保健福祉局長・消防局長の答弁(AED・バイスタンダー)

◎山本信二保健福祉局長 神坂達成議員の御質問の1 AEDの戦略的配置とバイスタンダーへのフォローアップについて、(1) AED24時間への取り組みについてお答えいたします。

本市では、平成18年度に策定いたしましたAED等の整備方針に基づきまして、職員が常駐する市の公共施設へのAEDの整備を進めており、平成27年11月現在で合計687台のAEDを設置しております。このほかに、医療機関や金融機関等の民間事業者が自主的に設置しているAEDも含め、市内では少なくとも合計1,719台設置しております。

御質問のありましたコンビニエンスストア等へのAEDの設置については、まず各事業者による自主的な取り組みとして行われるべきものと考えますが、今後効果的なAEDの設置場所や他の自治体の取り組み状況などを調査し、研究を進めてまいりたいと考えております。

次に、(2) AED5分以内への取り組みについてお答えいたします。まず、本市におきましても119番通報された際に、消防局指令センターが通報時の状況に応じて、付近のAEDの設置場所を通報者に案内を行っております。

次に、AEDの設置場所をオープンデータとして公開することに関しましては、市で管理を行うAEDについては、既に市のホームページにおいてオープンデータとして公開しております。また、民間事業者が設置しているAEDについては、一般財団法人日本救急医療財団に登録を行うよう従前より国が呼びかけを行っており、当該財団が把握するAEDの設置場所の情報は、平成27年8月に国より活用を行ってよい旨の通知がございました。現時点では、まだ具体的な情報の詳細は不明でありますが、本市といたしましてはオープンデータを含め、市民の皆様が活用しやすい対応について検討してまいりたいと思います。

また、議員から御提示のありました神戸市の取り組みにつきましては、詳細を把握しておりませんので、今後調査研究をしてまいります。

次に、(3) AED整備支援についてお答えいたします。本市といたしましては、精密機器であるAEDが救命救急で使用される際に、管理の不備により期待された性能を十分に発揮できないなどの重大な事態の発生を防止するために、適切な保守点検が重要であると考えております。このため、市が管理するAEDについては日常的な点検・管理を行っております。民間事業者が設置するAEDの点検・管理は、設置者が行うことが基本と考えておりますが、整備支援については他の自治体における支援状況等について調査し、研究をしてまいります。

◎辻和明消防局長 神坂達成議員の御質問の1の(4) バイスタンダーへの心のケアについて、(5) バイスタンダーへのリスクマネジメントは関連がございますので、一括してお答えいたします。

バイスタンダーへの心のケアについてですが、消防局では心肺蘇生法を中心とした応急手当て講習を一人でも多くの方に受講していただくため、応急手当て普及啓発に取り組んでいるところでございます。平成26年中は1,143回の講習会を実施し、延べ3万2,415名の方が受講されております。

現在、バイスタンダーに対する感謝の気持ちをお伝えする方法といたしましては、救急隊から口頭で感謝の気持ちをお伝えするとともに、社会復帰につながるなど、特に貢献された方には感謝状をお渡ししているところでございます。今後は、口頭でお伝えするほかに、相談の連絡先などを記載したカードなどをお渡しして、バイスタンダーへのフォローアップを検討しておりますので、早期に実施してまいりたいと考えております。

また、心のケアについては、議員からの御指摘のとおりフォローアップの必要性がありますので、関係部局や医療機関などとの連携を含めた新たな方策を検討してまいります。

次に、応急手当ての普及啓発を推進する一方で、バイスタンダーが安心して応急手当てを行っていただくためのリスクマネジメントとして、現在消防業務責任賠償保険に加入しておりますが、その適用には救急隊員からの協力要請により行った応急手当てであることなど一定の条件があるため、災害補償が適用されない場合があります。こうした中、平成28年度中には既存の消防業務責任賠償保険にバイスタンダー補償が追加されるものと伺っておりますので、その際には速やかに加入し、バイスタンダーの立場に立ったリスクマネジメントに取り組んでまいります。

いずれにしましても、誰もが安心して救護の手を差し伸べることができるようバイスタンダーへのフォローアップに努め、応急手当ての実施率向上を目指してまいります。

子供の貧困対策(計画の策定・実態調査・子育て世代包括支援センター・就学援助入学準備金)

◆神坂達成議員 前向きな御答弁をいただきました点につきましては、ぜひとも進めていただきたいと思います。

次に移ります。2番、子供の貧困対策と子育て支援についてお伺いいたします。今、日本では約6人に1人の子供が貧困状態とされており、過去最悪を記録しました。しかし、その責任は子供たちにはありません。貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、また子供の将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、より一層の支援策が求められています。そこで、以下お伺いいたします。

(1) 子供の貧困対策に関する計画の策定と実態調査の実施について。平成26年8月閣議決定された子供の貧困対策に関する大綱についてでは、子供の貧困の実態は見えにくく捉えづらい、子供の貧困対策に取り組むに当たっては、子供の貧困の実態を適切に把握した上で、その実態を踏まえて施策を推進していく必要があるとしています。既に横浜市では、計画策定に向けた取り組みが始まっています。本市においても、各局や区で行われている取り組みを子供の成長段階や国の重点施策に沿って体系化し、子供の貧困に関する実態や課題について共通認識のもと関係部署が連携し、実効性の高い施策や切れ目のない支援を展開する必要があると感じます。計画策定義務が市町村にはないからといって都道府県だけに任せるのではなく、本市においても早急に策定すべきと考えますが、見解をお聞かせください。

あわせて、計画を策定するには貧困の実態を正しく認識しなければなりません。東京都足立区では、貧困の実態を明らかにするため区立小学校1年生の家庭を対象に、保護者の収入や子供の生活習慣など、調査に乗り出しました。また、11月21日の新聞報道によると、政府は子供の貧困対策をめぐり全国的な調査を市区町村を対象に実施する方針を固め、調査費用として補正予算を組むとしています。さらに、調査を受けて行う事業に対してはモデル化し、助成するとしています。本市においてもこのタイミングを逃すことなく、子供の貧困の実態を適切に把握するための調査に乗り出すべきと考えますが、重ねて見解をお聞かせください。

(2) 子育て世代包括支援センターの設置について。2014年度の全国の児童相談所に寄せらた虐待に関する相談件数は過去最悪となりました。児童虐待の背景には、望まない妊娠や母親の孤立、経済的な困窮など、さまざまな要因が指摘されます。これらを包括的、継続的に支援するため、京都市では母子健康手帳交付時に全ての妊婦を対象に保健師が面接を行い、妊婦の不安や産後の育児環境に関する相談を受けるとともに、本人の意思を十分確認した上で、そのニーズやリスクに応じた支援計画を作成し、ワンストップでフォローアップしています。子供の貧困を考える上で、児童虐待防止法による対策に加え、妊娠や出産、子育てへの切れ目ない支援による取り組みは車の両輪です。安心して子育てができる社会づくりのため、日本版ネウボラとも言える子育て世代包括支援センターを各区に設置し、ワンストップでサポートしていくべきと考えますが、見解をお聞かせください。

(3) 就学援助入学準備金の前倒しについてお伺いいたします。子供の貧困対策を進めるに当たっては、世帯の生活を下支えする経済的支援は重要課題と考えます。本年、福岡市教育委員会では、小・中学校に入学する子供を対象に支給する就学援助の入学準備金について、入学前の3月に前倒しで支給することを始めました。入学準備金は、学用品や通学用品の購入費用として、小学校分で1人当たり2万470円、中学校分で2万3,550円が支給されるものです。通常7月以降の支給ですが、3月支給と変更されれば何かと物入りな時期なだけに、その意義は大きいと考えます。子供の貧困対策の一環として保護者に寄り添う施策を推進すべきと考えますが、見解をお聞かせください。

子育て支援(企業子宝率と子育てに理解のある企業への支援)

(4) 子育て支援について伺います。市長、突然ですが企業子宝率という言葉を御存じでしょうか。企業子宝率とは、男女問わず企業の従業員が、同じ企業の在職期間中に何人の子宝に恵まれるかを推計するもので、東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長の渥美由喜氏が考案したものです。この企業子宝率を全国の自治体で初めて導入したのが福井県です。福井県は、共働き率が全国の都道府県で第1位となっている中、女性が家庭の外に出て働いている時間が長いにもかかわらず、合計特殊出生率は全国で上位をキープしています。その取り組みを探るべく、福井県庁に行ってお話を伺ってまいりました。

こちらの資料をごらんください。福井県からいただいた資料をもとに、1人当たりの有給休暇の取得日数と企業子宝率の相関関係をグラフにしたものです。縦軸は企業における1人当たりの有給休暇の取得日数で、横軸は企業1人当たりの企業子宝率となっています。例えば有休取得日数3.7日の企業では子宝率は1.0未満となっており、有休取得日数8.6日の企業では子宝率も2.0以上となっていることがおわかりいただけると思います。

この調査結果を作成しながら強く感じたことは、福井県では誰かに子供が生まれたら、その人が早く帰宅できるように業務改善をしたり、みんなで助け合ったりしている社風を育んでいるということです。この少子化時代にあって今後強く求められてくるのは、夫婦二人だけで子供を育てるのではなく、企業も含めた社会全体で子供を育てるという考え方を広く浸透させていくことだと思います。

現在、本市においてはリーディングエッジ企業認証支援事業としてすぐれた企業を支援していますが、あわせて子育てに理解のある企業を支援していく制度が必要と考えます。本市の見解をお聞かせください。

市長・子ども未来局長・副教育長の答弁(子供の貧困対策と子育て支援)

◎清水勇人市長 神坂達成議員の御質問の2 子供の貧困対策と子育て支援について、(2) 子育て世代包括支援センターの設置についてお答えいたします。

国は、妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援体制を構築することを目的として、保健師等が専門的な見地から母子保健や育児に関する相談支援等を実施する子育て世代包括支援センターを全国に展開するとしております。本市といたしましても、妊娠、出産、子育てに関する情報提供や、相談支援を包括的に実施するワンストップ拠点を整備することは重要であると認識しております。中でも、妊娠期から出産前後の時期に不安や負担が大きいと訴える母親が増加しておりまして、早急に支援体制を強化する必要があることから、妊娠・出産包括支援事業の展開を考えております。

本事業は、妊産婦等のさまざまな悩みや不安を助産師等の専門職がワンストップで受けとめて、子育て支援サービス担当部門との連携によって適切な支援策をコーディネートして包括的、また継続的に支えることとしております。これによりまして、子育てに対する不安が小さなうちに軽減することができ、保護者の安心感、あるいは自信を醸成し、ひいては虐待の予防にも資するものと考えており、国が目指しております子育て世代包括支援センターの役割を果たすものと認識いたしております。

◎高橋篤子ども未来局長 神坂達成議員の御質問の2 子供の貧困対策と子育て支援について、(1) 子供の貧困対策に関する計画の策定と実態調査の実施についてお答えいたします。

子供の貧困対策につきましては、議員が先ほどおっしゃられましたように平成26年1月に子供の貧困対策の推進に関する法律が施行し、同年8月に子供の貧困対策に関する大綱が閣議決定されました。国においては、子供の貧困対策に関する大綱を受け、子供の未来応援国民運動を平成27年10月1日に始動させ、さまざまな支援策や補助事業を創設、展開している状況であり、近々全国的に子供の貧困実態調査を実施する方針と伺っております。

また、平成27年11月9日に開催されました九都県市首脳会議におきましても、子供の貧困対策についての提案がなされ、さまざまな施策、制度のシームレスな取り組みについての検討をしていくことが合意されております。このような中、本市においてはさいたま子ども・青少年のびのび希望(ゆめ)プランに沿いまして、さまざまな子育て支援施策を展開しているところでありまして、この先国が展開する子供の貧困対策に関する支援策や補助事業、また九都県市での検討状況、さらに他都市の動向などに注視しながら、状況に応じて当該計画の見直しを含め検討してまいります。

また、実態調査につきましても現在詳細な情報が国から届いておりませんが、詳細がわかり次第、関係部署等と情報を共有、調整しながら検討してまいります。

次に、(4) 子育て支援についてお答えいたします。議員からの御指摘のとおり企業とともに子供を産み育てる環境づくりは、大変重要かつ推進すべき課題であると認識しております。これまでも市民、企業等に対し、仕事と生活の調和に関する情報等の提供、啓発や講座の開催、企業が整備する事業所保育施設のうち、本市が認可いたしました事業所内保育施設に対して運営費の補助を行うなど、子育て支援環境の推進に努めております。また、企業においても、ただいま申し上げました事業所内に保育施設を整備するなど、従業員の方に対する子育てへの理解や環境整備も少しずつではありますが、確実に進んでいるものと感じております。今後も企業のみならず地域や社会全体で情報を共有し、協力しながら子育てしやすい環境づくりを目指し、子育て支援を進めてまいります。

◎村瀬修一副教育長 神坂達成議員の御質問の2 子供の貧困対策と子育て支援について、(3) 就学援助入学準備金の前倒しについてお答えいたします。

議員お尋ねの就学援助入学準備金でございますが、本市の就学援助制度におきましては、新入学用品費として4月に本市に住所があり、就学援助に認定された新入学生の保護者に対し、かかった費用の一部を援助するために支給しております。この就学援助の認定に当たりましては、できるだけ直近の所得状況に即した援助を行うために、前年の所得をもとに審査を現在行っております。仮に福岡市のように新入学用品費を3月に支給することになりますと、現在よりも早い時期に受け付けを行う必要がありまして、そのためには申請者の方の前々年、前年のさらにもう一つ前の年の所得をもとに審査を行うことになります。制度の趣旨からいたしますと直近、すなわち前年の所得により審査を行うべきであると考えております。

福岡市の事例につきましては、今年度始まった新たな取り組みであり、今後も情報収集に努めてまいります。しかしながら、議員からの御指摘のとおり保護者に寄り添った施策の推進は大変重要なことと考えておりますので、現行の制度の枠組みの中で新入学用品費の支給時期を早めることができるかどうか研究を進めていきたいと考えてございます。

振り込め詐欺被害防止に向けた自動通話録音機器等の貸し出し

◆神坂達成議員 子供の貧困の実態は、皆様が考えているより大変にせっぱ詰まった状況だと私は感じています。他都市の状況を見て進めることも大事かと思いますけれども、それ以上に自分の市の貧困を、生活に困っている子供たちをどう守っていくのか、これをもう一度、ぜひとも御検討していただきたいと考えます。

次に移ります。3 行政サービスの向上について、(1) 振り込め詐欺被害防止に向けた自動通話録音機器等の貸し出しについて伺います。市内の振り込め詐欺被害は、認知件数、被害件数ともに年々増加しており、昨年度は市内だけで225件、約6億5,000万円の被害となっています。さらに、高齢者を狙った悪質商法とされる劇場型勧誘や点検商法等の被害を含めると、市内における被害総額は10億円を突破し、甚大です。このほかにも、誰にも相談せずどこにも届けを出していない被害者を含めると、この数字をはるかに上回るとされております。詐欺の手口も、金融機関にお金を振り込ませる振り込み型から、自宅まで犯人が直接現金を取りに行く現金手渡し型に移行しており巧妙化しています。本市においても、講習会の開催や啓発チラシ、啓発品の配布を行っていることは十分承知をしておりますが、状況についてはさきに述べたとおりです。

現在、これらの詐欺被害を防止するため、数多くの都市で自動通話録音機器等の貸し出しが推進されていますが、残念ながら本市においてはいまだ実施されておりません。

そこで、お伺いいたします。自動通話録音機器等の貸し出しは、地方消費者行政推進事業実施要領に定める補助事業の6番、地域社会における消費者問題解決力の強化に関する事業に該当し、埼玉県消費者行政活性化補助金として活用することができます。支出限度も1事業当たり1,500万円、活用期間は7年、しかも補助率は10分の10となっており、本市における財政的負担はありません。消費者庁は、平成28年度の概算要求において地方消費者行政推進交付金を20億円上積みし、50億円要求したとの報道がなされており、平成28年度も継続されると考えられます。手口が巧妙になっても、被害の多くが1本の電話から始まっていることを考えれば、本市として10分の10の補助金を使った振り込め詐欺被害防止に向けた自動通話録音機の貸し出し事業を実施すべきと考えますか、見解をお聞かせください。

複写式婚姻届の作成

(2) 複写式婚姻届の作成についてお伺いいたします。晴れて2人が結婚するとき、初めての共同作業は婚姻届を書いて役所に提出することから始まります。婚姻届が無事に受理されれば、法的に夫婦として認められた特別な記念日となります。しかし、二人が思いを込めて用意した婚姻届も区役所に提出してしまうと、その大切な思い出の品は保存年月が経過すると破棄されてしまい、この世から消滅してしまいます。ここ数年、各自治体やウエブサイト上で、オリジナルデザインの婚姻届が続々と登場し、話題を集めていますが、手元に記念として残る複写式はまだ少ないのが現状です。

そこで、この大切な思い出の品である婚姻届を二人の手元に記念として残せるよう複写式にしてはどうかと提案いたします。このアイデアについて私の周りの人に御意見を聞いてみたところ、大多数の方々が賛成してくださり、高いニーズを感じました。

こちらをごらんください。これは、葛飾区の複写式の婚姻届です。1枚目は、従来から配布している婚姻届となっております。これをめくっていただきますと、2枚目は二人の記念用となっています。上段センター部分には、御結婚おめでとうございます。二人の門出を心より祝福しますの文字が。右下の部分には、夫から妻へ、妻から夫へなど、お互いにメッセージ等が記入できるよう工夫されています。個人的なアイデアですが、例えば30年後、50年後の夫婦がこうなりたい、こうあったらいいな、そんな未来予想図を書けるスペースにしたり、また時には夫婦の約束事、決まり事、何でも話し合おうねとか、うそはつかないようにしようとか、大体男性のほうが苦しくなるかもしれませんけれども、こういったものを書けるようにして、さいたま市らしいものにしてはどうかと私は考えます。葛飾区では、この婚姻届を本年3月に6,000枚作成し、区役所の窓口で配布を開始しました。気になるコストですが、葛飾区に確認したところ6,000枚の総額は12万6,360円、1枚当たりに直すと21円6銭でした。昨年度、本市の婚姻届受理件数は約1万3,000件で、全員にお渡ししたとしてもその予算は28万円です。サービスを開始すれば、必ずや多くの方々が喜んでくださると私は確信しますが、市長はどのようにお考えになられたでしょうか。

また、法的根拠を調べたところ、戸籍法施行規則第59条では、附録第12号様式は定められていますが、イラストを入れたり複写式を導入することへの規制はありませんでした。選ばれる都市として、人口減少社会における都市間競争の一助とするとともに、さらなる市民サービスの向上を目指し実施するべきと考えますが、見解をお聞かせください。

市民局長の答弁(自動通話録音機等の貸し出し・複写式婚姻届)

◎榎本肇市民局長 神坂達成議員の御質問の3 行政サービスの向上について、(1) 振り込め詐欺被害防止に向けた自動通話録音機等の貸し出しについてお答えいたします。

本市の振り込め詐欺被害につきましては、議員からの御指摘のとおりここ数年増加傾向にあり、依然として高い水準で推移しております。平成27年1月から9月末の振り込め詐欺被害状況でございますが、被害件数は170件、被害額は約5億2,326万円となっており、昨年同時期と比べると件数では5件増加、被害額では約6,606万円増加しており、今後も予断を許さない状況にございます。そのため、新たにすぐできる対策といたしまして、電話機に張りつける振り込め詐欺撲滅手形POPシールを作成し、高齢者交通安全教室に参加した高齢者や、さいたま市防犯・暴力排除・交通安全市民大会の来場者に配布し、振り込め詐欺への注意を促したところでございます。引き続き、被害を受けやすい高齢者が集まる消費生活出前講座などにおいて、POPシールを配布するなどにより注意喚起を行うとともに、警察、防犯協会などと連携して被害防止対策の推進に努めてまいりたいと考えております。

御質問の振り込め詐欺被害防止に向けた自動通話録音機等の貸し出しにつきましては、川口市、川越市などの県内の市で今年度、消費者庁の地方消費者行政推進交付金を財源とした、埼玉県の消費者行政活性化補助金を活用して実施したと伺っております。

なお、この補助制度は消費者被害の未然防止、拡大防止などを図ることにより消費者の安全と安心を確保することを目的としており、65歳以上の高齢者が対象となっております。そのため、機器の貸し出し時には設置から操作方法の説明までを業者に委託し、貸し出しした機器が有効に活用できるようにしているとのことでございます。

本市といたしましては、振り込め詐欺の被害防止対策の一つとして機器の普及や活用を推進しており、自動通話録音機等の貸し出し事業につきまして埼玉県消費者行政活性化補助金の活用を前提といたしまして、貸し出しの対象とする世帯、募集方法、機器の設置方法などについて実施自治体の結果を踏まえながら検討を行い、環境が整い次第実施してまいりたいと考えております。

次に、(2) 複写式婚姻届の作成についてお答えいたします。婚姻の届け書につきましては、御指摘のとおり記載すべき事項について戸籍法施行規則附録第12号様式に規定されておりますが、様式の余白部分等の記載を制限する定めはございません。このため、届け書に絵や図柄のデザインを記載することや、届け出される方の手元に記念として残る、いわゆる複写式の婚姻の届け書とすることについては、市町村で独自に実施することが可能となっております。

人生の一つの節目である婚姻届に使用する複写式の婚姻届け書の配付につきましては、本市が推進しておりますCS90運動の一環として市民満足度の向上に寄与することが期待できるものと考えます。今後、複写式の婚姻の届け書につきましては、複写用紙に記載する内容等の検討を行った上で、できるだけ早期の導入を図ってまいりたいと考えております。